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玉島JCコンテンツ

Print◆はじめに
私の育った玉島の町並み保存地区は、江戸時代中期頃に諸国からの千石船が行き交い交易が盛んにおこなわれた港町として大いに繁栄した地域でした。さらにそれ以前からかまえる羽黒神社や円通寺といった神社仏閣、前述した江戸時代の港町として今なおその面影を色濃く残す木造の町並み、また近代までおおいに賑わった昭和を思い起こす商店街など、たくさんの栄華が玉島地域には残っています。さらにこれら地域の恵まれた自然、歴史や文化に加え、鉄道・新幹線・高速道路・玉島ハーバーアイランドといった各種アクセスの良さ、玉島の森や市民交流センターといった公共設備の充実など、玉島地域はソフト・ハードともに極めて充実した稀有な地域だと思います。このように恵まれた地域であることから、そこに息づく人々もまた多方面にわたり個性豊かで、いわゆる旦那衆気質の能動的な方々や文化的に素養の高い方々など多くの逸材に恵まれていると地だと思います。私達玉島青年会議所は2022年に66年周年目を迎えますが、諸先輩方はこのような玉島地域に息づいた歴史と文化、そして類まれな人財をいかし、そして発展させながら 明るい豊かな社会の創造への熱い志をもって脈々とまちづくりを行ってきたのだと思います。
しかし少子高齢化に伴う地方の過疎化や都市ヘの一極集中の傾向はここ玉島・浅口・船穂地域にも大きな影響を与え、残念ながら現在この地域に活気が十分にあるとは言えない状況にあります。また近年ではIT革命による情報化社会やボーダーレス化など目まぐるしいパラダイムシフトが進行中であります。さらに2020年から今なお続く新型コロナウイルスの感染拡大は、これまでの生活様式や活動方法を根底から覆しかねない影響を与え、ここ玉島やメンバーにとっても極めて深刻な影響を与えています。これらの激動の社会変化の真っただ中で、私達は、故郷の玉島地域、経営する企業、そしてメンバーを含めこの地域に住まわれる人々が持続的に発展していくようにするため、これまでの地域や諸先輩方が醸成された伝統を継承しつつ、柔軟に時代の流れに対応し、新たな発想と意識をもって活動していかなければならないと思います。

◆玉島青年会議所ならではの強みを継承しつつ、メンバー、地域、そして青年会議所の持続可能な発展を目指そう
現代の社会は、少子高齢化や企業の統廃合、社会のコモディティ化、さらには新型コロナウイルスの感染拡大によって、かつて高度経済成長期のように商品やサービスをつくれば儲かるといった、単純な時代ではなくなりました。このような状況で地域をけん引すべきリーダー足らんとする私達は、青年の頃より必死に企業経営をしていかなければ会社を存続できない時代となってきていると思います。しかしそういう厳しい時代であるものの、青年会議所は自身の企業活動だけでは得ることができない、修練・奉仕・友情の機会を平等に与え、自身や自社、さらには地域にとってもポジティブな影響を与えてくれる類まれな場を提供してくれます。玉島青年会議所には、様々な規模、業種、考え方やバックボーンの青年経済人がおり、企業の大小や役職でわけ隔てることなく接する団体です。そのため、メンバーは自社内だけでは教えてもらえない事柄も遠慮なく指導してもらえますし、一般的な経営セミナーのような短期間で終わるものでもありません。長期間にわたって例会や各事業の構築、実行、そしてそれを支える委員会や理事会といった各種会議活動、また事業構築を通じて、地域の諸団体や学校関連、会社の方など地域の方々との交流や折衝によって、メンバーとお互いに刺激を与えながら切磋琢磨し、ほかの団体やセミナーでは得られることができない唯一無二の成長の場を与えてくるのが、青年会議所のかけがえのない価値であると思います。
一方、一個人や一企業がこの玉島の地域にインパクトを残すことは一朝一夕で行えることではありません。しかし玉島青年会議所では、諸先輩方が65年もの間の熱い志でもって残した数々の実績のもと、地域の発展につながる事業を行うことができる環境が整っています。メンバー一個人、そして家族、さらには企業がこの地域で持続的に発展していくためには、この玉島の地域自体が持続的に発展していかなければなりません。私達メンバーが先頭に立って、この玉島の地域を少しでもよくしようという気概をもち、地域の発展のため一石を投じる行動をとることが望まれます。
しかし残念ながら新型コロナウイルスの感染拡大は、世界にも日本全体にも大きな影響を及ぼし、この玉島地域と玉島青年会議所にも大きな影響をもたらしました。これまで当たり前に行えてきた事業や、公私を超えたコミュニケーションの場を持つことがはばかられ、慣れないオンラインでの事業も多くなり、メンバーにとって青年会議所に所属する意義が見いだせなくなるものもいます。 さらにこのコロナ禍によって、強制的に進んだオンライン技術による社会環境の変化と、密の文化をさける『アフターコロナ』と呼ばれる社会の変容によって、今後ますます価値観が流動的になっていくと思われます。
このような激動の変化にある中、玉島青年会議所も持続的な発展を遂げていくためには、これまで諸先輩方が脈々と受け継いできた価値観、そして玉島地域の残さなければならない伝統を引き継ぎつつも、組織のありようを今一度みつめ、次の世代にとっても共感できる組織運営や活動方針を柔軟に模索していく機会を、メンバーみなで共有し、実践していく必要あると考えます。

