2015年度 一般社団法人西大寺青年会議所 スローガン

        

基本理念

アクティブシチズンシップによる

明るい豊かなブルーエリアの実現

 

基本方針

◎会員30名を必達目標とし、熱意伝わる一致団結した拡大運動の取り組み

◎敬意と感謝の心を念頭においた、感動あふれる創立55周年の創生

◎東備地域の農水産業や歴史資源を活かした地域ブランド開発及び、回遊性の創生

◎愛郷心・愛国心を育む国家観・歴史観、誇りとアイデンティティを醸成する環境の確立

◎60周年を迎える2020年までの地域未来構想5年ビジョンを策定し地域発信

◎時代の変化に即応できるよう、適応進化させた継続事業の開催及び自己啓発の運動促進

 

一般社団法人西大寺青年会議所

2015年度 55代理事長 坪井 綾広

 

【はじめに】

幼少の頃、父親から「大学を卒業して社会人になったらJCに入れ。地域とのつながりはできるし、本当に勉強になるから」と、度々聞かされていた。地域社会を知らない自分にとって関心を抱くことは無かったが、JCというキーワードの記憶は確かなものとして残っていた。そして2004年、否応無しに父親から背中を押され入会し今に至るが、地域や人とのつながりが生まれていくうちに、自然と父親から聞いた言葉の意味を深く理解することができた。今日まで先輩諸賢をはじめ、運動を共にしてきた多くのメンバー、そして背中を押してくてれた家族に心から感謝を表している。

人生とは険しい坂道であり、その多くは苦しいものばかりだ。しかしながら、道の先に夢を想い描くことで、長い道のりは生きがいへ、急な坂はやりがいへ、苦しみは感動へと変わるのである。JCもまた40歳までという限られた時間の中に引かれた人生の縮図ともいうべき坂道であると感じている。目的を見失うことのない運動だからこそ、長くきつい道のりも、やりがい、生きがいを持って頑張ることができる。そして、前向きな意識へと変えてくれる環境が、自分の弱みを克服し、自信をもって確かな一歩を踏み出せる力となる。私が入会してから、この11年間という上り坂を登ることができたのも、こうしたJC体験を共に歩んだ多くのつながりがあり、目標にたどり着く度に得ることができた、筆舌に尽くし難い「感動」があるからである。

感動は人と人との共鳴から生まれる人間だけに与えられた唯一無二の尊い心の作用であり、能動的な働きかけを奮起させる原動力となる。そして、心、人、ものが動き始めると伝統や文化、アイデンティティまであらゆるものが形創られる。形と感動は常に発展的な相互作用を生み、それぞれの価値観が進化していくことで、豊かな地域社会へとつながっていくのではないだろうか。

私たちの眼の前には、先祖が全身全霊を持って日本精神に生きる熱い息吹を与え続け、時には命を投げ出してまでも守り伝えようとしてきた、愛すべき郷土や気高い精神性、悠久の歴史に培われた世界最古、我が国日本がある。この形は日本人の誇りであり、ここに生かされている命そのものが万感胸に迫る感動である。私たちの使命はこの形を学び、自分自身が感動となって守り抜き、未来を担う子ども達に、誇りを持って精一杯伝えていく事だと感じている。

 

「自分は今、魂を揺さぶり、感動の坩堝に叩き込むような

KATACHIを未来に残していきたい」

 

【アクティブシチズンシップを形に】

最新の未来人口調査によると2040年には全国1800市区町村の半分が存続の危機に瀕し、2050年に全国6割の地域で人口が半分以下になると予測されている。ここ岡山市でも人口全体として2010年(709,584人)〜2040年(651,328人)では9%減少し、子どもを産む世代の女性としては20歳〜39歳が30%減少、出生率も29%減少と大きく落ち込む。逆に75歳以上の男女は53%も増加し、高齢社会の裏側にある社会保障問題、生活不安の増大、生産年齢人口の減少による経済成長ヘの悪影響、世帯数の減少による空き家・空き地の増加など深刻な問題が山積みである。今こうしたスパイラル的にさまざまな問題を引き起こす負の連鎖を食い止めるべく、国が中心となり打開策を打ち出そうとしているが、私たちは文句だけを言う傍観者に絶対になってはならない。

今やるべき運動とは、こういった大きな社会問題から地域の小さな問題まで、地域全体で解決できるようアクティブシチズンシップ(主体的・能動的市民参加)の形成を担い、それを具現化することだと考える。例えば、西大寺地域にある問題として商業・サービス業が少ない、回遊性がない、一貫したセールスポイントがない、といった要因がある。これを市民が傍観者として見るのではなく、当事者となって能動的に立ち上がり自らが考え、行政、企業、あらゆる団体と協働をもって一つの解決策を導き出していく。つまり、アクティブシチズンシップとは特定の権利権限のある団体や人が主体となるのではなく、市民全体が夢や希望を抱けるよう民間が主体としての参画へ転換していくことである。このように協働意識を高めることが可能になれば、社会問題だけでなく、天変地異や伝染病など、今後自然界で起こりうる災害対策問題としても力を発揮することができ、盤石なまちや地域を創ることができるのである。

