当社は、チェーンソー、草刈り機などの販売を行っている美津吉商事（株）の通販事業部を独立させて創業。大きなシェアを占めていた輸入製品の国内販売価格が、他国に比べて非常に高いため、良い物を少しでも安く売りたいという思いから、販売を通販で行っていた。

　現在は、アウトドア用品を中心に「自然と遊ぶ・自然と暮らす・自然大好き！」をテーマに、ネットショップを運営している。「顧客ターゲットは自分自身、自分の欲しいものしか売らない」と、強いこだわりを持つ社長が、登山やキャンプなどのアウトドア用品、発電機などのパワーツール、薪ストーブ用アクセサリーや燃料となる薪、木質ペレットといったバイオマス商品を厳選して販売している。

　津山市内には、実際に手に取って商品を選んでもらえるようにアウトドア用品の専門店を運営している。売上は数年前までネットショップが99％を占めていたが、現在は店舗での売上比率が徐々に増え始めた。そのため、店舗の拡張を計画中。売り場面積を現在の3.5倍にすることで、テントやイスなどを設置した状態で展示でき、お客様は実際に使用する際のイメージがより湧きやすくなるため、買い物中も楽しんでもらえると考えている。

　また、実際に体験してもらうことでアウトドアの楽しさを伝える活動や、災害時にも役立つサバイバルテクニックなどのアウトドアライフを提案できるように、登山やトレッキング、キャンプなどのイベントを開催していきたい。

　キャンプ用品は、中国や東南アジアを中心に海外での需要も高まっていることから、今後は「Coconut Groove（ココナッツグルーヴ）」という自社ブランドを立ち上げ、海外市場をターゲットに展開する予定。キャンプ用品は軽量化や運搬性にも注目されるため、アイデア商品が多いところも魅力の一つ。新開発商品として雨の日でも寒さをしのぐことができる、おしゃれなデニム製ポンチョの開発に取り組んでおり、自社ブランドとして販売する予定。大手に対抗するためにも、アイテム数の確保、独自性のある商品の開発・展開の必要性を感じている。最終的にはテントの開発を目標としている。

　日本でもキャンプがブームになり、年越しキャンプやソロキャンプを楽しむ人が増えている。今期は新型コロナの影響により、アウトドアへの関心が高まったこともあり、売上は増加傾向にある。ブームが過ぎ去ったとしても、キャンプ用品は災害時などのサバイバルツールとしても利用できることから、お客様の用途にあったライフスタイルを提案し、アウトドアをブームではなく文化にしたいと考えている。

　「拡張する新店舗では常に商品の入れ替えを行い、お客様が笑顔になって帰れるよう、毎週違った商品が楽しめるお店にしたい。物流が止まり商品が届かないなどコロナ禍を経験し、どんな情勢においても、お客様に商品を確実に届けるという使命を感じた」と話す。


【おかやま産業情報】2020年冬号　掲載
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