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File.73  江与味製材株式会社

美作桧の魅力を発信

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  • 手入れのいきとどいた森林は、山に絨毯を敷き詰めたように見える
  • 植林から製材までを一貫して行い、林業のプロとして環境の循環を目指す

 美作地域は古くから山林を大切に管理しているため、良質なヒノキやスギが多くある。平成17年の台風により、林業の町「江与味」は壊滅状態にあった。林業を営んでいた前代表が「この町を再建したい」と、地元製材所の社長に就任。倒木したヒノキやスギを有効利用し、パレット製造を始めた。その間、山の再生にも力を入れ、植林から木材の加工までを行い「江与味」の林業を守り続けている。

 近年は、国内の木造建築が減少傾向にあり、建築資材の売上も減少。一方で、海外需要は増加傾向にある。6年前に、県の海外輸出促進をきっかけに、当社は海外へ販路を拡大した。特に韓国は抗菌・リラックス効果をヒノキに求め、内装資材として安心・安全な日本産の木材の需要が高まっている。

 海外では、原木を輸入し現地で製材した場合、ブランドが周知されず、安価な商品と混合して販売される可能性がある。そこで、自社で製材することで付加価値を付け、良質な「美作桧」として販売している。

 近年開発した外装・内装材壁板「ログルーバー」は、壁にクロスを貼るように簡単設置でき、リフォームやDIYにも最適。手軽に扱えるので、休日DIYでは、子どもが木材に触れる機会にもなる。
 今後は、製造技術の強化を図り、建築資材だけでなく、お客様がオリジナルでアレンジできる製品開発をし、販路拡大のツールなどで「美作桧」のさらなる可能性を探る。

 代々林業に携わってきた当社には、作業道敷設、伐採、下刈り、植林、苗木の生産を一貫して行う素材部、さまざまな木材の性格を熟知して製材する製材部がある。また、木質バイオマス事業にも積極的に参加することで、市場に出回らない木材も有効活用することができる。森林から出る木材を最大限に利用することで収益も上がり、雇用も生まれる。

 「先代の意思を受け継ぎ、林業を営んできた当社だから分かること。持続可能な森林づくりと産業の活性化を図り、森林の豊かさを未来へ残していく」と熱く語る。



【おかやま産業情報】2020年秋号 掲載
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江与味製材株式会社
住所/久米郡美咲町江与味1133
TEL/0867-27-2014
http://eyomiseizai.com/
 

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