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File.51  倉敷中島屋

国の重要文化財とのコラボレーションで集客を図る倉敷中島屋

  • アーティスト・川埜龍三氏による作品。四季にあわせて緑、ブルーと色を変えていく。ライフスタイルを提案するお店らしいロゴ。
  • 台所や居間には当時の膳やテーブルが展示されている。座敷に上がって見学ができ、豪商の生活をうかがい知ることができる。
  • 「新見・哲西の男達が仕留めたコン猪(しし)」は、生産者や加工者、地元の人たちの技術がインテグレートされた逸品。

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倉敷市にある「国の重要文化財・大橋家住宅」の長屋門の一角に、
高梁川流域の食や文化を紹介するコンセプトショップ「倉敷中島屋」が
オープンした。

大橋家は古くは、豊臣秀吉に仕えた武士の家柄。倉敷市中島で水田・
塩田の開発で財を成し、屋号を「中島屋」とし、その財を持って現在の
文化財を建てた。

 この文化財を創造的に活用したいという9代目大橋家当主の意向を
受け、高梁川流域の多様な資源を生かして経済活動の促進や生活の
質の向上を目指す(一社)水辺のユニオンが管理・運営を担っている。
なまこ壁に貼り瓦、倉敷格子など倉敷特有の建築様式の「大橋家住宅」
は、豪商らしい風情があり、「倉敷中島屋」のコラボレーションで、
美観地区エリアからの集客に期待を寄せる。

古く太い梁が存在感を醸す店内には、焼き物やガラスの器、倉敷民芸
家具のテーブルや椅子など約50品目が並び、高梁川流域の10団体・
個人の食品や工芸品を販売している。

併設のカフェでは、販売する自然栽培の米や味噌、甘酒などをメニュー
に使用。「おにぎり茶漬け」や「甘糀フローズン」は、地元作家が制作した
器で提供し、この地に根付き育った文化を感じながら贅沢なひと時を
過ごすことができる。地域の食材や陶芸作家、郷土歴史など文化財を
軸に、訪問客との食に関する話に花を咲かせている。

「食が観光の誘引になるように、地産外商を目指しコンセプト商品の
企画を続け、ほかとの差別化を図りたい。現在入館者は3万人に
増えたが、文化財の有効活用や保護、後世に語り継ぐためにも、
プロモーションに力を入れ文化財を残していきたい」と岡野智博・水辺
のユニオン代表理事が語る。


【おかやま産業情報】2017年夏号 掲載
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倉敷中島屋

住所/倉敷市阿知3-21-32
TEL/086-434-8400 




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