30周年記念事業 奈良移動例会報告

 平成28年9月30日(金)8時、岡山駅西口を夫婦2組・事務局合わせて25名を乗せてバスは出発。初めての奈良の見学会は始まりました。最初の「中家住宅」までの道中、バスは度々休憩です。やっと着いた「中家住宅」は静かに佇んでいました。広大な敷地は2重の濠に囲まれ、主屋・新屋敷・表門・蔵等々の歴史的建造物が数多く残されています。今も守っておられる女性の方が案内してくださったのですが、家への愛情が言葉に、態度に深く滲んでおり心に伝わってきました。

 お昼は、柿の葉寿しで有名な「平宗(ひらそう)」です。酢魚だけが苦手な私は心配していましたが、何とかお腹を満たしまずまずの昼食でした。午後からは「法隆寺」です。二組に分かれて2時間半余り、ボランティアのガイドさんとひたすら歩き続けました。沢山の物を観て、沢山の話を聞いて、時間が経つと疲れたことしか残っていないという情けなさです。(この原稿は締め切り直前に頼まれたのです)

 次の日は午前中フリーです。私は以前から気になっていた、興福寺の「阿修羅像」を訪ねました。ぱらつく雨の中、目指すは「阿修羅像」。思っていたよりかなり小さくて、片隅に静かに鎮座されていました。正面の憂いを含んだ人を惹きつける表情は喜びだそうです。左右はそれぞれ、後悔と悲しみとか。教科書とか本とかの写真と違って、立体は迫ってくるものがあります。華奢で可憐な姿のどこが阿修羅神か?と腹立たしい。もともと阿修羅は戦闘神で荒々しい形相をしているのですが、ここの阿修羅像はとても穏やかで美しい!奈良へ来た甲斐がありました。

 今日の昼食は奈良ホテルです。ウッディーヨネダの米田顧問と合流し、みんなで楽しく美味しくお昼をいただきました。正面左のフロントはそのままでしたが、以前は右側がレストランだったと記憶しています。落ち着いた木造建築のクラシカルな空間での食事を期待していたのですが・・・変わって当然なのですね。午後は米田顧問と共に薬師寺(木材はウッディーヨネダさんが納入)に移動し、お寺さんの案内で回廊・金堂・三重の塔等の説明を聞きました。薬師寺と言えば高田好胤と西岡棟梁を思い浮かべます。お二人は薬師寺の再建に、絶大な情熱と努力を注がれた方です。そのエネルギー感じながらお寺を後にしました。すでに体力も頭脳も限界に来ていましたので、唐招提寺は一人バスの中でみんなが帰って来るのを待ち、予定どおり7時頃岡山へ無事帰ってきました。

テーマ・交流委員会 山本 幸子