開発活動のご紹介






平成14年度事業概要 新見いのししラーメン

「内から外 静から動 思いから実りへ」

 私たち新見商工会議所青年部は、平成14年度、創立10周年を迎えました。橋本正純会長の「内から外へ」「静から動へ」「思いから実りへ」・・・行動する青年部を目指して、という方針を踏まえ、若者らしく知恵と汗を結集して記念事業に取り組むことになりました。
そこで着目したのが、新商品の開発です。地域の特性と伝統文化を生かし、地域経済の活性化に貢献できる事業として、「新見いのししラーメン」と「高尾和紙の灯り」の2品目をテーマに、全国に発信できる新たな特産品づくりと商品化を目指しています。
いのししは嫌われ者?
・この新聞記事にもありますように、新見市と周辺の阿哲郡を含めた阿新地域には、たくさんのいのししが生息しており、年間約1,000頭が捕獲されています。山のギャングとも呼ばれ、非常に繁殖力が強いのが特徴です。

・いのししの捕獲頭数は年々増えているのですが、野菜などの畑が一晩で全滅するなど、農家にとっては深刻な被害が続いており、平成14年の春には、狩猟期間を1ヶ月延長して、猟友会による一斉駆除も行われました。

発想転換。新名物料理に
・この写真はなかなかチャーミングでかわいらしいいのししですが、みなさんは本物の野生のいのししを見る機会は、まずないと思います。

・私たちが考えたのが、このいのししで新しい名物料理ができないかということです。嫌われ者のイメージから発想を換えて、「山の宝だ」と考えれば、珍しさも手伝って人が呼べるようになりはしないか、ということでした。

・と言いましても、万人に愛される食べ物でないと商売にはならないわけですから、庶民的、大衆的で日本人の多くが好むラーメンに着目しました。(本当は私が一番好きな食べ物なんですが・・・)

・岡山にはこれといった名物ラーメンがないわけで、それなら新見で、新見ならではの個性的な名物ラーメンを開発しようということになったわけです。
地域の店に開発呼びかけ
・幸いなことに、新見市と中国経済産業局のご支援がいただけましたので、平成14年6月ごろから商品開発の準備を進めてきました。

・まず行いましたのが地域の飲食店への開発協力の呼びかけでした。商工会議所会員の事業所およそ90店にお願いしまして、いのししを素材にしたラーメン開発に協力して欲しい、というお願いをしました。

・7月に入って説明会を開きましたところ、飲食業と製麺業のあわせて10社が協力してみようという名乗りをしてくださり、約2ヶ月の開発期間で取り組んでいただくことになりました。

・開発募集要領では、スープにもチャーシューにも地元のいのしし肉を使うこと、もちろん野菜やみそ、しょうゆ、麺などの素材にも地元産を使うことを条件とさせていただきました。

・ただ、例年狩猟期間が11月15日から2月15日という冬場に限られますので、各飲食店のみなさんは、いい肉の調達という点でかなりご苦労されたようです。

・この写真は記者会見の時のようすですが、報道機関へ新商品開発事業を積極的に取り上げていただくよう要請をしまして、町全体に事業を浸透させる努力もしました。
青年部でも試作に挑戦
・一方、青年部でもラーメン屋さんに負けないような、オリジナルいのししラーメンを作ろうというふうに盛り上がりまして、数回試作会を行いました。

・ちょっと見づらいかもしれませんが、これはいのししのあばら肉で、この時期あまり手に入らないものなんですが、青年部のメンバーの中には、こういったものもすぐに調達してくる優れものがおりまして、骨をたっぷり入れて煮込んでみました。
チャーシューづくり
・チャーシューの作り方ですが、肉のかたまりをヒモで巻きまして、形が崩れないように、また肉汁を逃がさないようにしました。

・青年部のメンバーには、ラーメン専業店の人はいないのですが、飲食業は何人かおりますので、そこらへんが指導者になりまして、見よう見まねで作ってみました。
チャーシューの焼きぐあい
・これは肉の表面を焼いて、味付けをしているところですが、焼き加減がどれくらいがいいかということや、しょうゆやみりん、さとう、お酒などの配合をいろいろ試してみました。

・なかなか奥が深いといいますか、いのししには独特のくさみがありますので、どこまでその風味を残すかが難しく、一度で「これだ」という味は作れなくて苦労しました。
スープづくり
・これはスープづくりの場面です。まあ、普段包丁も持たないような面々が、野菜をきざんで準備しているところで、なんだか男の料理教室のようになりました。

