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File.65  株式会社イマガワ

国産無垢材を用いた建具に特化

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  • 直線を生かしたデザインの建具で、洗練されたモダン住宅を演出
  • 職人の正確な加工技術と豊かな感性を組み合わせて、繊細な建具づくりを実現
  • 建具の内部構造が理解できる、無垢建具・新建材の建具・フラッシュ戸の3種類のサンプルを使って、納得のいく家づくりを提案

 戦後復興のために先代社長が木工会社を創業し、建具の製造販売を開始。昭和40年代に入ると、木目印刷したシートをベニヤに張り付けた化粧合板が主流となった。しかし、時間が経過するにつれて品質が悪化したことから「成熟して美しく変化する木材を使ったものづくりをしたい」と強く感じ、無垢材を用いた建具を提供するようになった。

 現社長の入社当時は官公庁からの発注が多く、独自の提案をする機会が少なかった。また、使用していた木材は東南アジアからの外材がほとんどで、違法な乱伐によって森林が減少し、地球温暖化を早めていることに衝撃を受けた。「国産材を用いて自社のアイデアを形にした商品をつくりたい」と考えていたとき、JR九州が無垢材による家づくりを始めたことを知り、平成10年から、国産の杉・檜を用いた「日本の上質な住まい」を提供する建具の製造・販売を開始した。

 無垢材の用途の拡大に将来性を感じた建材商社OBからのアドバイスを受け、積極的にさまざまな展示会に出展するようにした。多くのお客様に国産無垢材の建具をアピールでき、販路拡大につながった。

 自社商品にさらなる付加価値をつけるには、デザイン力の向上が求められていた。新商品をつくるため、「地元産の無垢材を用いること・長年使用できること・伝統と文化を生かすこと」を条件に、京都工芸繊維大学の教授にデザインなどの監修を依頼。半年ほどかけて市場調査を行い、教授が考案した何十ものパターンからデザインを選んで製作を開始した。共同して製造した「漣(れん)」は、杉の薄板を縦に、7mm間隔で並べた透かし格子戸で、やさしい光を取り込める斬新なデザイン。完成まで2年以上の時間を要したが、新しいデザインを試行錯誤して形にすることで、自社の技術が磨かれた。妥協することなく仕上げたこの建具は、平成22年にグッドデザイン賞、平成28年にウッドデザイン賞を受賞し、売り上げも急伸した。「今後もデザインや技術力の向上を図り、100年を超えて使用される商品づくりを続けていく」と話す。

【おかやま産業情報】2019年春号 掲載
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株式会社イマガワ
住所/津山市押入895
TEL/0868-26-5666 FAX/0868-26-5788
http://www.k-imagawa.co.jp/

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