第125回 岡山県医用工学研究会 令和3年度第2回セミナー(オンライン開催)

第125回 岡山県医用工学研究会 令和3年度第2回セミナー(オンライン開催)

機能的組織再生への挑戦 ~夢物語から実用化へ~

【日時】2021年10月22日(金)14:00~16:10
【開催方法】Zoomミーティング

◆プログラム                              
1 開会挨拶
(14:00~14:10)
 岡山県医用工学研究会 会長 成瀬 恵治
 
岡山理科大学工学部生命医療工学科 神吉 けい太


2 セミナー(講演と質疑応答)
【1】
3Dバイオプリンティングなど工学技術を用いた組織作製(14:10~14:40)
 
富山大学・工学部生命工学科 教授 中村 真人 
 
3Dプリンターや様々な工学手法を用いて細胞から組織や臓器を作るアプローチをバイオファブリケーションといい、近年、再生医工学の研究の一つの大きな流れになっている。バイオファブリケーションの研究の歩みと概要、我々のバイオパターニング、3Dバイオプリンティング、さらに培養した細胞組織を3次元で組み立てるバイオアセンブリへの取り組みを紹介し、工学による臓器づくりを考察したい。
 
【2】
機能的皮膚組織再生の取り組み(14:40~15:10)
 
岡山理科大学・理学部臨床生命科学科 教授 片岡 健 
 マウス皮膚細胞をin vivo皮膚再構成モデルを用いてヌードマウスへ移植すると毛のうなどの付属器を有する機能的な皮膚組織が形成されるが、これを模倣したin vitroにおける皮膚組織の作成には付属器形成の起点となる組織原基の培養内作製が必要である。そこで我々は移植可能な付属器原基の培養内作製を目指して、表皮・真皮細胞などからいくつかの方法で作製したスフェロイドが、組織原基として付属器の形成に寄与するかどうかについて検討したので報告する。

【3】RNAアプタマーを利用した新規機能性材料の創製(15:10~15:40)
 
国立医薬品食品衛生研究所医療機器部 ○野村 祐介 氏、加藤 玲子 氏、蓜島 由二 
 埋植機器と細胞は吸着蛋白質層を介して相互作用するため、その吸着挙動を人為的に制御することにより、意図した機能を医用材料に付与できる。それゆえ、世界的にも組織再生等を目的として、成長因子等の生理活性物質を固定化した材料の開発研究が進められている。我々は生理活性物質を利用せず組織再生を促進可能なRNAアプタマー固定化材料の創製を進めている。本講演ではアプタマー材料開発の最新情報を紹介すると共に、弊所が推進するレギュラトリーサイエンスについて概説する。


【4】人工血管が無くなる!? iBTA再生医療の魅力と実力(15:40~16:10)
 
バイオチューブ株式会社 代表取締役 中山 泰秀 
 患者の皮下に1、2ヶ月間「型」を埋め込むだけで、患者自身の組織からなる移植体が自動的に得られる。それを移植すると数ヶ月で生着再生する。自分の体を自分で治せる究極の個別化医療とも言える治療法がiBTA再生医療である。iBTA技術で先駆的に取り組む代用血管バイオチューブで、年間数万人が切断されている足を救うプロジェクトが医師主導治験に向けて大詰めを迎えている。現実となりつつあるもう一つの再生医療iBTAの魅力と実力を紹介する。

【主催】岡山県医用工学研究会
【後援】岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産学官連携センター、日本生体医工学会中国四国支部


◆参加者: 65名         

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