2022年1月1日 発信

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2021.10(Jan.2022)

明けましておめでとうございます

 一昨年5月に会長副会長が交代する大幅改定がありましたが、コロナ禍のために総会も理事会も書面開催となり、昨年5月も書面開催となりました。会長兼事務局長梶谷浩一、副会長古川誠、副会長坂本和繁、副会長岡本卓郎、副会長武鑓謙治の新体制は、会員各位に顔見せの機会もなく今年5月には2年が経過、役員改選期になります。非日常が丸2年続き、基本事業、人材育成事業ともに大きな影響を受けました。基本事業は、顕彰事業を除き技術振興事業の全面休止が続き、有力会員の退会が相次いだことは大きな痛手です。人材育成事業は、昨年度前半に全面休止に追い込まれましたが、後半から教育担当者の懸命の努力と受講側関係者の絶大な協力によりリモート講義体制を整備し、想定外の回復を達成しました。今年度の受講者数はコロナ前の70%までV字回復出来そうです。全体として今年も厳しい事業運営が予想されます。会員各位のご支援ご協力よろしくお願いします。

・工場見学会、技術交流会、山技振サロンは当面休止します。
・令和3年度第2回理事会(予定表に記入して下さい)
 日時:令和4年3月29日(火)18:00~19:00(懇親会なしの予定) 於倉敷商工会議所新会館【詳細は2月確定】
・令和4年度第1回理事会日時【仮日程】
 令和4年5月26日(木)14:00~15:00、場所:倉敷商工会議所新会館(第1回理事会「役員人事」を総会前に開催。)
・山陽技術振興会第77回通常総会日時【仮日程】
 令和4年5月26日(木)15:00~17:30、場所:倉敷商工会議所新会館 (1)総会15:00~16:00、(2)村川・難波技術奨励賞表彰式、(3)記念講演16:30~17:30「丸五グループ100年の歩み〜もっと愛される100年へ〜」、
講師:岡本卓郎氏(丸五ゴム工業渇長)
・「村川技術奨励賞」募集開始
 第17回「村川技術奨励賞」の募集を11月から開始、締切は1月末。科学、技術、産業の発展に資するものを奮って応募するよう周囲の方にもPRして下さい。詳細は当会に問い合わせるか、当会ホームページの「村川技術奨励賞」の項参照。最近の受賞一覧も掲載。賞金10万円を3件に贈呈予定。
・「山陽技術雑誌Vol.70」原稿募集:例年通り原稿を募集
 本誌は技術雑誌であると同時に会員相互の情報誌で、論文、紹介文、エッセイ何でも結構です。締切は1月末。各社広告も募集。「山陽技術雑誌」は毎年5月300部発行、当会会員・広告主および当会と雑誌交換の企業・研究所・大学・国会図書館など約100ヶ所に発送。
・川崎医科大学KMSメディカル・アーク2022 【オンライン大会】
 開催2022年2月9日(水)12:00~16:00(山陽技術振興会後援)、参加予定人数400名、事前申し込み要。
・『生徒児童の顕彰事業』岡山県児童生徒科学研究発表会・表彰式 11月28日(日) 9:20~於岡理大
 今回は表彰式を非公開実施、例年通り山技振会長賞の表彰状を4名に授与【@玉野市立荘内小学校福田葵彩「さぐってみよう!だんごむしのひみつ」、A倉敷市立水島小学校塩崎光「アサガオの花の色のひみつ3〜交配2代目の花の色はどうなる?〜」、B高梁市立高梁小学校片岡真緒「こうじ甘酒の甘みの仕組みを理解したい!」、C津山市立北稜中学校長谷川みな海「水時計のひみつ〜水の流れを科学する〜」】
・ロボカップジュニア2021岡山ブロック大会 in ライフパーク倉敷 2020.12.19(日)開催
 当会会長特別賞の賞状をチームGENERATORに授与。
・人材育成事業
 (1)12月4日担当者会議で「安全体験講座」(人気講座)の再開および受講料一部改訂を決定。(2)コロナ禍対策として、定員18名・ワクチン接種後2Wの条件で受講者募集、(3)受講料一部改訂(リモート経費、出前講師交通費等)。(4)リモート講義のホスト支援をフルタイム実施(3人体制)。(5)業績V字回復。
「不便益」のすすめ
 新年に相応しい課題だろうか、悩みながら選んだ。コロナ禍で「不便」を強いられているが、今までの「便利?」な日常の中には本当に必要だったのだろうかと思うことも多い。「不便益」は日本語として無理のある表現である。「不・便益」ではなく「不便・益」と読む。「不便であることの益」(Benefits of unconvenience)である。やせ我慢ではないかと思うところもあるが、社会生活からシステムデザインまで大真面目な学問である。言い出しべえは
川上浩司先生で、日常の行動や所持品はやや変人めいている様だが、システム工学分野で立派な業績を上げておられる真面目な学者である。川上先生は、1964年島根県生れで、京都大学工学部では人工知能(AI)などを研究し、修士修了後、岡山大学助手を9年間勤め、京都大学情報学研究科へ戻る際、「これからは不便益の時代」の恩師からの一言をきっかけに「不便がもたらす益=不便益」について本格的研究を開始する。2009年には論文「不便の効用に着目したシステムデザインに向けて」を専門誌に発表して“不便益”という概念を提案された。自動車の組立ラインで一見退歩とも見えるセル生産方式の採用が相次いだことも一つの契機と思われる。言葉のインパクトと発想の面白さもあり、京都大学名物先生としてマスコミ、若者、受験生に大人気を博した。現在は京都先端科学大学教授である。不便益研究の中で生れた「素数モノサシ」(目盛りに素数のみが印字されたモノサシ)は、その特異性から話題を呼び、京都大学内の発売だけで3万本以上を販売した。著書に、『不便から生まれるデザイン』(化学同人)、『ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか?〜不便益という発想』(インプレス)などがある。「不便益」の学問的深奥部は昏くて見えないので、分かり易い側面だけを見て気に入っている。「計測と制御」12月号に川上先生は「効率や機能性と直交する価値観をもつシステムについて」を執筆し、この中で「便利で豊かな社会の再考」、「ものづくりにおける不便性」、「不便の効用を与えるシステムの発想支援」など、不便益の拡大・発展につながる考察をしている。美味しいご飯が炊ける電気釜の技術進歩は凄まじい。一方、土鍋で美味しいご飯を炊く方法もネット上で700件も開示されている。コロナ禍でおうち時間が増えた影響もあると思われるが、効率や機能性と直交する価値観が健全に育っているとも言えよう。【kajix】(2779)

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