第108回 岡山県医用工学研究会セミナー

第108回 岡山県医用工学研究会 平成28年度 第1回セミナー・交流会

住環境と健康


【日 時】 平成28年6月24日(金) 13:30~19:00
【場 所】 岡山大学鹿田キャンパス
       セミナー: 地域医療人育成センターおかやま3階講義室(MUSCAT CUBE)
       交流会:カフェテリア・バンビ
【参加費】 セミナー:無料 
     交流会:会員1,000円(非会員3,000円)
【共 催】 NPO法人メディカルテクノおかやま
【後 援】 科学技術振興機構イノベーション拠点推進部、日本生体医工学会中国四国支部


◆プログラム
1.開会挨拶 13:30~13:35
 岡山県医用工学研究会会長・NPO法人メディカルテクノおかやま理事長 公文 裕巳

2.講演
(1)「負帯電粒子優位な住環境による健康増進住宅の構築」 
13:35~14:25
 川崎医科大学 衛生学・教授 大槻 剛巳 氏

 健康増進住宅を目指して負帯電粒子優位室内環境の生体反応と実験的検討を行った。2.5時間滞在によりインターロイキン(IL)-2の微量ながら有意な増加,2週間夜間滞在試験では,IL-2により刺激をうけるがん免疫の主体であるナチュラルキラー(NK)細胞の活性化が認められた。培養実験的でもNK活性の増強や免疫賦活化が観察された。実際の住居に設置した3ヵ月ON/OFFトライアルでも,NK活性のONでの増強とOFFでの減弱が確認され,今後の活用が望まれる。

(2)「私たちが目指している健康住宅とは・・!~健やか住まい方で健康維持増進を~」 14:25~15:15
 NPO法人日本健康住宅協会 常務理事 和田 伸之 氏

 一般的な考え方に病気はDNAつまり親より受け継いだ遺伝子と生まれ育った環境が関係すると云われている。この環境には大きく食環境と住環境の二つがあると考えている。定期検診や特定健診では医師や保健師から食事制限や運動不足改善を示唆される。しかしながらこれは食環境の改善であり住環境の改善まで触れる事は稀であると云える。保健師や栄養士の先生から「バランスの良い食事を採りなさい」とご指導戴く様に、新築やリノベーション時にも住環境バランスが必要であり、それらに特化した暮らし方も重要である。そのバランスとは空気環境、温熱環境、音振動環境、光視環境である4つの住環境と3つの防除対策でもある防露・防カビ・防虫と考えている。

【休憩】 15:15~15:35

(3)「冬季の死亡率上昇の緩和に向けて -住環境コホート研究 平城京スタディのご紹介-」 15:35~16:25
 奈良県立医科大学 地域健康医学講座 講師・佐伯 圭吾 氏

 冬の総死亡率が他の季節より10-20%高い現象は、熱帯地方以外の世界中でみられる。冬季過剰死亡は外気温より室温と関連する可能性を示唆する先行研究がみられるが、室温の健康影響に関するエビデンスは乏しい。
演者らは、住環境が高齢者の健康に及ぼす影響を明らかにするためのコホート研究を2010年に開始した。このベースライン横断解析から、室温と自由行動下血圧、Na摂取量、入眠潜時、夜間頻尿などとの関連を報告する。

(4)「木質住環境によるヒトの健康維持増進」 16:25~17:15
 近畿大学医学部 環境医学・行動科学教室 准教授 東 賢一 氏

 居住環境における健康問題(いわゆるシックハウス問題)は、関係業界等による努力で汚染源対策が進められ、大きく改善されてきた。その中で、無垢の木材の内装仕上げによる居住者の症状の改善が建築士等により観察されてきたが、科学的な検証は十分なされていない。演者らは、木材関係の研究者や建築士らと共同で、無垢の木材パネル設置によるヒトの生理的及び心理的な反応に関する実験を行い、疲労回復や睡眠改善に対する効果等の評価を行ってきた。本講演ではこれらの概要を紹介する。

3. 交流会 17:30~19:00


◆参加者 セミナー 58名 ・ 交流会 27名 

一覧へ戻る