2020年9月1日 発信

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2020.6(Sep.2020)
・[競争的資金・補助金情報】希望者はメールアドレスを連絡下さい。[sangisin@optic.or.jp]
・工場見学会、技術交流会、山技振サロン・・・中止!
 新型コロナが収まらず、岡山県でも密を避けるべき状況が続いているので、山技振のイベントも当面開催しない。
・岡山県知事表彰(岡山県工業技術開発功労者):10月2日(金) 山技振必着(岡山県締切10月9日(金))
 企業や団体で「この道一筋」の技術開発・人材開発に取り組んで来られた方々を是非推薦下さい【http://www.pref.okayama.jp/page/667836.html】。ことしは、新型コロナの影響であらゆる申請が低調です。採択のチャンスかも知れません。予定を前以て山技振にご連絡頂くと幸いです。
・文部科学大臣表彰(創意工夫功労者賞):5件9名の応募あり
 候補者調査書、補足説明資料、住民票一式を岡山県担当に提出したが、一部手直しが必要となり各社担当者にフィードバック、対応完了。岡山県の担当者からは、現地査察したいとの要望があったが、新型コロナの現下の情勢から各社の対応は分かれることとなった。
・山技振事務局員、松崎寿子さん、奮闘!
 昨年のいまごろ、10年選手の加賀直美さんが卒業し、後任として松ア寿子さんが赴任。短期間の引継ぎで課題も苦労も多かったが、持ち前の粘りとガンバリで山技振を支えてくれている。公益社団法人山陽技術振興会の年次手続き(事業報告、役員変更、年次報告等)の法務局登記、公益法人事業報告システム(内閣府)への電子登録、岡山県知事への事業報告等、一連の作業を何とか乗り切れる見通し。
・人材育成事業は、WEB講義の可能性を相当程度拡大することが出来た
 水江研修室と水島某社教室をWEBでつないでのグループ討議も可能になった。山陽人材育成講座の主要部分はWEB講義でカバーできるとの感触を得ている。
「岡山の桃太郎伝説と野生桃研究会」
 桃太郎伝説は日本各地にあるが岡山の桃太郎伝説が最も有名で、2018年に日本遺産に認定された。岡山駅前には犬猿雉(時々鳩)を連れた桃太郎像がある。空港の愛称も岡山桃太郎空港になった。倉敷市児島には桃太郎ジーンズがあり、ブドウやトマトにも桃太郎の名前がある。岡山と桃太郎が密接に結びついたのは昭和37の岡山国体で、後に「桃太郎知事」の異名をとった故三木行治知事が、岡山県のイメージとして桃太郎を担ぎ出したことに始まる。「県民が団結できるシンボルは何か、郷土色をどうアピールするかと考えた時、名産の桃や吉備団子、吉備津彦命伝説と結びつき、県内外の人を納得出来たのが桃太郎だった」。県民が良く知る吉備津神社の「吉備津宮縁起」(吉備津彦命と温羅の戦い)である。山技振でも技術交流会で古市秀治先生(瀬戸高校)に「岡山の桃太郎伝承の起源を探る」の講演を頂き、難解な「吉備津宮縁起」の解説を頂いた。
 桃太郎伝説の日本遺産認定を機に「野生桃研究会」が岡山に誕生した[2019年3月、会長:清田洋正(岡山大学農学部)、副会長:苅田実(瀬戸南高校)、事務局:平松裕美子(エコ・ファームポノ)]。野生桃の所在については、岡山県立瀬戸南高校教師の苅田実氏が30有余年にわたり山野を巡り調査してきた。通常の栽培種は病害虫に弱く、多数回の農薬散布が避けられないが、野生桃は病害虫に強い事から台木としての活用が期待される。野生桃研究会では岡山の山地に試験植樹を計画中である。また、野生桃遺伝子が、現在栽培種と異なるものであれば、多様な遺伝子資源を手にすることが出来る。農水省の支援を得て野生桃のセミナを開催したところ60名の申込み(安倍・加藤両夫人の申込みもあったが新型コロナ拡大でキャンセル)があった。
 考古学的にも岡山県の弥生遺跡から桃の核が大量出土している(上東遺跡8000個、津島遺跡2400個、百間川1200個など)。これらは野生種と思われるが、現時点では明らかでない。野生桃遺伝子の系統解析は、岡山大学、岡山県農林水産総合研究センターが実施中で、現在栽培種とは異なる模様である。
 山陽新聞によると、倉敷出身の南画家衣笠豪谷は南画を学びに清に留学し、帰国時に「水蜜桃」苗木3本を持ち帰り、東京育種場を経て全国に拡大、岡山にも入り桃栽培の礎になったとされる。このため日本の桃の栽培種は遺伝子的に極めて狭い形質に限られる。岡山県は桃生産量全国一の時代もあったが、今は第5位である。しかし“岡山白桃”と呼ばれる(1)果皮着色のない、(2)肉質が緻密で柔らかく、(3)多汁質の高級品種の桃についてはトップクラスにある。このため、岡山県は桃の研究に相応の経営資源を投入している。果肉褐変しにくい桃は完成間近と聞く。
 【kajix】

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