・スープの素材に使ったのは長ネギや玉ネギ、にんじん、にんにく、リンゴ、そしていのししのあばら肉などですが、こちらもいのしし独特のくさみと調和する素材の選定が課題となりました。
大鍋での煮込み
・刻んだ野菜は大鍋で約3時間煮込みました。煮れば煮るほど、周囲にあの独特のいのししの香りがぷーんとしまして(言葉で表現は難しいですが・・・)、メンバーの中には嫌がる者もおりましたが、それでもこまめにあくを取りながら、楽しく作業に取り組みました。
スープの完成
・野菜の形がなくなるくらいまで煮込みますと、なかなかおいしそうなスープができました。いのししのあばら肉も入ってますので、なんとなくとんこつスープに近いようなできばえになりました。

・このスープを濾して取り、チャーシューを煮込んだ汁をベースに、まぜ合わせてみました。
試作ラーメン試食
・これが、試作したラーメンの完成品です。トッピングにはいのししチャーシューに加えてモヤシやかまぼこ、メンマ、刻みネギなどが入っています。

・味はといいますと、我々素人の作品ですからおいしいのだか、まずいのだか分からない微妙な味といいますか、ほとんどのメンバーが「ウ〜ん」「まあまあ、こんなもんかな〜」といった感想でした。

●試食審査会
・これまでのラーメン開発の取り組みの中で、前半のクライマックスになったのが、この試食審査会でした。

・9月17日に実施したのですが、商工会議所の会員事業所7店からしょうゆ味、みそ味、塩味の合計13種類のラーメンが出品されました。また、これとは別に、青年部のオリジナルラーメンも参考出品しました。
審査項目
・試食審査は出品業者名を伏せてラーメンを出し、チャーシューのできばえ、スープ、麺の味、全体のバランスの4項目で行い、17人の審査員に各項目5点、計20点満点で採点していただきました。
報道機関が多数取材
・この日我々が一番驚いたのが、テレビや新聞などマスコミ11社が取材に訪れたということです。都市部では珍しくないでしょうが、新見のようないなか町では、こんなことは滅多にないもんで、青年部始まって以来のできごとのひとつでした。
出品者は大忙し
・一方の出品者も大忙しでした。苦心して開発したラーメンをおいしく食べてもらおうということで、出すタイミングを計りながら素早くつくり、その作業をテレビカメラが追っかけるという状況で、まさに戦争状態でした。
審査員の苦闘
・そして、審査員のみなさんもまさに苦行といったようすで、いくらひとくちずつ試食といっても、青年部オリジナルラーメンを入れて14種類のラーメンが次から次へと出てきて食べるわけですから、中盤以降は、「もうくえん。勘弁して〜」という人もいて、会場は笑いの渦に包まれていました。

・ちなみにこの方は、報道関係で審査員をお願いした、某、山陽新聞の記者さんで、バックバク食べておられました。
最優秀のさつまラーメン
・これが審査の結果、最優秀に選ばれたさつまラーメンのしょうゆ味です。次点の花よしと仕出しもりが共同開発されたみそ味とともに、今日はこのあとの懇親会で、みなさまに食べていただくことにしておりますので、よろしくお願い致します。

・また、今後の商品化に生かすため、試食アンケートにもご協力をお願いしたいと思います。

感謝状
・今回の試食審査会は、青年部が商品化を目指すのにふさわしいラーメンを決めるという内容で行い、出品業者の優劣を決める趣旨ではありませんでしたので、開発に当たっていただいた業者全員に感謝状を贈って労をねぎらいました。

市民の期待
・試食審査会のあと、たくさんのマスコミ、メディアで報道されたことで、市民のみなさんからも「どこで食べられるんだ。いつからか・・・」などの問い合わせが多数寄せられるようになり、本当に熱い期待を持たれているということが分かりました。このことは、私たちにとってプレッシャーにもなりますが、逆に大きな励みにもなっております。
ラーメン店頭販売開始
・いよいよ11月15日の狩猟解禁日、こののぼり旗を掲示した市内の6店舗でラーメンが食べられるようになりました。なかなか目立つ旗ですので、一目で分かり、お店が観光客にも分かりやすいようにしています。

・次のステップとして、箱入りの持ち帰り用ラーメンの開発に取り組んでいます。お土産物としてITも活用して、全国へ発送もできるよう、準備を進めています。



パッケージ
・次に、パッケージのデザインですが、土産物としての商品化を目指すには新見の情報を発信できるような、たとえば新見千屋温泉や井倉洞などの観光地の写真なども入れこんで、観光PRに一役買えるようなものが出来たらと、現在研究に取り組んでおります。

・更なる味の改良にも取り組んで、今年度中によその町のラーメンに負けないような、商品を完成させたいというのが私たちの大きな願いです。

・まだまだ課題も多く、この事業は中間どころといった感じですが、次のステップに向けて、青年部一同、一丸となって取り組んでいくことにしております。