2018年10月1日 発信

Tel.(086)422-6655/Fax.(086)422-6656
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2018.7(Oct.2018)
・[お願い]:山技振でもメールによる情報配信を増やして行きます。 就きましては、御社の山技振会員(代表者)の氏名、連絡先、メルアドを連絡下さい。[sangisin@optic.or.jp]
・[新サービス]:競争的資金・補助金情報提供希望メルアドを連絡下さい。[同上]
・山技振サロン(兼企画委員会)10月19日(金) 1800〜2000 当会事務所
 工場見学会、技術交流会の具体案、来年の総会講演講師、新規事業企画、会員増強策、競争的資金・補助金、等の討議。話題の本、記事を相互に紹介します(参加費1,000円)。
・文部科学大臣表彰(創意工夫労者賞)、岡山県知事表彰(工業技術開発功労者)の推薦募集
 岡山県知事表彰(岡山県工業技術開発功労者)は、山技振締切10月5日(金)、岡山県締切10月12日(金)です。企業団体で、この道一筋で取り組んで来られた方々を推薦下さい。【http://www.pref.okayama.jp/page/518911.html】 推薦予定を事前に連絡頂くと幸いです。
・H30第2回技術交流会10月2日(火)1800〜2030 山陽技術振興会1F会議室 「世界の活性炭の現状と技術的進歩〜最適設計と利用技術〜」大塚清人氏(潟Nラレ炭素材料事業部)
 潟Nラレは、昨年1月にクラケミを本体に吸収合併して炭素材料事業部とし、今年3月に米国カルゴン社(活性炭の世界トップ)の買収(約1200億円)。世界トップの活性炭事業を担う大塚清人部長に活性炭技術の現状と将来を語って頂く。(参加費:3,000円)
・H30第3回工場見学会「岡山和気ヤクルト工場」(申込締切:10月23日)
 2015年2月に全面稼動した新しい工場です。ヤクルト類の生産工程を見学します。
日時:平成30年10月30日(火)14:00〜16:00、
場所:〒709-0464岡山県和気郡和気町田原下字高柳269(山陽自動車道和気IC15分)

・山技振サロン 9/21 参加者5名
 元京大教授福田猛氏の「国立大学の危機」と題する論文および週間東洋経済(2018.2.10)の特集記事『大学が壊れる!』:@「科学立国の劣化〜地方国立大学の悲惨な内情」、A「資金不足で窮迫する国立大の現場」(ノーベル賞学者3人の警告、あのiPSまで!続発する研究不正)、B4割で定員割れの私大危機、を元に議論。珍しく、元産総研小田喜一さん、元岡山県工技センター所長横溝精一さんも参加して議論百出。
「国立大学の危機」(福田論文)と『大学が壊れる!』(東洋経済)
 前記山技振サロンの話題提供として軽い気持ちで「大学危機」を取りあげたものであるが、茶飲み話では済まされない深刻な状況にあると感じるので、「ひとこと」申し上げる。
 福田論文は、小泉純一郎内閣の一連の民営化の流れの中で、2004年の「国立大学法人制」とほぼ連動してスタートした「科学技術立国政策」とが相矛盾する性格を持つことが、今日の国立大学法人の危機的状況を生み出した元凶であるとするものである。法人化を契機として、大学の研究者にも「競争原理」が導入され、比較的平等に配布される「運営費交付金」を毎年1%ずつ減額(他にも合理化項目があり、大学全体としては毎年1.5%減額)する代わりに、競争的(選択と集中)資金は増額することとした。あれから14年、日本の科学研究は、量、質ともに世界的競争力を急激に落とす結果となった。東大を頂点とするトップ層に資金が偏在し、中間層の大学が零落する結果となった。そのトップ層ですら論文生産性は下落している。科学論文数の世界シェアの順位は、主要先進国の中で日本だけが下落している。英米独仏伊加のシェアは大して変わっていない。論文の質を表す「被引用件数」の高い論文のシェアでも、日本は、2000年前後の4位、5位から最近は10位に転落した。この間に、中国は、量・質とも十数位から2位に大躍進している。
 筆者は、2002年から16年間(前半は文部科学省、後半は農林水産省)産学官連携コーディネーターとして岡山大学内に居候しながら、様々な大学の先生や研究者と交流してきた。実感としては、皆さん大変優秀で良く努力して居られると思うが、自由な発想という点では研究生活に余裕がなくなっているように感じる。年間数億円以上の大型プロジェクトが次々に生まれ、それなりの成果を生み出しているが、プロジェクトの担い手は、院生、ポスドク、特別雇用助教である。彼らは、プロジェクトに雇用されているのであって、プロジェクトが終われば自動的に首になる「非正規」である。高等教育は日本の将来にとって極めて重要であるだけに、今後も国民として関心を寄せ続ける必要がある。【kajix.】

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