第112回 岡山県医用工学研究会セミナー

第112回 岡山県医用工学研究会 平成29年度 第2回セミナー・交流会

抗体応用への生物工学的アプローチ


【日 時】平成29年10月27日(金) 13:30~19:00
【場 所】岡山大学鹿田キャンパス
        セミナー: 臨床講義棟2階 第二講義室
        交流会:医学部記念会館内 カフェテリアバンビ
【参加費】 セミナー:無料
      交流会:会員1,000円(非会員3,000円)

【共 催】NPO法人メディカルテクノおかやま
【後 援】岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産学官連携センター、日本生体医工学会中国四国支部


◆プログラム
1.開会挨拶  13:30~13:35
 岡山県医用工学研究会会長・NPO法人メディカルテクノおかやま理事長 公文 裕巳

2.講 演
(1)「腫瘍免疫応答の活性化をモニタリングするMUSCAT-assay」
  13:35~14:25
 岡山大学 大学院 自然科学研究科 生命医用工学専攻 准教授 二見 淳一郎 氏

 良好な治療予後と相関する腫瘍免疫応答が亢進すると、血液中に様々な抗がん抗原抗体が増加する。がん抗原の発現パターンやエピトープの個人差は大きく、網羅的に解析できる技術が必要だ。大半の全長がん抗原は不安定で不溶化しやすい物性であるが、化学修飾法を活用して全長・水溶性がん抗原が取得できる。これを活用した極微量の血液から抗体価を網羅的に定量評価できるMultiple S-Cationized beads array assay(MUSCAT-assay)技術とコンパニオン診断薬としての可能性についてご紹介したい。


(2)「動物細胞を用いたバイオ医薬品の生産技術-次世代バイオ医薬品製造技術研究組合活動を通じて-」  14:25~15:15
 大阪大学 大学院 工学研究科 生命先端工学専攻 教授 大政 健史 氏

 2000年代に入って伸長著しいバイオ医薬品であるが、その製造技術である動物細胞を用いた抗体生産は近年では10g/Lレベルでの生産も多数報告され、進展著しい。そこで、本講演ではバイオ医薬品生産技術の最近の開発動向に焦点をあて、細胞株構築から培養法、さらに次世代の生産技術や新たな課題について紹介したい。


【休憩】 15:15~15:35


(3)「蛍光消光現象と発光酵素を利用した新原理免疫測定法の開発」  15:35~16:25
 東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所 教授 上田 宏 氏

 我々は,一般には確立された技術と考えられている,抗体を用いた微量物質検出法(免疫測定法)の更なる発展を目指して,低分子の非競合検出法であるオープンサンドイッチ法,これを発展させ適用範囲を広げたクエンチ抗体法,さらに発光酵素を始めとする各種酵素との組み合わせによる高感度な均一系測定法を開発してきた。今回これらを紹介するとともに,将来の診断検査への応用可能性について議論したい。


(4)「中分子創薬のすすめ:進化分子工学による抗体様分子標的ペプチドの創出」  16:25~17:15
 大阪府立大学 大学院 理学系研究科 生物科学専攻 教授 藤井 郁雄 氏

 近年,低分子でも高分子でもない中分子サイズの化合物(約0.5〜5 kDa)が,創薬の候補分子として注目されている。演者らは,抗体様活性をもつ中分子医薬としてヘリックス・ループ・ヘリックス構造をもつ分子標的ペプチド(約4 kDa)の開発を進めている。このペプチドは,強固な立体構造をもつため生体内の酵素分解に対しても安定であり,抗体と同等の高い特異性と強い結合活性をもち,化学合成による製造が可能である。ここでは,本ペプチドの設計および中分子医薬品としての可能性について紹介する。


3. 交流会 17:30~19:00


◆参加者 セミナー 55名 / 交流会 21名

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