そこに住む人のことを最大限考慮し「心身ともに癒される調和のとれた空間を実現できる家」を目指し、平成９年にコスミック（調和）・ガーデン（空間）と名付け創業した。

　安全・安心な理想の空間を作るために、使用するネジ１本の材質、クロスを貼るための糊まで考察し、耐震性、断熱・気密性、耐久性、施工精度、エネルギー、健康の６つの基本性能で最高レベルの技術を追求。断熱・気密性能では、建坪40坪程度であれば夏でも冬でもエアコン１～２台で、トイレや浴室を含めた全室で部屋間の温度差３℃以内を必須仕様としている。

　理想の空間づくりを追求する中で、欲しい建材が既製品として存在しなければ独自で開発をしてきた。「レンガ造りのように経年変化が楽しめ、メンテナンスフリーで100年維持できる高性能な外壁を作りたい」と、日本瓦の高い耐久性能を応用し、目地のシーリングが一切不要の「陶性外壁ツィーゲル」を開発・製品化した。初期費用は一般的なものよりも高価になるが、劣化による塗り替えが不要になるため経済的であり、重厚感のある外壁材に仕上がった。

　また、遠赤外線効果をもたらす天然鉱石をパウダー状にし、ブレンドしたコスミックパウダーを開発し、クロスを貼る際の糊に混ぜて使用している。見学会で「この家に入ったら花粉症の症状が楽になった」という声を何度か聞いた。「コスミックパウダーが花粉症の症状の改善に影響を及ぼすのではないか」と考え、きらめき岡山創成ファンド支援事業助成金を活用し、川崎医科大学と共同研究して実証実験を行なった。被験者によるアンケートから、花粉症の症状の改善割合が高いという結果を得ることができた。

　研究開発した建材の性能は、実験を重ねてデータを取り、しっかりと自分たちの目で確かめていくのが当社の方針。現在、コスミックパウダーを練りこんだシートを開発中で、花粉症対策グッズとして展開していく予定。

　当社の従業員は、大手住宅メーカー、建築デザイン事務所、機械工学、IT、京友禅染に携わるなど、さまざまな経歴をもった人が集まっている。当社で家を建てた元施主も現在の従業員として３名おり、家造りを施主の立場で自ら体験し「偽りのない、お客様視点の家造りがしたい」という思いで現在のコスミック・ガーデンを支えている。

　「家は家族を守る場所、命がけで建てなければならない」「とにかく勉強が大事。いろんな家を数多く見るべきです」。これは、藤井社長が施主様に伝えている言葉。「家は楽しく造り 、住んでもらって良さを実感してほしい」と話す。


【おかやま産業情報】2020年冬号　掲載
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株式会社コスミック・ガーデン
岡山市北区今1-12-25
TEL／086-243-8115
https://cosmic-g.jp/