当年度はこのアクティブシチズンシップの理念を念頭に、私たちが提唱するブルーエリア(岡山市東区並び瀬戸内市地域)に住まう市民と共に、明るい豊かなブルーエリア実現に向け邁進したいと考えている。まず、物事の始まりとして、市民とのふれあいの大切さを意識し、郷土の知識を高め、つながりを大きくしていく為に各地の清掃活動に積極的に参画したい。そして、子どもから大人まで、まちづくりの楽しみ方やその仕組みを理解して頂けるよう、JCI(国際青年会議所)が推奨するアクティブシチズンフレームワークを活用しながら地域づくり構想を実現し、能動的な参画意識を一人でも多く醸成できるよう形にしていこうではないか。

 

【人間性を高めた拡大運動】

1960年11月29日、発起人12名、総勢35名の先輩によって西大寺青年会議所は開花した。その運動は情熱と共に連綿と引き継がれ、本年、創立55周年という新たなる扉を開く。しかしながら、会員は年々減少傾向にあり、このまま会員拡大が出来ない場合、60周年を迎えようとする矢先に大変苦しい状況下におかれることは間違いないであろう。今まで先輩が築き上げられてきた、夢や希望、そしてこの大きなつながりを失わない為にも会員拡大を最重要課題としたい。

私たちの団体は地域に、そして日本や世界にインパクトを与え意識変革を起していく団体である。会員拡大が必要な理由は、一人の小さな力が、より多くのメンバーと切磋琢磨することで、感動を携え市民へ意識変革を起す大きな原動力を生み出すからだ。つまり、会員同士の小さなつながりからやがて、大きなつながりとなり、多くの人の意識を変え、地域社会を変えていくことにつながる。これこそが真の拡大運動の目的であり、明るい豊かな社会の実現に近づくものと確信している。

まず、会員拡大を行う前提においてJC運動の意義、目的、何を学ぶべきかをしっかり再認識する必要がある。私たちの理想的な人間関係の構築とは「あいつなら信用できる、あいつなら頼りになるから、一生仕事の取引をしていきたい、一生涯友人でいたい」といった社会的信頼・信用を互いに分かち合うことだと考えている。つまり、JCというツールを通じ地域社会においてのルールや使命、人間性の高め方を探求していくところであって、JCを学ぶ為にあるものでもなければ、立派な肩書きを創ってリーダーになる為でもないことを肝に銘じておきたい。

次に、失敗を恐れず「伝える」という作業を積極的に行わなければならない。その場ですぐ結果が出なくても熱意を持って伝えることで真剣な姿勢が市民に伝わり、次第に同士が増えていくと確信している。また、具体的な手法としては、私たちの運動を分かり易く、親近感をもって伝えられるよう映像などを駆使したJC説明会、地域コミュニティーを育めるような異業種交流会といった新しい取り組みや、女性の会員拡大にも挑戦したい。更に、入会後、新会員を気遣えるようなフォローアップの仕組みを作り上げ、メンバー同士の絆を更に強固なものとしていく意識を忘れてはいけない。

私たちの一番身近な頼りになる諸先輩、そして、各地会員会議所を始め、全世界のメンバーと情報を密にし、目標を高く持って一致団結して会員拡大に挑戦しようではないか。

 

【原点に立ち返る】

今日まで西大寺青年会議所の55年という歴史を紡ぎ、力強くバトンを継承してこられた先輩諸賢に心から敬意と感謝の念を表している。ここには、その瞬間を大切に、情熱を持って未来の為に行動を起した証ともいうべき歴史遺産が多く残されている。私たちはこの輝かしい歴史の語り部となって次の60年、70年に向け、歩みを止めることなく運動を継承していかねばならない。

歴史を振り返ることなく、眼の前のものばかりに執着すると、運動の原点を見失うことがある。そして、その目的性にぶれが生じ、市民が求めているものとかけ離れると、自己満足的に終わるか、最悪の場合その形さえも消滅させてしまう可能性がある。私たちが今後意識すべきことは、常に先人が創り上げた目的にある、明るいまちの未来構想や、その夢にかけた情熱を忘れず、変える必要のあるものと、ないものをしっかりと分別をすることが重要だと考えている。

本年度は55周年を機にシニアクラブが設立される。これを機運に先輩との結束や絆を今まで以上に強固なものとし、設立当初の話や、様々な運動事業についての歴史に触れられる交流会を増やしていきたい。原点に立ち返って運動を改めることで、今行っている事業の分別はもちろん、気づきや学び、その価値を高めていく術を身に付けることができ、培ってきた歴史に一層の磨きがかかることを期待している。

