2019年4月1日 発信

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2019.1(Apr.2019)

新年度がスタートします。新しい年号もスタートします。山技振も新たな気持ちでスタートします。今年もよろしく。5月21日は総会です。予定表にしっかりご記入下さい。
・第1回見学会「楯築弥生墳丘墓現地見学会」[大至急申込み!] 日時:平成31年4月4日(木)14:00〜16:00、集合場所:現地(岡山県倉敷市庄新町9区の東坂道に見学者用駐車場) 、会費:3,000円(当日受付にて)
 今年2月5日の福本明氏(岡山商科大学経営学部特任教授)の講演「吉備の弥生大首長墓〜楯築弥生墳丘墓から見える古代の吉備」に魅せられて、現地を見たいと言う方が複数現れ、福本明先生に相談して現地見学会となりました。満開の桜の季節の楯築弥生墳丘墓に古代のロマンを感じて下さい。
・第74回山陽技術振興会総会 平成31年5月21日(火)15:00~ 倉敷商工会議所3F(注意!例年開催の倉敷国際ホテルは改装工事中で全面休業→会場変更)
 総会提出予定議案:「平成30年度事業報告、決算報告」、「平成31年度活動方針と事業計画」、「平成31年度収支予算」、「役員改選」、「定款一部改訂・研修室資金」。村川・難波技術奨励賞授与式:3件。記念講演「工場スマート化によるものづくり競争力の強化」〜三菱自動車水島製作所の取組み〜 北尾光教氏(三菱自動車工業叶島製作所所長)
・山陽技術振興会平成30年度第2回理事会 日時・場所 平成31年3月19日18時00分〜19時00分、於倉敷商工会議所、出席者:理事14 名(総員26名)、監事2名(総員2名)。理事会成立。
 5月総会提出予定議案について審議:平成30年度事業報告、(2)平成30度収支決算報告、(3)平成31年度活動方針と事業計画、(4)平成31年度収支予算、(5)役員改選、(6)公益社団法人山陽技術振興会定款一部改訂及び研修室資金、理事会終了後、倉敷商工会議所レストランにて交流会を実施
・山技振サロン(兼編集委員会)平成31年3月22日(金)1800~2000山技振参加者4名
・「村川・難波技術奨励賞」1月締切で応募7件あり。
 2月に審査委員5名が書類審査し、3月8日の審査委員会で合議決定した。授賞課題3件は理事会の承認を得たので応募者に通知すると共に5月総会で授賞式を行う。
古代吉備王国の繁栄−岡山県工業技術センター創立100周年記念講演「未来を拓く科学技術と地方創生」から−
 岡山県工業技術センターは、昨年創立100周年を迎えた。11月6日の記念式典では、知事挨拶、来賓祝辞(中国経済産業局長、県議会議長)、工業技術センターのあゆみ紹介(産本所長)に続き、中鉢良治氏(産業技術総合研究所理事長)の記念講演「未来を拓く科学技術と地方創生」があった。この中で、中鉢氏は、かなりの時間を割いて古代吉備王国の繁栄に触れ、古代吉備の力の源泉は岡山の温暖な気候風土に支えられた農業(稲作)だけでなく、鉄の製造・加工技術が大きな役割を果たしたのではないかと述べた。鉄は、武器になると共に、鋤鍬鎌などの農機具や治山治水の土木機具になったに違いないとの見解であった。岡山へのリップサービスとはいえ、ソニー社長を務めた方が何ゆえ古代吉備王国と製鉄技術にまで言及されるのか、怪訝に思いながら講演を拝聴した。【調べてみると、中鉢氏は東北大学工学部資源工学科の出身で、古代の石器?銅器?鉄器の進化の歴史は金属工学の常識の範囲なのだろう。】
 古代吉備王国の力を示すモノとして、造山古墳(全国第4位の大きさ)、作山古墳(全国第10位)がある。いずれも内部調査は行われていない。桃太郎伝説の吉備津神社と造山古墳の中間に楯築遺跡があり、ここは岡山大学近藤教授らによって発掘調査が行われ、詳細な報告書が作成されている。注目すべきは、比類なき大量の水銀朱が埋葬されて居たことである。当時、水銀朱は極めて入手困難かつ高価なものであったと思われ、大量の水銀朱を入手可能な地位にあった当時の有力者は誰か、興味深い謎であり続けている。邪馬台国の所在について、九州説、畿内説が幅広い愛好者の間で長い長い論争が続いている。卑弥呼の存在を想像させる物的証拠が見つかっていないためである。大量の水銀朱が埋葬されて居た楯築遺跡は、卑弥呼の墓に違いないという説を地元のアマチュア考古学者が唱え、立派な成書にもなっていたが、専門家からの積極的支持はなかった。最近になって新進気鋭の認知考古学者から@銅矛文化の北九州・四国南部、A銅鐸文化の近畿・東海に対し、第三極としてB四隅突出方墳丘墓や特殊器台を用いる「まつり」を共有する山陰〜瀬戸内地域があったとする考えが提示された。これら三つの文化圏は、鉄という新しい基幹資源への移行に際して異なる反応を見せる(鉄の径:銅にこだわらず、いち早く鉄を取り込んだ)のである。(kajix)

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