Date: 2023/10/27

第131回 岡山県医用工学研究会 令和5年度第2回セミナー(オンライン開催)

「生体情報とデジタル技術を使用した医療技術の実現へ」

【日時】2023年10月27日(金)15:00~17:00
【開催方法】Zoomミーティング
【参加】事前申込:必要(参加に必要なURL等は開催日までに、お申込のメールアドレス宛にお知らせします)、参加費:無料

◆プログラム
1 開会挨拶(15:00~15:15)
 岡山県医用工学研究会 会長 成瀬 恵治
 岡山県立大学情報工学部 教授 穂苅 真樹



2 セミナー(講演と質疑応答)
【1】NIRS によるビデオゲームプレイ中の脳活動計測(15:15~15:40)
 岡山県立大学情報工学部 准教授 大山 剛史 氏

 ビデオゲームのプレイにはさまざまな高次の認知機能が必要とされることが推測されるが、その仕組みや効果等については明らかになっていない。本研究はビデオゲームにかかわる認知機能を調べるために、NIRS(近赤外線分光法)装置を用いてビデオゲームプレイ中の脳活動を調べた。その結果、リズムアクションゲームにおいて熟練者と初心者との間に外側前頭前野の活動に差が表れたが、ドライビングゲームにおいてブローカ野を対象としたが有意な活動は確認できなかった。

【2】VR・AR を活用した ロボット支援下腎部分切除サポートシステムの開発(15:40~16:05)
 岡山県立大学情報工学部 准教授 小枝 正直 氏

 ロボット支援腎部分切除術(RAPN)では,短時間で腫瘍を残さず除去し正常組織を最大限に残存させることが重要である。腫瘍の探索は。術前に撮影されたCT/MRIの情報や,術中に計測された超音波センサ等の情報を用いて行われる。しかし、臓器内に埋没した腫瘍は探索および領域の特定が困難で、その切除には医師の経験と手技に依存する部分が多い。そこで我々は、術前に撮影されたCT/MRIから生成した臓器等の三次元形状データと、ステレオ内視鏡カメラ映像を用いて術中に生成した腹腔内の三次元形状データをICPアルゴリズムでマッチングし、腫瘍位置をリアルタイムに医師に提示するシステムを開発している。

【3】筋骨格モデル・ジョーダイナ、筋骨格関節モデル・マスケージョのご紹介 ー 半月板横断裂の力学評価など、整形外科・リハビリ領域での応用について(16:05~16:30)
 株式会社 HumTec テクニカル・セールス・ディレクター 杉岡 良寛 氏

 筋骨格モデル・ジョーダイナは、下肢の逆動力学解析に機能を絞り、教育や現場レベルに適した筋骨格モデルとして発売してしいます。筋骨格関節モデル・マスケージョは、関節の副運動、軟組織圧力など関節接触メカニクス、靭帯力などの詳細な関節バイオメカニクス解析を可能にした、世界初の筋骨格モデルとして受託解析を行います。解析事例としての半月板横断裂の力学評価や、整形外科・リハビリ領域での応用の可能性についてご紹介します。

【4】人工知能を活用したレーザー温熱療法の可能性(16:30~16:55)
 秋田大学大学院理工学研究科 講師 関 健史 氏

 内視鏡とレーザーを組み合わせたレーザー温熱治療は、低侵襲かつレーザー光による熱的作用を利用した治療のひとつである。術者は内視鏡画像から患部温度を推測しなければならないため、治療に適した温度に加熱・保持することが困難であり、加熱の過不足が生じる恐れもある。本研究では、患部温度と、患部組織が熱変性することで変化する光学特性との関係を人工知能に学習させることで、患部温度を推定・提示しながら適切な温熱治療を行う手法を検討している。本講演では、本手法の可能性について検証した内容について紹介する。


【主催】岡山県医用工学研究会
【後援】岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産学官連携センター、日本生体医工学会中国四国支部

◆参加者: 35名

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