活動実績

2017/06/16(金) 第111回岡山県医用工学研究会セミナー

第111回 岡山県医用工学研究会 平成29年度 第1回セミナー・交流会

幅広い医工連携の深い懐―メディカル・エコロジーそしてイノベーション


【日 時】平成29年6月16日(金) 13:30~19:00
【場 所】岡山大学鹿田キャンパス
セミナー: 臨床講義棟2階 第二講義室
交流会:医学部記念会館内 カフェテリアバンビ
【参加費】セミナー:無料
交流会:会員1,000円(非会員3,000円)

【共 催】NPO法人メディカルテクノおかやま
【後 援】岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産学官連携センター、日本生体医工学会中国四国支部


◆プログラム
1.開会挨拶  13:30~13:35
岡山県医用工学研究会会長・NPO法人メディカルテクノおかやま理事長 公文 裕巳

2.講 演
(1)「難治性神経疾患の創薬に関する研究」
  13:35~14:25  
  岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)准教授 井上 剛 氏

 有効な治療薬がない「難治性疾患」に対する創薬は重要である。人口の約1%を占めるてんかん患者の3割には、既存薬が有効でない。この難治性てんかんには「ケトン食療法」という食事療法が有効であるが、厳しい食事管理が課されるため適用が難しく、「ケトン食療法に基づく治療薬」が望まれている状況である。本講演では、我々が明らかにしてきたケトン食療法の作用メカニズムと、創薬への取り組みについて紹介する。

(2)「肺癌におけるXAGE1免疫とその臨床応用」  14:25~15:15
  川崎医科大学呼吸内科学講師 大植 祥弘 氏

 分子生物学と細胞工学の進歩により、がん免疫療法は免疫チェックポイン阻害薬を代表とした分子免疫抗体療法へ発展し、悪性黒色腫を先導に肺癌でも新規治療法としての確固たる地位を築いた。我々は、肺癌における宿主免疫応答を長年に渡り地道に解析し、肺癌で最も多い肺腺癌に特異的に発現するがん精巣抗原であるXAGE1を発見した。XAGE1抗原の強い免疫原性が、患者の予後を規定し、さらに、がんワクチンとして有用性が大いに高まった。その為、平成29年度に、XAGE1をがんワクチンとして用いた第一相臨床試験を実施する。


【休憩】 15:15~15:30


(3)「瀬戸内の里山・里海における生態系機能の解明に向けた研究拠点の形成」  15:30~16:20
  福山大学生命工学部生物工学科准教授
  グリーンサイエンス研究センター瀬戸内の里山・里海生態系プロジェクト代表 佐藤 淳 氏

 里山の豊かな中国地方、里海のふるさと瀬戸内海、そして数多くの島々、ここ瀬戸内には、他に類を見ない特徴的な自然環境が溢れています。私たちは、瀬戸内の里山・里海の生態系を徹底解明することを通して、人と自然との共生社会を構築するための礎を築き、そして自然の恵みを発掘・活用し地域の発展に貢献することを目指しています。本講演では、野生哺乳類を中心に、福山大学で展開中の里山・里海の生態学研究を紹介します。

(4)「日本における産学連携活動の現状と展望」  16:20~17:20
  三重大学大学院地域イノベーション学研究科 三重大学地域戦略センター長 副学長・教授 西村 訓弘 氏

 経済衰退と人口減少が著しい三重県南部地域でも、地域内に蓄積した社会基盤と人材を最適結合することで、成長性の高い事業を生み出せることを、事例を用いて紹介します。講演では、「地域内における新たな連携構築を基にしたイノベーション(地域イノベーション)の創出」の可能性について論じるとともに、日本に必要とされる「地域のための産学連携活動」について演者の考え方を紹介したいと思います。

3. 交流会 17:30~19:00


◆参加者 セミナー 46名 / 交流会 23名
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