ウレタン事業を主に座椅子などのインテリア製品の製造販売を行っていた（株）ウエルストンクラシキは、好調な寝具事業の加速化を目指し、今年９月、SINGS（株）に社名を変更。

　「毎日使用する寝具をきれいに保ちたい」と考える中で、布団専用のコインランドリーを全国に展開するフトン巻きのジロー（株）の「布団を洗う」というコンセプトに共感し、同社のフランチャイズに加盟。天日干しよりも洗濯した方がアレルゲンの除去率が高く、清潔に保てるため、洗える寝具の共同開発に取り組んだ。

　１年半かけて通気性と排水性に優れた独自のウレタンフォームを開発し、「アラエルーノ」を商品化。洗濯機でマットレスや枕の丸洗いを可能にした。同時期にフトン巻きのジロー倉敷連島店をオープンし、家庭用洗濯機に入りきらない寝具も洗える環境を整えた。また、病院やホテルなど不特定多数の人が使用する寝具こそ清潔である必要性を感じ、専用機械を導入。洗濯して配達する新サービスも開始した。これらを「寝具革命」と銘打ち、寝具の常識を一新する新商品やサービスの開発を進めている。

　また、中材に使うウレタンは、加工する際に約２割の端材が発生する。以前は大量に廃棄していたため、再利用できないか模索していた。底面の端材は、一定のサイズで残り、かつ表面が硬く、特有の弾力がある。これらを再利用し、硬い表面を貼り合わせて５層に重ねることで、適度な弾力性や耐久性の優れた新たなマットレス「SLEEP MAINTE」を開発した。「10秒SLEEP」をキャッチコピーに、寝転んですぐリラックスできるよう何度も寝心地実験を行い、商品化に取り組んだ。