平成14年度事業概要     和紙の灯り

「内から外 静から動 思いから実りへ」

 私たち新見商工会議所青年部は、平成14年度、創立10周年を迎えました。橋本正純会長の「内から外へ」「静から動へ」「思いから実りへ」・・・行動する青年部を目指して、という方針を踏まえ、若者らしく知恵と汗を結集して記念事業に取り組むことになりました。
そこで着目したのが、新商品の開発です。地域の特性と伝統文化を生かし、地域経済の活性化に貢献できる事業として、「新見いのししラーメン」と「高尾和紙の灯り」の2品目をテーマに、全国に発信できる新たな特産品づくりと商品化を目指しています。
和紙の灯りとの出会い
・時間に追われる現代社会の中で私たちは、心にゆとりのない生活を送っています。

・そして流れに取り残されないように頑張って来た人々がこのバブル以降の閉塞感の中で、疲れ切っているのでは無いでしょうか。

・こうしたことを背景に今は人々が癒しを求める時代だと言われています。
高尾和紙と赤木さん
・この新見の地には古くから農家の副業産業として和紙づくりが栄えていました。

・しかし現在は、84歳の赤木浦治さんお一人となってこの産業も途絶えようとしています。

・そこで、私たちは何とか700年以上続いている高尾和紙を次の世代に残してゆけないだろうかと思い赤木さんの協力で高尾和紙の灯りの開発に取り組むことになりました。
自分で作るとおもしろい
・まず、自分で和紙の灯りを作ってみました。

・これが私の第一号作品です。

・作ってみますと以外と楽しく自分の作品が素晴らしい物に見えてくるところが不思議な感じがしておかしく思えました。

・和紙の産業を残すには、商品開発・人材育成・販路開拓の3つのコンセプトが大切だと感じました。
紙の町 伊野町へ
・和紙の灯りを作ろうとするには、和紙そのものを、もっと知らなければと思い、土佐紙で有名な高知県伊野町の紙の博物館を訪ね和紙の歴史を勉強しました。

・現在の伊野町では、多くの紙産業が発展し、トイレットペーパーから精密機械に使用する紙製品まで作られているそうです。
職人の話には重みが・・・
・25年ほど前、伊野町ても手漉き和紙の産業が途絶えようとしたそうです。

・それはタイプライター紙・ガリ版紙を9割以上生産していたのがコピー機・ワープロの、普及でそれらの紙がいらなくなり紙づくりで生計を立てられなくなったのです。

・その時の考えられたのが、工芸和紙と言う紙だそうです。

・現在では、付加価値を付けた数百種類もの和紙が販売されていました。

・この町でも後継者問題で悩んでいるそうです。
紙漉体験もしました
・見学した紙の博物館では、観光客向けに色紙やはがきなどの紙漉体験が出来る設備が有り、私たちも実際に体験してみました。
これも紙・・・?目からうろこでした
・この写真は、伊野町で売られている工芸和紙の一部です。
・紙と言うよりは、木の素材をそのまま生かしインテリアとして販売されていました。

・しかも値段は2万円もする物で、新見の赤木さんが作っている和紙は一枚たった150円です。

・これらを見てやはり和紙に付加価値を付けなければと感じました。
こんな落ち着きのある和紙の灯りも
・この写真は、和紙を使ったつり下げ型の灯りです。

・長さは2mにもなり落ち着きの有るものでした。

・現在、世界的にも日本の和紙の灯りが見直されて来ています。

・アメリカでは、洋風の室内に和紙の灯りをインテリアとしておくのが流行っていると聞いています。
和紙づくりに挑戦
・帰りの車中で私たちは「これからは新見の地でも工芸和紙を作らなければ・・・」「紙の付加価値を上げて行かなければ」と意見がまとまりました。

