当社は1991年に創業し、現在は倉敷市と香川県丸亀市にてリユースショップ「リユースマン」を運営している。創業当初は骨董品などを取り扱っていたが、今後を見据え、生活雑貨などの取り扱いを主力とした。しかし、当時、中古品売買は一般的に定着しておらず、肩身が狭い思いをするような時代だった。そんな状況を払拭したいと、率先して3R(※)活動に取り組んできた。リユース品には、カーボンフットプリント(CO2削減数値)を表記し、SDGsへの啓蒙や可視化に努めている。
集めたものを正しく分別・選別することができれば、ゴミではなく価値ある資源として循環することができると、2015年4月、倉敷店にリサイクルステーションを設置した。2022年6月までの8年間で818トンの資源を近隣地域から集めることができた。
再資源化による収益金の30%については福祉団体に寄付、残りは高齢者・障がい者の雇用に当て、活躍の場を創出している。近年は高齢化社会の加速による「家じまい」が増加しており、大量の家財品が排出されている。日本では市場価値がなく流通しないものは、フィリピンなど海外に輸出してリユースしている。発展途上国は購買意欲が非常に高く、日本の高品質な製品は、現地の生活水準向上につながっている。
輸出する際には、商品をスマホなどで撮影し、種類・大きさ・形状・数量を入力すると、「インボイス」「パッキングリスト」ができ、輸出書類の簡略、データの可視化ができる独自開発の「海外リユースバン詰システム」により、作業効率の向上を図っている。
また、地元スーパーから廃棄予定の賞味期限間近な食材を回収してNPO団体を通じて生活困窮者へ供給する「フードシェアリングジャパン倉敷」、アムダマインズが行う世界の貧困国地域の支援活動へ寄付される連携協定、読み終わった絵本や小学校の制服リユースなど、資源を循環する仕組みを構築し、新たな利用価値を生み出すことで、売り手への還元につなげる。
「当社の強みは、さまざまな取組により極力廃棄物を削減し、『もの』を最大限リユースできること。資源循環による、元気でやさしい街づくりを目指していく」と語る。
※リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の3つのRの総称
【おかやま産業情報】2022年秋冬号 掲載
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