2017年度 一般社団法人西大寺青年会議所 スローガン

        

基本理念

〜懸命なる取り組みにのみ 宿る笑顔を伝えていく

 

基本方針

『笑顔あふれる青少年の健全育成』

『地域の価値を創造する笑顔あふれるまちづくり』

『笑顔あふれる拡大運動』

 

 

一般社団法人西大寺青年会議所

2017年度 第57代理事長 小野真人

 

【はじめに】

私たち一般社団法人西大寺青年会議所は本年度57年目を迎えます。昨年は42年ぶりに岡山ブロック協議会の会長を輩出し、OBの先輩をはじめ多くの方にご支援頂き無事1年を終えることができました。先ずはお支え頂きました皆様に心より感謝申し上げる次第です。この度頂いた貴重な経験や学んだ事をどのように活かしていくのか、まさに西大寺青年会議所として試される一年になると考えます。しかしながら、そのプレッシャーに負けることなく全国697青年会議所の中で、どこよりも楽しく笑顔をもって56年という伝統の重みをかみしめながら邁進していく所存です。

本年度スローガンの中にあります『笑』には様々なカタチがあるかと思いますが、笑いというのは感情の中で最も人を豊かにしてくれるものではないでしょうか。入会して7年となりますが、今日まで様々な笑顔を見て参りました。事業を通じ得た地域の方の笑顔。ひたむきに取り組む事で得たメンバーの笑顔。支え応援してくださる先輩の笑顔。すべての笑顔の源となるのは一人一人が献身的に地域を想い一生懸命に取り組む姿勢だと考えます。懸命に取り組んでこそ健やかな笑顔が生み出され、伝えていくことが出来ると信じ、本年スローガンを『伝笑』と掲げました。

 

【笑顔あふれる青少年の健全育成】

2009年より犯罪の数は年々右肩下がりを見せてきているものの 様々な事件、事故、犯罪の多様化や弱者を狙った事件発生の観点から治安の悪化を感じ、子どもたちを取り巻く教育環境も時代と共に変化してきており、少子高齢化も急速に進んでおります。それらを踏まえ西大寺青年会議所としても事業の方向性を見据え、こうした社会問題に対し他人事ではなく、若者が当事者として意識を高められるように青少年事業のあり方を見直す時代を迎えたと考えます。近年日本全体で投票率の低下が問題視される中、若者の声を政治に反映することを目的に2016年7月より選挙権の引き下げが行われたことにより、若年層の政治参画が可能となりました。しかし、その投票率は県内では39,5%東区においては県内ワースト2位の39,2%と若年層の参画意識は芳しくありません。そこで投票率の低下は、幅広い年齢層での問題ではありますが本年は今後の地域の担い手となっていく若者にスポットをあて高校生を中心に政治へ参画する事の重要性を考える環境を構築し興味をもって取り組む事が出来るよう本年度、第3回目を迎えます『西大寺市民大学』において能動的市民の意識変革を行うことによりアクティブシチズンの醸成を目指します。その事により『自分達のまちは自分達の力で維持・発展させていくのだ』という気概をもった若者を育成出来るよう事業を展開して参ります。

また近年、目まぐるしく発達する文明においてインターネットやスマートフォンを活用し、情報を容易に得ることが出来るようになり個々で解決する力を身につけました。その結果『ながらスマホ』での事故や、SNSでの陰湿ないじめが出てくるなど便利になると同時に次なる問題が生まれて来ました。その発達するデジタルに勝ることが出来るのは人と人との密な繋がり、ふれあい、気遣い、思いやりだと考えます。よく『昔の機械は壊れにくい』と言われます。その一つに構造が単純だったから、という理由もあるでしょう。機能は少ないかもしれない、しかしデジタルにはない強さや温かみがアナログにはあるのです。

私たちの活動エリアである西大寺という地域には500年を越える伝統行事『西大寺会陽(さいだいじえよう)』がございます。厳寒の中その歴史は奈良時代より続くルールを守り、参加者は命をかけて『寶木(しんぎ)』を争奪します。そこには最新の道具なんてありません。己の身体一つで戦う、まさにアナログです。しかし、そこには時代が移り変わろうとも、存在し続ける事の出来る強さと温かみが溢れていると確信します。西大寺青年会議所を中心とした少年はだか祭り実行委員会が開催する事業として、本年度46回目を迎える『少年はだか祭り』を行うにあたり、今も昔も変わらぬ伝統文化に触れ、アナログの魅力を伝えることで地域に伝承されているお祭りを守り、また自分たちの暮らすまちや文化に対する想いを未来へ繋げていってもらえる、そんな郷土愛と笑顔あふれる青少年の育成を目指します。

 