・そこで私たちは新見に戻り、和紙づくりに挑戦しました。

・この写真は、原料の仕込みです。

・大鍋に湯を沸かし、こうぞの皮と化成ソーダーを入れて3時間ぐらい煮込んで、一昼夜流水にさらします。
木の繊維を細かく砕く(ビーカー)
・つぎに、出来た紙の原料をビーカーと言う機械で細かく砕きます。
・和紙の繊維は、パルプ繊維に比べて繊維が長く耐久性や耐水性に優れているそうです。
●繊維を溶かし糊を入れて準備完了
・大きな水槽に糊と先ほどの繊維を入れてよくかき混ぜて準備完了しました。

・さて、いよいよ紙漉です。
紙漉本番何とか和紙に
・赤木さんに手ほどきをうけて本格的な紙漉です。

・最初の内はなかなかうまくいかなかったですが、徐々に皆さんもうまく出来るようになり、100枚近く、漉くことが出来ました。

・余った材料で落ち葉や稲穂と言った物を、漉き込んで工芸和紙風な物も作ってみました。
乾燥させて出来たぞ・・・!
・これが私たちの作った和紙です。

・初めての体験としては、なかなか良い物が出来たとみんな満足そうでした。

・今後は、多くの市民の皆様にも、体験してもらえるような、企画をしていきたいと思います。
思い思いのアイデアで制作
・私たち青年部のメンバーは、自分たちが漉いた和紙を使って和紙の灯り作りを始めました。

・それぞれ思い思いのアイディアで、作品づくりに取り組みました。
デザインコンテスト
・さらに、市民にも出品を呼びかけ「高尾和紙の灯り」のデザインコンテストを開催しました。

・このコンテストは、地域の皆様と共に商品開発に取り組み、優秀作品のデザインを今後の商品化にいかそうと言う趣旨で行いました。
たくさんの応募がありました
・募集当初は、私たちの趣旨を理解して、数多く応募してくれるか心配でしたが、この写真のように47点にも及ぶ多くの作品が出そろいました。

・見に来て頂いたお客様に自分の一番気に入った作品に投票してもらいコンテストの成績集計としました。

・また、多くの人たちから、「今年は作れなかったけれど、来年は私も出品したい。ぜひ来年も頑張ってください。」と激励されました。

・「和紙の灯りが、こんなにも綺麗な物とは知らなかったです。」と言ったような意見もありました。
こんな素晴らしい作品も・・
・出品作品の中には、奇抜なデザインも有り、石・木・竹・鉄など、様々な素材で、出来た作品が、出そろい来場者の目を引きました。
素材を生かした物も
・どれをとっても素晴らしい作品ばかりです。

・中には一ヶ月以上作成期間が、かかったような物も有りました。
今後の展開
・このコンテスト出展作品の中から優秀なもの数点を選び、商品化に生かすためプロジェクト委員会を発足しました。

・この委員会は、出品者とデザイナーそして生産から販売までのそれぞれ分野の専門家で組織しています。

・今後協議を重ね和紙の灯りを新商品へと仕上げて行く予定です。
共通の課題
・新見いのししラーメンと「高尾和紙の灯り」の共通の課題としてまず、売れる商品づくり、どうやって付加価値を高めていくかがあげられます。

・また、商標登録や原材料の確保・人材育成と言った課題にも取り組んで行かなくてはなりません。

・販売体制作りでは、青年部を中心に法人化も検討しています。

・インターネットなどIT技術を活用した市場開拓にも挑戦し更に新しい商品も生み出して行きたいと考えています。
これからは
・今、私たちは家族や自分の企業、そしてこの日本を愛し、気概を持って自らが前進することこそ、大切なのではないでしょうか。

・不況やデフレスパイラルという逆風の中、青年部の仲間同士が支え合い、励まし合っていこうではありませんか。

・私たちは、これからも地域の明日を担う商工業者の集まりとして、一人ひとりが最も得意な分野の能力を発揮。

・その力を結集して、豊かな郷土を築くために創造と工夫、勇気と情熱を持って行動します。

・これからも皆さんの温かいご支援をお願いします。

・有り難うございました。