活動実績

2011/06/08(水) 第89回岡山県医用工学研究会セミナー

第89回 岡山県医用工学研究会 平成23年度 セミナー・交流会


メディカルテクノバレー構想の新しい展開

岡山県医用工学研究会の平成23年度の第1回セミナーをアークホテル岡山で開催しました。京都大学の平岡眞寛教授の特別講演と、岡山メディカルイノベーションセンター(OMIC)に係わる分子イメージング分野の合計6件の講演が行われました。

【日 時】 平成23年6月8日(水) 13:30~18:45
【場 所】 アークホテル岡山(岡山市北区下石井2-6-1)
【参加費】 セミナー:無料 / 交流会:会員1,000円(非会員3,000円)

【共 催】 特定非営利活動法人メディカルテクノおかやま
【後 援】 JSTイノベーションプラザ広島、日本生体医工学会中国四国支部

◆プログラム
1.開会挨拶 13:30~13:40
 岡山県医用工学研究会会長・NPO法人メディカルテクノおかやま理事長 公文 裕巳

2.話題提供シリーズ 
①「岡山県から世界へ発信する高性能国産冠状動脈ステント」 13:40~14:10

 株式会社日本ステントテクノロジー 代表取締役 山下 修蔵 氏

 冠状動脈ステントの国内外市場は海外メーカーにより独占状態にある。
我々は産学官連携により、海外メーカーからの市場奪取を目指して、国際競争力のある冠状動脈ステントの事業化のために約7年前に岡山県にて起業した。昨年度、欧州にてベアステントの販売を開始すると共に、国内では臨床試験を推進中で、薬剤溶出ステントについては、来年度の臨床試験に向かって準備中である。

②「有用な抗体作製技術と抗体プローブを用いた分子イメージング体内診断薬の開発」 14:10~14:40
 株式会社医学生物学研究所 事業開発担当 理事 大村 祐章 氏

 (株)医学生物学研究所(MBL)は診断薬、研究用試薬、画像情報(細胞診)を事業領域とするBio-Ventureです。抗体、遺伝子・mRNA・糖鎖・免疫などの技術革新の激しい産業に成長を課題に対応しています。今回は当社の基盤技術である有用な抗体の作成、ヒト化型化抗体、抗体マチュレーションなどの技術を紹介し、動脈血栓硬化症及び膵癌に対して抗体プローブを用いる分子イメージング診断薬の開発を解説する。

③「加速器の原理と応用」 14:40~15:10
 住友重機械工業株式会社 量子機器事業部 常務執行役員・事業部長 熊田 幸生 氏

 FDG検査で全国的に普及したPETであるが、その期待は更に拡がっており、例えばアルツハイマー病の早期発見や、ドラッグラグと呼ばれる創薬問題の解決など、医療業界や製薬業界に変革をもたらす可能性を秘めている。PET用の放射性同位元素を製造するために欠かすことの出来ない装置であるサイクロトロンに焦点をあて、その原理と応用についてご説明したい。

【休憩】 15:10~15:30

3.特別報告 
①「地域産学官共同研究拠点「おかやまメディカルイノベーションセンター(OMIC)」の設置に際して」 15:30~16:00
 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産学官連携センター 教授 松浦 栄次 氏

 文部科学省の科学技術振興調整費による「ナノバイオ標的医療の融合的創出拠点の形成(ICONT)事業」の成果である革新的遺伝子医薬と分子標的プローブ開発技術ならびに協働企業との産学連携体制を先行モデルとして設置されたOMICは、近未来の医療イノベーションを実現する本格的アニマル分子イメージング施設である。このOMIC施設の概要についてご説明したい。

②「分子イメージングを活用した創薬開発の実際」 16:00~16:30
 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 客員教授 
 (兼)理化学研究所 分子イメージング科学研究センター コーディネーター 矢野 恒夫 氏

 分子イメージングの手法は、薬物動態やバイオマーカーをPET薬剤による画像化(イメージングバイオマーカー)によって有効性や安全性の評価法として活用される。従来の血液中や尿中のバイオマーカーのみでは得られない疾患発症部位における高価値情報を分子イメージングによって直截に得ることができる。低分子ばかりでなく抗体や核酸などバイオ医薬品についても薬物動態の解析手法として活用される。

4.特別講演
「産学連携による医療機器開発:京都大学の経験」 
16:30~17:30
 京都大学大学院医学研究科 教授 平岡 真寛 氏

 医療機器の開発には臨床現場のニーズと工学部を中心としたシーズのマッチング、更にはそれを製品化に繋げる産学連携が必要である。京都大学において取り組んできた医用イメージング機器開発、分子プローブ開発、放射線治療機器開発、また医工学の人材育成プログラムの経験をもとに産学連携による医療機器開発の展望と課題を述べたい。

■交流会 17:30~19:00


◆参加者 セミナー 90名  /  交流会  46名

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