【地域の価値を創造する笑顔あふれるまちづくり】 

活気のある地域とは、企業が集まり個々が栄えその方たちが定住しその地域に魅力を感じることが出来る、またその魅力を発信出来る地域であると考えます。

天平勝宝3年(751)金陵山西大寺観音院が建立されたことを機に門前町として栄え、酒・魚・餅・鋳物等、商人が店を開いて繁栄してきたと伝わっています。それを象徴するように観音院を中心に五福通りなど歴史的な文化が守ってこられました。また近年では大型商業施設も建設され、大人数で集える場も出来ました。更に日本に誇れるロケーションの活用により、多くの映画ロケ地に選ばれるなど魅力あふれる地域であり、隣接する瀬戸内市においても自然を活かした豊富な名産品をはじめ、年間10,000人が来場する海水浴場や竹久夢二など歴史に名を残す偉人が数多く輩出されており、更に世界的にも有名な刀剣の産地として栄えた長船もあります。しかし、岡山市中心部に注目が集まる事が多くまだまだこの魅力は最大限に発信されていないのではないかと思います。

 そこで地域資源の魅力を市民から自発的に発信されるよう、本年度ならではのスキームをもって事業を展開したいと考えます。地域に魅了された人々の笑顔を見て私も『見たい!聞きたい!』と共感され、他に広がるような笑顔でつながる催し物が東区や瀬戸内市で開催されたなら・・・。どこか遠くで感じる賑わいよりも、近くで感じるまちの笑顔。遠近各地より人が流れ、滞在人口が増していくまちの可能性。そんな自然な仕組みが創られ発展的に広がる未来を考えるだけでワクワクしてきます。

そして地域の更なる価値を創造するためにも、私たちの持ち得る情報のみに頼ることなく様々な機会に出会う地域の方や先輩方より地域の魅力発信につながる情報を収集します。これらを基にまちの元気の素となる笑顔を生み出し、地域の価値を創造して参ります。

 

【笑顔あふれる拡大運動】

人口減少や経済の悪化など様々な要因に伴い、会員拡大運動は全国の青年会議所で大きな課題となっております。一般的なイメージとして青年会議所に属するのは経営者であると思われている方が多いかと思いますが、近年ではサラリーマンの方や主婦の方も『まちのために役に立ちたい』という尊い思想の基入会される方が増えてきております。この事からも経営者のみならず幅広く青年会議所の運動を発信していく必要があると考えます。

地域に尽くす団体として運動を展開していく中、それぞれ事情がある中で家庭や仕事との両立を図り苦労する事はあります。しかし誰かの役に立つ生き方をせず、自分の事だけしか考えなくなってしまったら。自分たちの地域を他人だけに負わせてしまって本当に良いものでしょうか。自分たちのまちで明るく生活していくためには、自分たちの手で自分たちだけでも出来ることを探していく必要があるはずです。そんな小さな一歩一歩の積み重ねが、やがて能動的に発展して行く地域の光となる事を信じ、私たちは青年会議所運動を行います。そして自らの団体の存在意義を深く掘り下げ、青年会議所における個々の尊い存在意義を再認識していくことを繰り返し、価値を高めていく事で拡大の運動は広がっていくと信じると同時に、私たちの運動が一人でも多くの方に共感をして頂けるよう笑顔あふれる拡大運動を行います。

また青年会議所は『自己の成長』も大きな目的としており、地域の担い手として様々な研修や機会を通じて自己研鑽を積むことが出来ます。中でも人と人との繋がりが希薄になってきている現代において青年会議所という組織に属することで自律性、自主性が育まれ、一人では決して得られない多くの学びを得られます。本年度は一つ一つの事業において青年経済人を育てていくために本当の成長の機会を提供できているかを一年間通じて考え、実践を繰り返して参ります。

 

【結びに】

私が2011年に西大寺青年会議所の門を叩きはや7年となりました。

今日まで多くの出会いや別れがあり事業を通じ苦労した事、うれしかった事等、様々な事がありました。入会したばかりの頃『まちのため』や『地域の方々』に対する関心は薄いものであったと今振り返ってみるとそう思います。更に言えば、ボランティアを行なってくれている方々、地域のお祭り等を運営してくださる方々の気持ちなど考えたこともありませんでした。しかし、青年会議所に身を置き、時を重ねまちとの関わりが増えていくに従って、このまちはこの先どうなっていくのだろう。自分たちは何をしなくてはならないのだろう。自分の中で意識が変革されていく今まで感じた事がない感覚であったことを鮮明に記憶しています。そして高い志を持ち、楽しそうに能動的に取り組む姿こそが人の心を動かすのだと気づかせていただきました。

青年会議所は40歳を迎えると卒業となります。残り年数限られた時間の中で、持てる力をすべて使ってこの感動を伝えていきたい。心から楽しんでまちと関わっていただける地域の方を増やしてしていくために何が出来るのか。明るく豊かなまちの未来を創造して参ります。
どんな時も心からの笑顔をもって。