活動実績

2014/02/12(水) 第98回岡山県医用工学研究会セミナー

第98回 岡山県医用工学研究会 平成25年度 シンポジウム・交流会

アカデミア発創薬:医歯薬工連携に向けて

【日 時】 平成26年2月12日(水) 13:30~18:45
【場 所】 岡山大学鹿田キャンパス   シンポジウム:Junko Fukutake Hall(J-Hall)  交流会:カフェテリア・バンビ
【参加費】 シンポジウム:無料  交流会:会員1,000円(非会員3,000円)

【共 催】 岡山県医用工学研究会、特定非営利活動法人メディカルテクノおかやま
【後 援】 (独)科学技術振興機構産学連携展開部、日本生体医工学会中国四国支部

◆プログラム
1.開会挨拶 13:30~13:40
 岡山県医用工学研究会会長・NPO法人メディカルテクノおかやま理事長 公文 裕巳

2.話題提供 13:40~14:10
「大学発敗血症治療薬開発の試み」
 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 生体薬物制御学講座薬理学 助教 和氣 秀徳 氏

 敗血症は、抗生物質による感染症治療とICUにおける全身管理の進歩にも関わらず、約30%という高い死亡率が今も継続している疾患病態であり、現在の検査・治療法は限界を迎えている。我々は、敗血症治療の鍵となる分子「高ヒスチジン糖タンパク質(HRG)」を見出し、HRGを中心に据えた治療薬または検査法の開発を進めている。今回は、HRGの敗血症に対する効果と、ICUでの新たな検査法に関して紹介・提案する。

3.講演① 14:10~15:00
「傾斜遠心顕微鏡を用いた血球と固体壁との力学的相互作用の計測」
 東北大学流体科学研究所流動創成研究部門 融合計算医工学研究分野 准教授 白井 敦 氏

 血管内皮細胞上における白血球のローリングは,白血球の免疫反応における最初期の挙動である。細静脈において、白血球は軸集中した赤血球に押しつけられながら血管内皮細胞上をローリングするが、この押しつけ力が血球のローリング特性等に影響を与えると考えられる。そこで、独自に開発した傾斜遠心顕微鏡を用いて、ガラスやHUVEC等、各種固体壁上における血球の挙動観察を行ってきた。本報告では、傾斜遠心力下における、これら各種固体壁上での血球の移動速度や固体壁への付着率について紹介する。

【休憩】 15:00~15:20

4.講演② 25:20~16:10
「低侵襲性制がん医療技術の構築を目指した腫瘍吸収性ペプチドの開発」
 愛知県がんセンター研究所腫瘍病理学部 部長 近藤 英作 氏

 ペプチド“は、近年がん患者に対するワクチン療法にも使用されているように、副作用が少ない生体応用に適したバイオツールとして医学の多様な領域で関心を集めていますが、実際の医療への応用技術開発はあまり進んでいないのが現状です。数個のアミノ酸より成る”細胞膜透過性ペプチド”(Cell-penetrating peptide;CPP)は、非侵襲性に生理的機構を介して細胞内に透過する機能を持つアミノ酸の特異的連続配列です。わたしたちはこのCPPの中でも特にヒトがん細胞・組織に集積する性質を発揮する「腫瘍ホーミングペプチド(tumor-homing CPPs)」と名付けた新しいCPPの開発を進めており、腫瘍イメージングや制がん治療への応用を目指した基盤技術の開発を進めています。本講演ではこれらの視点に立ったわれわれの現在のCPP技術研究の一端を紹介いたします。

 講演③ 16:10~17:00
「アミノ酸トランスポーターを標的とした抗腫瘍薬の創製」
 岡山大学大学院自然科学研究科 教授 見浪 護 氏

 腫瘍細胞では、アミノ酸トランスポーターの発現が高まり、細胞増殖や亢進した細胞内代謝を維持している。特に多くの必須アミノ酸の取り込みを担うLAT1の発現上昇が、種々の腫瘍で確認されている。LAT1の発現は腫瘍特異性が高く、LAT1抑制には抗腫瘍効果がある。講演では、LAT1を標的としたPETの癌診断における意義と、新規作用機序の抗腫瘍薬を目指した選択的高親和性抑制薬の開発の試みについて概説する。

■交流会 17:15~18:45


◆参加者 セミナー 77名  交流会  30名

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