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File.70  株式会社武田製玉部

こだわりの手焼き製法で作り出す逸品

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  • 「手焼きだし巻玉子(左)」「手焼厚焼玉子(右)」
  • 熟練した職人による「手焼き」ライン。焦げ目を意識しながら、一つずつ丁寧に焼き上げ、商品の品質安定を目指す
  • 自動焼成機による製造ライン。1時間に約400本の玉子焼きを製造。一日に1.5tの卵液を使用

 神戸の厚焼き玉子専門店で修業を重ねた前代表が、昭和33年に岡山でのれん分けして創業。当時は、白身魚と鶏卵を練り合わせた伊達巻の製造からスタートした。

 現在は、スーパーの総菜コーナーやすし店、居酒屋などで使用されている業務用玉子焼きの開発・製造・販売を手掛けている。お客様からのニーズや自社で生まれたアイデアを商品化し、味・太さ・焦げ目などで差別化した商品は、50種類以上にのぼる。

 当社の強みは、味付けや火加減などを細かく調節し、お店の手作感を出せる「手焼き」。特に、「居酒屋のだし巻き」は、レンジで温めることで焼き立てのような味わいがあるため、人手不足による調理場作業の軽減にもつながった。試行錯誤を繰り返し、だし汁があふれる柔らかい食感を作り出した。

 また、「手焼き焦がし厚焼き玉子」は、あえて焦げ目を作ることで断面が層になり、手作り感が強調された。野菜巻や田舎巻用に用いられ、甘いかんぴょうと相性が良く、冷たくても風味を感じられる味付けで人気が高い。展示会に出展した際に、バイヤーからの評価も高く、商品の価値を再認識できた。販路拡大や新規顧客獲得につなげたい。
 今後は、高付加価値・高品質を保ちながら、低コストを実現するために、手焼き技術の伝承とシステム化が求められる。商品パターンをつくって効率化を目指し、お客様のニーズにあった玉子焼を提案したいと考えている。

 昨今の事情も踏まえ、卵は岡山、広島、香川など仕入れ産地を分け、緊急時のリスク回避も考慮。また、個人にあった環境で働けるよう、育児休業が取得しやすい社内環境を整えるなど、働く現状や変化に応じた取組にも力を入れている。

 大手メーカーは、機械化による大量生産が主流。「大手メーカーの量産品に比べると高価格ではあるが、バイヤーが納得できる付加価値の高い玉子焼を作り、お客様から必要とされる企業であり続けることが、私たちの使命」と語る。


【おかやま産業情報】2020年 年度末号 掲載
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株式会社武田製玉部
住所/岡山市北区奥田1-6-13
TEL/086-222-2797 FAX/086-221-0615
http://www.tamagoyaki.com

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