第130回 岡山県医用工学研究会 令和5年度第1回セミナー(オンライン開催)

感覚器領域の医用工学アップデート

【日時】2023年7月28日(金)13:30~15:30
【開催方法】Zoomミーティング

◆プログラム                              
1 開会挨拶
(13:30~13:40)
 岡山県医用工学研究会 会長 成瀬 恵治
 
岡山大学学術研究院医歯薬学域 教授 森實 祐基


2 セミナー(講演と質疑応答) 
【1】皮膚科学分野における医用工学update(13:40~14:15)
 岡山大学学術研究院医歯薬学域皮膚科学 教授 森実 真 氏
 皮膚は人体最大の臓器であり、様々な生理学的機能を有している。さらに、その最外層に位置する角層は物理的バリアの要として極めて重要な役割を果たす。アトピー性皮膚炎は近年表皮バリア機能障害による慢性炎症性皮膚疾患と考えられるようになった。このような背景のもとで近年、表皮バリア機能を評価する機器の開発が盛んに行なわれているが、現時点で日常診療の中で簡便に使用できる機器は存在しない。今後、AIを取り入れた表皮バリア機能評価法と機器などの開発が期待されている。

【2】世界中のろう者へOntennaを届けるために(14:15~14:50)
 富士通株式会社 コンバージングテクノロジー研究所 Ontennaプロジェクトリーダー 本多 達也 氏
 Ontennaは音の大きさを振動と光の強さにリアルタイムに変換し、リズムやパターンといった音の特徴を伝えるアクセサリー型の装置です。大学の卒業研究からろう者と共に研究をはじめ、現在では全国の8割以上の聾学校に導入されています。本講演では、学生時代の研究をどのように企業で製品化し、社会に広めていったのかについて、最新研究も交えながらお話させていただきます。

【3】ICTを活用した情報ケアと神戸アイセンター(14:50~15:25)
 株式会社Studio Gift Hands 代表取締役 三宅 琢 氏
 視覚障害者は情報障害を伴う移動障害者と表現される。私は2011年以降、iPhoneやiPadなど一般機器であるICT端末を用いて視覚障害者や発達障害者の就学、就労の実践ケアを行なってきた。現在では2017年に開院した、神戸アイセンター内に情報ケア空間であるビジョンパークを運営する公益法人理事として、工学分野を超えた新しいテクノロジーと社会処方としての場の提供を行う未来の医療を実践している。本講演においては、テクノジーや場の創出が障害者のwell-beingに与える可能性について簡単に解説する。


【主催】岡山県医用工学研究会
【後援】岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産学官連携センター、日本生体医工学会中国四国支部

◆参加者: 38名

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