第128回 岡山県医用工学研究会 令和4年度第2回セミナー(オンライン開催)
「DXはすべてを超えていく ~ユビキタスな医療と福祉の実現に向けて~」
【日時】2022年10月21日(金)14:00~16:10
【開催方法】Zoomミーティング
◆プログラム
1 開会挨拶(14:00~14:10)
岡山県医用工学研究会 会長 成瀬 恵治
川崎医科大学 生化学 教授 山内 明
2 セミナー(講演と質疑応答)
【1】ICTで拡がる診療周辺システム・機器のビジネス参画について(14:10~14:40)
独立行政法人工業所有権情報・研修館 (INPIT) スタートアップアドバイザー 西山 和成 氏
医療用に使われる技術は、ハード・ソフト両面において大きく進歩している。必要不可欠な技術であるICTの進歩は、ビジネス環境にも大きな変革を起こしている。ICTの開発は、どの分野、どの視点からニーズを捉えてシーズを掘り起こすかによって、その内容は多様である。本講演では、ICT開発者の視点から、事前にチェックしておくべき事項について概説する。
【2】長崎大学関節リウマチ遠隔医療システム NURAS について(14:40~15:10)
株式会社ロケットスタジオ 中嶋 知彦 氏・長崎大学地域医療学分野 川尻 真也 氏・長崎大学離島・へき地医療学講座 野中 文陽 氏
株式会社ロケットスタジオによる長崎大学関節リウマチ遠隔医療システムNURASの開発経緯、および長崎大学におけるNURASの医療現場での使用について報告する。
【3】多様な人々をつなぐ遠隔操作可能なeボッチャ装置について(15:10~15:40)
徳山工業高等専門学校 機械電気工学科 准教授 三浦 靖一郎 氏
ボッチャは、欧州発祥の重度脳性麻痺者や同程度の四肢重度機能障害者のために考案された競技で、パラリンピック正式種目である。自力投球が困難で競技に参加できなかった寝たきりなど重度障害者のニーズを基に、彼らの競技参加を可能にするために、ランプの電動化、視線入力支援装置による操作、遠隔操作が可能な試作機を産学連携で取り組み、eボッチャ装置を開発した。さらに、様々な特性を持つ人々や老若男女が交じり合う場の提供を目指して、既存ランプに後付け可能な普及型eボッチャ装置を試作した。今回、試作したeボッチャ装置といくつかの操作コントローラを紹介する。
【4】次世代の集積回路技術に基づく革新的な医用画像処理への挑戦(15:40~16:10)
岡山理科大学 工学部情報工学科 准教授 近藤 真史 氏
血管や消化器系に代表される生体内の管状組織における管径は、病変の良悪性を診断する上で重要な指標である。この種の管径は、画像処理によりソフトウェア的に解析できるが、網羅的な画素探索を伴うため高解像度かつリアルタイムな解析は困難である。本講演では、次世代の集積回路設計技術であるNetwork on Chipを利用することにより、医用画像に写る管径を「電気的な速さで」算出可能とする手法への取り組みとその展望について紹介する。
【主催】岡山県医用工学研究会
【後援】岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産学官連携センター、日本生体医工学会中国四国支部
◆参加者: 47名