Date: 2009/10/08

第82回 岡山県医用工学研究会(セミナー)

第82回 岡山県医用工学研究会 平成21年度 第2回セミナー・交流会

今回のセミナーは大変多くの方にご来場をいただきました。また、多数の質疑が寄せられるなど、セミナーは盛会の内に幕を閉じました。

【日 時】 平成21年10月8日(木) 13:40~18:45
【場 所】 岡山大学鹿田キャンパス
       セミナー:附属図書館3階情報実習室 / 交流会:れすとらん・すずらん
【参加費】 セミナー:無料 / 交流会:会員1,000円(非会員3,000円)

【共 催】 岡山県医用工学研究会、特定非営利活動法人メディカルテクノおかやま
【後 援】 独立行政法人科学技術振興機構JSTイノベーションプラザ広島、岡山大学ナノバイオ標的医療イノベーションセンター(ICONT)、日本生体医工学会中国四国支部

◆プログラム
1.開会挨拶 13:40~13:45
 川崎医科大学学長補佐 大槻 剛巳

2.話題提供シリーズ
①「林原の素材開発:トレハロース、インターフェロン、感光色素」
 13:45~14:20
 株式会社 林原生物化学研究所 研究センター医薬研究部門主管研究員 太田 恒孝 氏

 林原は、トレハロースを始めとする各種の糖質、天然型インターフェロンに代表されるサイトカイン類など数々の素材を持っており、感光色素もそのひとつである。感光色素は、写真用増感剤・情報記 録用媒体として使われてきたが、生体とも相互作用することから、臨床検査等の分野で用いられるものもある。さらに最近、ある種の感光色素には、神経細胞の 生存・保護活性があることが見出された。今回は、脳梗塞・認知症等の脳神経変性疾患の治療・予防薬としての感光色素の可能性を紹介したい。

3.講演 (分子イメージング)
①「次世代PET医薬品の開発動向- RIを利用する生体分子イメージング」 
14:20~15:00
 日本メジフィジックス株式会社 創薬研究所長 白神 宜史 氏

 ポジトロン核種で標識した体内診断用のPET放射性医薬品(18F-フルデオキシグルコース)の開発・上市および臨床実績を踏まえて、世界の次世代PETおよびRI標識医薬品の研究開発動向を紹介します.特にPET医薬品によるがんの治療効果判定やRI標識抗体によるリンパ腫の治療、あるいはアミロイド老人斑を標的とするアルツハイマー病の早期診断の可能性など、RI(ラジオアイソトープ)に焦点をあてた生体内の分子イメージングをお話する予定です。

②「複数分子同時イメージング技術の開発と理化学研究所における分子イメージング研究の展開」 15:15~16:15
 岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 教授
 理化学研究所神戸研究所分子イメージング科学研究センター 研究ユニットリーダー 榎本 秀一 氏

 生体内反応は、相互に緊密な連携をして おり、生体全体における生体反応の統合的可視化は求められる革新技術である。特に基礎から臨床の医学研究においても、複数の生命現象や薬物間の相互作用を 複数のプローブで同時にイメージングできれば、ブレイクスルーがもたらされるであろう。講演者らは、世界ではじめて複数分子同時イメージングを実現する機 器の開発に成功した。当該装置は複数分子同時イメージング装置GREIと呼称している。本講演では次世代核医学イメージング機器としての開発の現状と理化学研究所と岡山大学における分子イメージング研究の最先端成果を概説したい。

4.特別講演
「臓器モデルの創成と機能評価のための3D細胞チップ」 16:15~17:15
 大阪大学大学院工学研究科 教授 明石 満 氏

 ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)が樹立され、再生医療や薬剤診断への応用が期待されています。しかし、細胞単体では組織・臓器の薬剤応答を評価することが困難であるため、多種類の細 胞を組み合わせた三次元臓器モデルの構築と評価方法の確立が求められております。当研究室では、三次元の血管組織や腸管モデルの構築を可能とする細胞積層 化技術を確立し、時空間的な組織応答を評価できるイメージング法について研究しておりますので、ナノ粒子ワクチンの研究と併せて紹介させて頂きます。

■交流会 17:30~18:45


◆参加者 セミナー 59名  /  交流会 17名

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