2016年6月1日 発信

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2016.03(Jun.2016)
・恒例夏の大交流会 8月19日(金) 1830〜 於アイビースクエアー・ビアガーデン
 手帳に記入の上、奮ってご参加下さい。参加費3,600円。

・工場見学会 6月28日(火) 1400〜1630 クラレ倉敷事業所(玉島)
 クラレ倉敷事業所(玉島)のルーツは、昭和35年、中央繊維と倉敷レイヨンの共同出資で設立した玉島レイヨンである。昭和39年倉敷レイヨン鰍ノ吸収合併、同年ポリエステル短繊維の操業を開始、平成13年レーヨン事業から撤退、現在の主要事業は、ポリエステル繊維、ポバールフィルム、環境関連事業等である。バイオマス・サーマルリサイクル発電用ボイラー、発電用循環流動層ボイラーが産業観光で有名。倉敷から移設した開発センターも見学する予定。参加費3,000円。〒713-8550 倉敷市玉島乙島7471 TEL:086-526-5111 FAX:086-525-2222、

・山技振サロン 6月17日(金) 1800〜2000 当会事務所
 今年度計画の大筋は総会で承認され、具体案をこれから詰める。70周年記念事業と新規事業の企画についても語り合いましょう。参加費1,000円。

・第71回通常総会など 5月20日(金) 1500〜1900、倉敷国際ホテル
 総会に先立ち、会長兼事務局長在任中に逝去された安井昭夫さん、理事在任中に逝去された高島征助さんに黙祷を捧げた。
1500〜 第71回通常総会、平成27年度末会員数は96名、議決権を有する出席会員数は40、委任状提出会員数24、合計64で、会員総数の半数以上で、本会定款第16条の規定により総会成立。議案1、2 平成26年度の事業報告、決算。審議して議案通り議決。議案3、4 平成27年度の計画と予算。審議して議案通り議決。議案5.役員改選 今年は改選期で、【交代12名、再任20名】を審議、議案通り議決。議案6.定款改定。審議して議案通り議決。
1610〜 第11回村川技術奨励賞授賞式:
@佐藤和広、武田和義(岡山大学資源植物科学研究所)、斎藤渉(サッポロビール梶A岡山大学資源植物科学研究所卒)、「オオムギ遺伝資源を活用した風味が劣化しづらいビールの開発」
A石田弘樹(岡山理科大学理学部応用物理学科)「商用電源周波数による非接触給電(60Hz-WPT)」。
1630〜 講演会(60分)「環境問題と地域づくり」講師岡山一郎氏(山陽新聞社論説委員会)瀬戸内海の環境に関する多面的な取組「瀬戸内海学」の必要性を感じる講演であった。
1740〜 懇親会 参加45名、講師、受賞者を囲んで和やかに議論し、交流を深めた。


・人類の叡知
 先日NHKテレビの「こころの時代」という番組で京都の染織史家吉岡幸雄さんの「祈りの色を染める」を見た。奈良時代から続く薬師寺の花会式で本尊を飾る色とりどりの和紙の造花も制作している。古代の技を復元した天然素材による染め物に取り組んでいる吉岡さんは、「色は自然そのもの。自然と共に生きていることを認識させてくれ、畏敬と畏怖の念が出てくる」と半生でたどりついた「日本の色の心」を語った。吉岡さんは、合成染料が出現するずっと以前の古代の染織が圧倒的に美しく、かつ深いという。なぜか?
 「桃太郎ジーンズ」をつくっている児島藍布屋(現ジャパンブルー梶jの真鍋寿男社長の昔の名刺には藍染師と書かれていた。日本では、何種類かの蓼科植物が藍染め原料として使われるが、琉球藍はキツネノマゴ科植物を使い、インド藍は豆科植物(ナンバンコマツナギ)を使う。植物が違っても色の正体は、いずれもインジゴである。色の素となる化合物は、植物の中ではインジカンという配糖体として存在し、干した蓼を4ヶ月間発酵させて”スクモ”にする過程で糖が外れてインドキシルと言うフェノール性OH基を持った化合物に変化する。これに草木灰を入れてアルカリ発酵(藍建て)させると水溶性の還元型ロイコインジゴ(無色)に変化する。水に溶けた隙に繊維に染着させ、この染着繊維を空気中に取り出して激しく振ると見る見る鮮やかなジャパン・ブルーが発色する。この変化はドラマチックである。化学がいっぺんに好きになる(児島の藍布屋“藍のぞき”に行けば体験できる)。
 化学式も化学構造も全く分からない時代に、様々な国で、様々な植物を原料に、これだけ手の込んだプロセスを独自に編み出したことは“驚異”であり、人類の叡知を感じる。

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