現金出納帳はとても重要な帳簿です。青色申告の原点は、事業上の現金の出入りをありのままに記帳し、その日の取引が終了した時点で、残高と実際の手持ちの現金有り高とを照合することです。
 正しく記帳していくためには、「店と自宅(生活)の会計の分離」をしっかりと認識する必要があります。
 青色申告をするには、「青色決算書」を作成しなければなりません。そのため、現金出納帳だけをつけていればいいというわけではないのです。
 「損益計算書」は、売上や仕入については月々の金額を、また経費については科目ごとの金額を記載していきます。ということは、これに適合できるような帳薄を日頃から作成しておく必要があるわけです。具体的には、
 現金出納帳
 売掛帳
 買掛帳
 経費帳
 固定資産台帳
の五つの帳簿が「標準簡易帳簿」として青色申告をするために必要な帳簿とされています。
 初めて青色申告をする方には、複式簿記で記帳することをお勧めしています。正しく複式簿記をつけていけば、正確な「貸借対照表」を作成できるからです。「青色申告特別控除」で説明したとおり、「貸借対照表」は65万円控除を受けるために欠かせません。より多くの控除を得られるのです。
 よく「難しいのでは」と質問されますが、そんなことはありません。次第に慣れていきます。
 また、全国青色申告会総連合が開発したパソコン用会計ソフト『ブルーリターンA』を利用すれば、手間をかけず、簡単に複式簿記ができます。