第132回 岡山県医用工学研究会 令和5年度第3回セミナー(オンライン開催)

「海外展開を見据えた医工連携による医療機器開発」

【日時】2024年2月8日(木)14:00~16:00
【開催方法】Zoomミーティング
【参加】事前申込:必要(参加に必要なURL等は開催日までに、お申込のメールアドレス宛にお知らせします)、参加費:無料

◆プログラム
1 開会挨拶(14:00~14:10)
 岡山県医用工学研究会 会長 成瀬 恵治
 オルバヘルスケアホールディングス株式会社 代表取締役社長 前島 洋平



2 セミナー(講演と質疑応答)
【1】内視鏡シミュレータの開発から輸出実施までの軌跡、日本発の医療技術「消化器内視鏡」の真の世界展開を目指して(14:10~14:35)
 鳥取大学医学部 消化器・腎臓内科学分野 特任教員 藤井 政至 氏

 日本発の医療技術である消化器内視鏡。軟性内視鏡は世界の中でも日本製が多くのシェアを占めるが、世界各国の内視鏡技術のクオリティが均一とは言えない。我々はこの課題を解決し、軟性内視鏡のより適切な普及を目指し、消化器内視鏡シミュレータ「mikoto」シリーズを開発した。研究開発にあたっては、鳥取大学の医学部・工学部の連携を活用したが、初めてのものづくり、輸出のための規制対応など、一筋縄ではいかないことばかりであった。海外展開のポイントについて自験例を踏まえて解説する。

【2】日本の臨床工学技術に基づいた医療機器管理教育システムの開発(14:35~15:00)
 岡山大学 学術研究院医歯薬学域 地域二次救急・災害医療推進講座 助教 平山 隆浩 氏

 医療機器は日々進歩しており高度化し種類も増加の一途である。医療機器を安全に使用するために、保守管理や教育を行なうことが必要だが、多くの医療機関で充分行われていない実態がある。また、機器の一元管理により適正台数で運用することも病院経営上重要である。私達は、日本発の臨床工学技術である医療機器管理教育をシステムで提供している。ここには通常アクセスできない現場のニーズ、医療機器管理情報が蓄積されていくため、これらのデータを今後の医療機器の開発や改良に役立てることもできる。日本から導入を開始し、大きな市場が見込めるアジア・アフリカへ展開を目指している。本講演ではこれまでの取り組みと今後の展望についてお話しする。

【3】神戸市立医療センターにおける臨床現場ニーズからの医療機器開発と今後の展望(15:00~15:25)
 広島大学 トランスレーショナルリサーチセンター 教授 杉山 大介 氏

 (公財)神戸医療産業都市推進機構では、医療現場ニーズ発表会を毎年開催しています。神戸市立医療センター中央市民病院はニーズ収集に協力しており、当院小児科岡藤郁夫医師が発表したニーズから、(株)タナックと共同でぷにゅ蔵くん(一般医療機器:冷却パック)を開発しました。本講演では、橋渡し研究支援の観点から開発の流れをお話しするとともに、海外展開に向けた取り組みをご紹介したいと思います。

【4】タイ国NSTDAとの連携に関して(15:25~15:50)
 信州大学 先鋭領域融合研究群 バイオメディカル研究所 バイオテクノロジー・生体医工学部門 教授 西村 直之 氏

 現在信州大学は岡山大学、福岡大学と連携して脊椎ケージを中心とした医療システムの構築を行っています。この開発にはタイ国NSTDA(Thailand National Science and Technology Development Agency)との連携を行い、NSTDAを中心とした医療開発グループに対して技術支援を行っています。今回はその経緯、実情、課題などを紹介します。


【主催】岡山県医用工学研究会
【後援】岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産学官連携センター、日本生体医工学会中国四国支部

◆参加者: 31名

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