一歩ずつ共に歩みを進めてきた地域市民と共に今こそ会員同士決起しようではないか。そして、多くの感動を分かち合える創立55周年を創生し、新たなる扉を開けられるよう未来を形にしていきたい。

 

【地域ブランディングを創生する】

岡山県の歴史建造物は細かく調査が進んでいる他県に比べると、文化財建築への関心が低いと言われている。その為か、価値あるものだとは知らず、意匠を大きく変えてしまうような修復をするなど、価値を無くしているものも少なくない。このような環境下で、西大寺・門前町周辺の町並み調査において、建築史上類のない構造を持つ堂宇や、看板建築など和洋折衷の古い町並みが文化財的価値として高く評価された。私たちの生活において、当たり前のように感じた何気ない情景が、研究家の眼によって初めて大きく価値づけされたことになる。 

古建築の世界に「建築の価値は元来あるものでは無く、見つけてあげるもの」という理念がある。この理念を地域ブランドの開発を行う上でブルーエリアにある資源に当てはめてみても、この豊富な農水産業や歴史資産に対し、発見できていない、価値づけされていないものがあるのではないかと考えている。私たちはその価値を見つける眼を養い、ブランディングという手法を用いて地域の宝をしっかりと磨いていかねばならない。

日本の繁栄はものづくり文化にあると言われるほど、世界に多くのブランドを創出してきた。その背景には日本の風土、文化、歴史の中で培われた利他の精神性や美意識が先端的なものづくりを生み、利益を先にしない商品価値が、それを求める人からの信用度や満足度に相応していることにつながっている。ブランドの定義とはこういった創る側と求める側の関係によって初めて成り立つものであり、一方的に押し付けたところで決してブランドとはならない。私たちのまちづくりも、安価だから、集客し易いからといって目先の結果だけで、物事を主観的に提供してはいけない。歴史と伝統に息づく精神性や、他にはない資産を武器に、客観的な立場から価値あるものを提供していくべきだと考えている。

今、急速に発展するメディア環境変化に対応できるよう、一般的な言葉や概念までもブランド化してしまうコンセプトブランディングという新しいブランド戦略も生まれている。日々猛スピードで変化する社会に対応しながら自身の眼を養い、創る人、求める人の価値観を共有し、回遊性を創生できるような地域ブランディングを形にしてきたい。

 

【日本人のアイデンティティを取り戻す】

豊かな社会とは、物質的なものと精神的なものが、バランス良く存在するところにあると考えている。しかしながら、戦後教育では眼に見えるお金や地位、名誉、学歴など物質主義的価値観を至上におき、今の社会を築き上げてきた。その結果、精神的価値観よりも眼に見える物量の大きさだけを秤にかけ、それを豊かさの象徴としてしまったのである。いくら得ても決して満たされることのない負の連鎖は規範意識がなく、自己中心的で、無関心な人々を増やし、様々な社会問題を暴発させている。そして、今、眼には観えない伝統文化に培われた日本人の精神性やアイデンティティが失われつつあり、正に重症の危機に瀕していると言っても過言ではない。自分が何故ここに生まれて来たのか、何故生きて行かねばならないのか、日本人とは何で、命とは何なのか。今、我が国にはこうした自分の存在証明をすることのできない国民で溢れているのが現状だ。

それは日本の敗戦に伴い、GHQ(連合国軍総司令部)が日本人から言論の自由を奪い、軍国主義の温床になると拘って、日本国憲法制定を基軸に、神道の意義、皇室や伝統ある歴史、郷土への理解を育む地理、規範意識を育む道徳、親孝行や先祖を敬う教育勅語、宗教の情操教育を一方的に禁じたことに起因している。これが戦後レジームと呼ばれる負の遺産であり、戦後70年を迎えた今、右派・左派の対立問題や領土領海に対する無関心、命の尊厳が奪われるなど、様々な悪い結果を生んでいる。もうこれ以上骨抜きにされてはいけない。だからといって今私たちが成すべきことは、今の教育に対し責任を押し付けることではない。市民一人ひとりが愛するまちや、国の誇りを世界中に語れる人財を育成し、世界平和をムーブメントできるような、愛郷愛国の精神を育成する教育環境の確立である。

そのきっかけとして、教育の根幹となる教育基本法を考えたい。文部科学省は2006年の戦後初めて改正された教育基本法に「道徳心を培う」といった言葉が明記されたことを受け、道徳教育の充実化を図ろうとしている。ただ、ひとつ違和感を覚えることがある。道徳は悠久の歴史に培われた日本の精神性があってこそ育まれたものであるから、歴史教育を深く掘り下げる必要がある。しかしながら、我が国が神話から始まっていることを記す「古事記」や、神武天皇が即位された紀元前660年2月11日より始まり本年2675年を迎える世界最古の国の歴史を記す「日本書紀」への教育が未だに封印されたままだ。  

