2016年8月1日 発信

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2016.05(Aug.2016)
 
・山技振サロン/夏の大交流会 8月19日(金)  1830〜2030 倉敷アイビースクエアー
 参加費@3,600円。皆さん待望・恒例の大交流会です。世の中、テロ、選挙、オリンピック、ポケモンGOでざわざわしていますが、大いに飲んで語り合いましょう。

・山技振サロン(拡大版:企画委員会を兼ねる)7/15 1800〜2000当会事務所 参加者7名
@工場見学会(10月)、A技術交流会(9月)、B新規技術賞(難波特別賞)の企画、村川技術奨励賞との色分け、C山陽技術賞(8月10日締切)D会員増強策、E新規事業企画。
・平成28年度「第61回岡山県溶接技術競技会」入賞者表彰式、7/19、メルパルク岡山。
  アーク溶接の部は参加者18名、入賞者6名、半自動溶接の部は参加者17名、入賞者6名。山技振会長賞は半自動溶接の部で優良賞を獲得した三菱自工水島製作所山添智明氏に授与した。今年は岡山県立備前緑陽高校の近藤桃さんが入賞した。現役高校女子生徒が入賞したのは全国的に初で、マスコミにも取りあげられた。
・公益財団法人としての年次手続き
 代表者・理事の変更、年次報告等の一連の作業を、今年度は加賀さんが法務局に出向いて行い、岡山県担当部局提出と電子登録を完了した。
・技術交流会(7/21,参加者11人)
 平成28年度第1回技術交流会「医療用無菌マゴットから農業用ビーフライまで〜大学発ベンチャーの10年」
 講師 : 佐藤卓史(ジャパン・マゴットカンパニー株式会社 代表取締役、第10回村川技術奨励賞受賞)

 マゴットデブリメント治療用の無菌マゴットを提供するために2005年設立した岡大発ベンチャー(代表取締役佐藤卓也、技術責任者三井秀也(現ツカザキ病院心臓血管外科部長))。未利用のウジの有効利用を企図して2010年にビー・フライ事業部を新設し、授粉用ビー・フライの研究開発、販売を開始。ベンチャー経営の厳しさと喜びと苦労話を聞かせて頂きました。交流会も大いに盛り上がりました。
・第61回大原孫三郎・總一カ記念講演会7/27「太陽系大航海時代に挑む」JAXAシニアフェロー/教授 川口淳一郎
 @『夢でメシが食えるか』とよく言われるが、むしろ『夢がなくてメシが食えるのか』と言いたい。A実用性を超越したところに科学の「高い塔を建ててみなければ、新たな水平線は見えてこない。若い方々には、たとえむちゃでもはったりでも、とにかく思いっきり背伸びして挑戦してほしい。一歩でも高いところから見れば、新しい水平線が見えてきます。高いところから「速い翼」で獲物を狙う「はやぶさ」、狙いは決して外さない。自分で定めたイトカワの目標に降下して得た数々の情報から、沢山の宇宙そして地球の神秘が解明されようとしています。・・・やはり「一番でなければ」だめなのです。

・当事務所のお盆休みは 8/12,15とします(休館8/11-15)。
 
「利己的な遺伝子」
 最近の最大の話題は、英国の国民投票でEU脱退が多数を占めたことである。事態はなお予断を許さない状況にある。国家間の利害調整、国益と国民益・部分と全体の利害調整は、いつの世も難しい。この出来事で思い出したものがある。イギリスの動物行動学者リチャード・ドーキンス著「利己的な遺伝子(The Selfish Genes)」である。16年前、入院中の倉敷中央病院セントラルパーラーで読み終えた(3年ほど前の技術交流会で岡山大学の松浦健二先生が数式を駆使して巧みに説明してくれた)。「生物は遺伝子の乗り物に過ぎず、自分の種の保存のために働くように遺伝子によって制御されている存在である。」という。「利己的遺伝子論」は、進化学における比喩表現で、自然淘汰や生物進化を遺伝子中心の視点で理解するものである。「利己的」とは「自己の成功率(生存と繁殖率)を他者よりも高めること」と定義され、「利他的」とは「自己の成功率を損なってでも他者の成功率を高めること」と定義される。日常語の「利己」のように行為者の意図やもくろみを表す言葉ではなく、行動自体を結果のみに基づいて分類するための用語で、行為者の意図とは関係なく、行為の結果が自己の成功率を高めるならば、それは「姿を変えた利己主義」である。ダーウィンの進化説のジレンマであった社会性昆虫(ミツバチ、蟻、シロアリ等)の利他的行動(働き蜂)は、「遺伝子は個体に優先する」という原理で上手く説明出来た。1980年代の社会生物学論争を経て、遺伝子を自然選択の単位と見なすこの立場は広く受け入れられていった。 

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