第124回 岡山県医用工学研究会セミナー(オンライン)

第124回 岡山県医用工学研究会 令和3年度第1回セミナー(オンライン開催)

「医学と工学の融合による研究の新展開」

【日時】2021年6月25日(木)14:00~15:35
【開催方法】Zoomミーティング
【参加費】無料

◆プログラム                             
1 開会挨拶(14:00~14:05)

 岡山県医用工学研究会 会長 成瀬 恵治

2 セミナー(講演と質疑応答)
【1】臓器チップを用いたヒト臓器モデルの開発とその応用(14:05~14:35)
 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・システム生理学分野 研究准教授 高橋 賢 氏

 薬物の有効性を試験する際、マウスなどを用いた動物実験が行われる。しかしヒトの臓器と実験動物の臓器との間には機能的な相違があり、動物実験で得られたデータをヒトに外挿するのが困難であることが少なくない。また、薬物の試験に動物を利用することには倫理上の問題がある。ヒト細胞を用いた臓器チップの開発により、これらの問題が解決することが期待されている。本発表では、ヒトiPS心筋細胞を用いた心臓チップを中心に、臓器チップを用いた疾患モデルの開発について紹介する。

【2】異分野連携による内耳聴覚研究とその展開(14:35~15:05)
 大阪大学大学院医学系研究科・薬理学講座・統合薬理学 教授 日比野 浩 氏
 難聴は、QOLの悪化因子や認知症の最大リスクである点から、超高齢化の問題を抱える我が国では重要である。我々は、将来、難聴を克服することを目指し、医工連携による内耳の基礎研究に注力している。内耳は音の機械的刺激を電気信号に変換し、脳へと伝える。その変換機構を司る感覚細胞の振動は、ナノレベルであると共に、特殊な制御がかけられている。本講演では、技術開発を介した内耳ナノ振動の可視化とその解析、さらには内耳を標的とした独自の薬物モニタリングシステムを紹介する。

【3】ヒト多能性幹細胞に由来する分化指向性間葉系前駆細胞集団の選別単離方法の開発と、その医学応用(15:05~15:35)
 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・組織機能修復学分野 教授 宝田 剛志 氏
 ヒト多能性幹細胞からの各種間葉系組織を構成する細胞への分化誘導方法の現状は、目的細胞に至る中間状態(=間葉系前駆細胞)の質を管理する術がなく、目的とする間葉系細胞への「安定的」「効率的」「選択的」な分化誘導技術開発がなされていない。本講演では、軟骨細胞に特化して分化していく細胞集団(ヒト軟骨前駆細胞)の効率的な分化誘導/拡大培養技術の開発と、その医学応用(再生医療、疾患iPSC創薬)の現状について紹介したい。

【主催】岡山県医用工学研究会
【後援】岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産学官連携センター、日本生体医工学会中国四国支部

◆参加者
 オンラインセミナー 42名

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