◆コロナ禍と時代の潮流に即した青年会議所の活動支援
 青年会議所のメンバーが品格ある青年経済人として地域をけん引し、各々の所属団体や地域のリーダーに成長する環境を提供するうえで、青年会議所自体は全うな組織運営がなされている必要があります。この組織運営の筆頭となる場は例会・総会の運営であり、緊張感と規律を生むとともに、懇親の場としてのメンバー同士の友情をはぐくむ基礎の機会となります。さらに、他LOMとの合同例会や正副理事長会議は、玉島のLOMの垣根を超え、倉敷にある3JCが互いに切磋琢磨する場の一部として、玉島青年会議所の質の高さを示す場となります。この他にも、会員同士の活動やコミュニケーションを円滑にする様々な下支えを行う、LOMの屋台骨となる活動は必要不可欠であります。
 またコロナ禍においては、これまで当たり前であった集合型の例会や理事会、事業が簡単には開催できなくなりました。実際に会うことはいろいろとコミュニケーションの余白を生み、事業だけでない幅広い交流が可能でしたが、コロナ禍ではその機会の多くが消失し、メンバー同士の円滑なコミュニケーションがしづらい状況となっています。コロナ禍における、オンラインを含めたメンバー間の連携がより密になるような各種設営が求められます。
 一方、コロナ禍もあいまって社会はますますIT技術の高度化やDX化など、最新技術が極めてはやいスピードで進化しています。新会員もミレニアル世代・Z世代と言ったデジタルネイティブの世代が入会し始めたいま、青年経済人として、地域のリーダーとして時代に即しこれらの技術にキャッチアップしていかなければなりません。そのため、組織運営においてもこれら台頭する新たな技術を積極的に活用しながら、スマートな運営も取り入れていくことが望ましいと考えられます。

◆伝統と革新を両立させた、未来につながるまちづくり
 上述の通り玉島地域は江戸時代中期に千石船が行きかい、諸国の産物と備中地域の綿花を交易した大いに栄えた港町でありました。しかしながら河口での土砂の堆積による港機能の低下や、時代とともに鉄道が主流になってきたこともあり湊地区は活力を失い、代わりに山陽本線と新幹線が通る現在の新倉敷駅周辺が発展を遂げにぎわっています。これら地区のお住いの方々は玉島の方ばかりではなく、ほかの地域出身の方々や、場合によっては新幹線通学するような方もおられると聞きます。これらの新興地区に住まわれている方の多くは、玉島地域の歴史をよく知らない人が多いばかりか、存在すら知らない可能性すらあります。
玉島地域は岡山県内の屈指の文化と歴史、そして多くの人財を誇ります。この有意義な資源があるにも関わらず、全国的な有名な美観地区などに埋もれてしまい、うまく発信できていないのが現状です。様々な地域を再び輝かすためには、玉島の歴史と文化を今一度メンバーや、この地域に住まわれる方々に知らしめ、故郷玉島のことを好きになっていただく必要があると考えます。
一方でコロナ禍により社会がオンライン化にシフトし始め、テレワークという働き方も選択肢の一つとなってきました。これは玉島の地域に住まいながら、これまでは東京や大阪、あるいは海外の大都市でしか行えなかったような内容の仕事も行うことができる環境ができつつあるということも示しています。これは現在問題になっている、大都市への若者流出を抑制し、これからの未来を担う地域の若者・子どもたちが、玉島に住まいながら世界を相手としたハイレベルな仕事を行うことができる可能性を示唆します。少子化問題など様々な不安がある中、玉島の明るい豊かな未来をつくりあげるためには、玉島の歴史と文化、住みやすさといった魅力をメンバーや、地域の人々、とりわけ子どもたちによくよく知ってもらうようなまちづくりが求められると考えられます。

