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File.68  三協紙工有限会社

確実な技術で、繊細な紙製品を世の中に

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  • 平成25年に本社を移転。紙製品のショールームも設け、約2倍に拡張した新社屋
  • 工場内は常に整理整頓、清掃をし、作業がしやすい環境を整えている
  • 最新鋭のトムソン加工機を導入

 昭和40年、学生服の納品に用いる箱の製造など、紙器全般の加工業として創業した。平成に入ると、付加価値の高い紙製品を作るために事業転換を図り、綴じ込み応募はがきや組み立て知育教材などの打ち抜きに必要なトムソン加工に特化した。

 トムソン加工は、加工用の刃が組み込まれた木型に紙を押し当てて打ち抜くシンプルな工程。切断やミシン目、折りすじ、凹凸などの加工を施す。当社では特に、薄紙の加工を得意として、厚さ0.01mmの紙の加工にも成功し、技術や製品精度に自信を持っている。

 保有している大型レーザー機で、トムソン加工に必要な木型も内製している。依頼案件ごとに異なる木型は、多い月で70版程度制作している。木型を内製する加工業者は全国的に珍しく、岡山県内の企業がほとんど。木型製作から打ち抜き加工までを一貫生産することで、短納期化が実現した。より細かい加工を得意とするレーザー加工機も導入して複雑な形のカットが可能になり、さらに加工の幅が広がっている。

 「技術・設備・管理」が当社の強み。紙には伸縮性があり、印刷に合わせた打ち抜き加工は高い技術が求められる。トムソン加工の経験が10年以上あるベテラン社員も多く在籍し、繊細で高品質な加工を実現するため、量産工程の前には入念なセッティングを行う。保有のトムソン機8台すべてに見当検知カメラを設置し、打ち抜きのずれを0.1mm単位でチェックしている。また、製造履歴を残してトレーサビリティを構築し、管理を徹底している。商業印刷分野の製品加工がほとんどなので、社内のセキュリティ体制も整え、情報が外部に漏れないように細心の注意を払っている。

 今後の課題は、企画・デザイン力の向上。生産体制を整えて自社製品の販売にも挑戦する予定。また、本社に併設しているショールームも稼働させたいと考えている。

 「デジタル化が進み、紙離れが進んでいる時代。オリジナリティに富んだ紙製品の必要性を感じてもらいたい」と話す。





【おかやま産業情報】2019年冬号 掲載
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三協紙工有限会社
住所/岡山市南区藤田564-245
TEL/086-296-3322 FAX/086-296-4248
https://www.sankyo-siko.jp

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