活動実績

2010/06/10(火) 第85回岡山県医用工学研究会セミナー

第85回 岡山県医用工学研究会 平成22年度 セミナー・交流会
 

あいにくの雨模様ではありましたが、大変多くの方々にご参加を頂きました。詳細な資料やスライド、映像などを交えて、先生方の貴重なご講演を拝聴することができました。交流会にも半数以上の方々にご参加いただき、ご会食、ご歓談をいただきました。

【日 時】 平成22年6月15日(火) 13:40~18:45
【場 所】 岡山大学鹿田キャンパス
       セミナー:入院棟11階カンファランスルームC / 交流会: れすとらん・すずらん
【参加費】 セミナー:無料 / 交流会:会員1,000円(非会員3,000円)

【主 催】 岡山県医用工学研究会
【共 催】 特定非営利活動法人メディカルテクノおかやま
【後 援】 独立行政法人科学技術振興機構 JSTイノベーションプラザ広島、岡山大学ナノバイオ標的医療イノベーションセンター(ICONT)、日本生体医工学会中国四国支部

◆プログラム
1.開会挨拶 13:40~13:45
 岡山県医用工学研究会・NPO法人メディカルテクノおかやま会長 公文 裕巳

2.話題提供シリーズ-産学官連携の展望-
①「新規細胞動態解析装置TAXIScan技術の開発と応用」
 13:45~14:25
 川崎医科大学 生化学教室 准教授 山内 明 氏

 (株)ECIは新しい細胞動態解析装置TAXIScan技術を開発した。細胞走化性測定において、従来法では多量の検体を 必要で少ない情報しか得られないが、この方法では微量の検体での細胞の画像解析・定量が可能であり格段に情報が多い。走化性のほか、アレルギーで重要なマスト細胞の脱顆粒解析や、好中球・マクロファージの貪食反応、NK細胞の細胞傷害活性等の解析も可能であり、多方面に応用できる。

②「バイオ技術による迅速・高感度・簡易アスベスト検出キット開発」 14:25~15:00
 広島大学大学院先端物質科学研究科教授
 有限会社シリコンバイオ取締役               黒田 章夫 氏

 我々は細胞内タンパク質ライブラリーの中からアスベストに結合するものをスクリーニングする方法を開発した。その結果、 DksAと呼ばれるタンパク質は、アスベストのうち最も多用されたクリソタイル繊維と強く結合する性質があることが分かった。我々は遺伝子操作によって DksAとGFP(緑色蛍光タンパク質)を融合させたものを作りだし、アスベストを蛍光顕微鏡でとらえる方法(蛍光法)を開発した。

【休憩】 15:05~15:20

3.【特別講演】-アスベストと悪性中皮腫-
③「悪性中皮腫とはどのような病気か-臨床像と分子腫瘍学的特徴-」
 15:20~16:10
 岡山大学病院呼吸器外科 助教 豊岡 伸一 氏

 悪性中皮腫は非常に予後の悪い疾患である。石綿曝露が明らかな危険因子であり、本邦では2005年以来、大きな社会問題と なっている。本講演では、悪性中皮腫について、石綿曝露との関係、臨床学的特徴、そして、分子生物学的特徴について概説する予定である。

④「地球化学的手法の病理学的応用‐悪性胸膜中皮腫を例に‐」 16:10~17:10
 岡山大学地球物質科学研究センター センター長 教授 中村 栄三 氏

 肺に吸い込まれたアスベスト繊維は一般にそれに付着するタンパク質とともに小体を形成し、手術により摘出された肺実質中の小体本数密度はアスベスト曝露の重要な指標となっている。我々は6名の悪性胸膜中皮腫患者から分離されたアスベスト小体と含鉄小体を地球化学で確立された 分析法で解析し、ラジウムの濃縮を見出した。本講演では、そのメカニズムと中皮腫との関係について紹介する。

■交流会 17:30~18:45


◆参加者 セミナー 54名  /  交流会 28名

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