◆時代に即した組織の醸成と魅力の発信
現在の玉島青年会議所のメンバーは、いわゆる初期のミレニアル世代に該当します。ミレニアル世代は、物質的な豊かさや名誉よりも、経験や奉仕に価値を置くという傾向があるといわれています。一方で、従来の世代よりも個の価値を重んじられ、働き方改革などの社会情勢、IT技術の浸透によるスマート化もあって、従来型のがむしゃらに会合し活動する、という価値感がうすれ始めている世代とも思われます。
私達玉島青年会議所も、メンバーの価値観に応じた組織の変容が必要と考えます。ただし単なる迎合ではなく、青年会議所ならではのこれまで脈々と育まれてきた大切な価値観・考え方を継承しつつ、新しい価値観にそった行動指針やマインド、組織体系の改善が必要とされます。今後の玉島青年会議所のあるべき姿を描くうえで、これら時代に即した青年会議所の在り方をメンバーみなで議論し、次の時代にあるべき玉島青年会議所の姿を模索してほしいと思います。 
一方、対外の方にこの玉島青年会議所のメンバーや活動の内容を知っていただき、組織としての魅力を伝えていくことは、人財の拡大につながるとともに、メンバーに対しても程よい緊張感の醸成につながります。インターネットがすすんだ現在において、人々の情報源は従来の新聞やテレビといったメディアももちろんであるものの、特に若い世代ほどSNSやホームページといったインターネット媒体が増加していると思います。世代によって好むSNSも異なってはいるものの、適したインターネット媒体を選定し情報発信することは、地域の人々や候補者のみならず、地域外の方々、場合によっては海外の方々にもこの地域や玉島青年会議所の魅力や存在意義を伝える極めて有用なツールとなり得ると考えられます。

◆地域に眠る人財の発掘と拡大
 2022年度の玉島青年会議所の期初現役人数は19人と、66年の歴史においても最も少ない人数帯となっています。人数がすべてと言うわけではありませんが、メンバーの多さは組織の勢いの源泉となって事業や活気の要因となるとともに、より多様なメンバーとの相互交流はメンバー自身にとっても刺激と学びの機会の提供となり、さらには地域に対するインパクトも大きくなるため、会員拡大は絶対必須の事業と言えます。歴史的背景もあり、玉島の地域には商人的気質をもった活気ある人財がまだなおたくさんいるはずです。しかし少子化、都市圏への若者の流出、中小企業の淘汰に加え、コロナ禍による経済の先行き不透明感によって対外活動への参加は緊縮傾向になることは想像に難くなく、青年会議所へ入会したいと自発的に思う候補者は残念ながら少ないと想像ができます。
 このような状況下で会員拡大活動を行うためには、まずはメンバーひとりひとりが、心の底から玉島青年会議所のことが好きになり、地域や自己の発展につながる修練・奉仕・友情をはかる類まれな場であることを理解することが必要と考えます。次いで、メンバーみなが玉島青年会議所の持続可能な発展のためには会員拡大が必須であると自分事として認識し、拡大活動に積極的に取り組む意識づけが大切です。
企業の経営者は孤独と言われています。現状の厳しい環境下では、新会員候補者である青年経済人も、経済の先行き不透明感やコミュニケーションのしづらさにより、孤独化しやすい状況にあると思います。候補者やその親・上司に、玉島青年会議所に入会するにはあまりあるメリットをしっかりと自分の考えでもって説明し、委員長のリーダーシップのもと、メンバー一丸となって拡大活動を行って参りましょう。

◆『響心(きょうしん)』 心を響かせあって、メンバーの力を組織として最大限に発揮しよう 
2022年度も続くであろうコロナ禍において最も課題と考えられるのは、メンバー同士のコミュニケーションです。コロナ禍以前、実際に会ってたわいもない雑談をする、あるいは懇親をするといった当たり前に思われていたコミュニケーションが、メンバーにとって実に多くの成長や刺激を与えていたことがわかりました。コロナ禍におけるメンバー同士のコミュニケーション不足はそれらの機会損失となり、特に歴の浅いメンバーにとって、玉島青年会議所に所属したり活動を行っていく意義を見出しづらくしている要因と考えることができます。
 以上のような状況を踏まえ、私はメンバーの皆様に『響心(きょうしん)』という思いをもって行動していただきたいと思います。この『響心』という言葉には、二つの意図を込めています。
一つめは、コロナ禍で希薄になったメンバー間の交流を取り戻す意味でも、メンバーひとりひとりが心を響かせあって交流を深めてほしいという思いです。 私は学生時代オーケストラサークルに所属していましたが、多種多様な人が大人数いるオーケストラでひとつの音楽を奏でる上で、皆が同じ方向に向き「一体性」をもったとき、個々のプレーヤーの技量の総和以上の感動的なハーモニーが醸成されました。 玉島青年会議所においても、メンバーひとりひとりが密なコミュニケーションをとりながら心を響きあわせ、地域を発展させよう、自分たちもより成長して行こうという熱い志を同じ方向を向いて持ってほしいと思います。
 もう一つは、メンバーが物理現象でいう『共振(きょうしん)』をしてほしいということです。物理現象の『共振』とは、物質がある特定の周波数の振動を受けると急激に振動しはじる、たとえて言うならば、1+1が2でなく10になるような共鳴しあう現状のことです。玉島青年会議所のメンバーには、その志や活動を『共振』ならぬ『響心』しあって、メンバー相互で志や能動的な活動姿勢を高めあってほしいと思います。 そうすれば、メンバー数が少ない玉島青年会議所にとっても、組織としてメンバー数以上の総合力を発揮し、メンバーにとっても地域にとっても大きなポジティブなインパクトを与えることができると思います。

心を響かせあい、歴史と伝統を尊重しつつ変化の潮流をとらえ、玉島の輝く次代の開拓者となろう

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