また、この改正教育基本法には「国と郷土を愛する…態度を養う」という言葉が明記されているが、それについての説明や、方向性が市民には伝わっていないと感じる。何故ならば、先の大東亜戦争の教育では「全て日本が悪かった」というイメージが強く、大東亜共栄圏の政策を単なる侵略目的として扱っている教科書が多くを占めている以上、国を愛する態度とはならないからだ。

私の中にある理想的な未来教育とは、教育基本法たるものが何なのかをしっかりと理解した上で、学校にはない教育を地域レベルでおこなうことである。つまり、学校では対応しきれない国家観・歴史観教育や宗教的情操教育を私たちJCは勿論、あらゆる団体や企業がフォローアップし、代わりに醸成していくことで、アクティブシチズンシップとしての教育が実現可能となる。

ここで、可能性にかけたいことがある。東日本大震災では日本が一つになり、復興に取り組む姿勢が世界で高く評価されたことをきっかけに、日本人の精神性についての価値観が見直されている。日本JCでは日本国憲法草案を基軸に、愛国心や領土領海の知識を育む運動が活発化し、岡山県では教育県岡山を復活させるために様々な努力がなされている。また、近隣でも、全国有数の誇りある日本人の育成に力を入れる学校が全国から注目を浴び、地元で誇らしい波風を感じられるようになった。今しかない。このチャンスを活かし、まずは祝日に国旗掲揚運動を推進することから始めてみよう。そして、市民と共に、愛郷心や愛国心を育めるよう国家観・歴史観を醸成できる環境を創生し、日本人としての誇り、アイデンティティを取り戻す運動を形にして行こうではないか。

 

【ビジョンを持つこと】

私たちの人生を80年として考えた時、生活に最低必要な拘束時間は睡眠で27年、食事で10年、トイレで5年分の時間を消費すると言われている。つまり、仕事、勉強、趣味といった自由にプランニングできる時間はこれらを差し引いた38年しかなく、如何に時間が大切かを理解して頂けるであろう。こうして見ると人生設計においては、この38年間を無駄なくプランニングし、如何に価値ある人生を創るかが非常に重要なポイントだと考えられる。私たちのJC活動とは、正にこの中に与えられた一瞬のチャンスだ。だからこそ、限られた時間を闇雲に使うのではなく、明確なビジョンをもって形にする必要がある。

JCIには組織の存在する理由、役割、使命、誰に何の為にどんな価値を提供するのかを定義した「JCI MISSION」と、今後目指すべき共通目標や近い未来構想として「JCI VISION」がある。そもそもミッションとは、事業戦略に応じて行動に導くための行動方針で内部に浸透させるものと言われている。それに対してビジョンは、そのミッションを達成する為の源泉で、具体的な目標がある上に数値や時間軸を伴い、外部に見せる意味合いが強いと言われている。ミッションの原動力となるのがビジョンであり、2つが常に両輪となってJCIの運動を強く支えているのである。

当青年会議所にも、まちづくりミッションとして2000年に採択された「ブルーエリア宣言」がある。ここで、55周年を迎えたことを機に、次の60周年の2020年までに形にすべく地域未来構想5年ビジョンを策定し、更なる進化を図りたいと考えている。ブルーエリア宣言にあるミッションをいつまでに、どんなゴールを持って形にするかを示したビジョンを市民に掲示し夢あるまちづくりの具現化を加速化させていくのだ。

また、このビジョンを外部に向けて強く発信することにより、私たちの存在価値が高められると共に、地域市民にも近い将来を想い描いて頂くことで、アクティブシチズンシップの形成を助けるものと確信している。

 

【時代の変化に即応する】

イギリスの哲学者でハーバート・スペンサー(1820年〜1903年)の概念に適者生存という言葉がある。後にチャールズ・ダーウィンが影響をうけ、「存在し続けるための努力に努める生物の個体のうち、最も環境に適した形質をもつ個体が生存の機会を保障される」と種の起源で表現したことで有名である。自然界に生存する生物はあらゆる環境に適応できるよう形態を変え続け生存する。これは強い弱い関係なく、その場に適した遺伝子を如何に残すかが重要であるということを意味している。

 今後、私たちが行う継続事業で、未来のブルーエリアを想像したとき、10年後、20年後、魅力ある形として残したい事業がいくつあるか良く考えてみて欲しい。残していきたい事業だからこそ、市民が求めるまちづくりや人づくりをしっかりと分別し、この激動した時代の中に即応できるよう適者生存としての進化の道を歩まねばならない。

 そこで、今後行われる事業を適応進化させる為にも、自己開発のLD(LEADERSHIP DEVELOPMENT)研修をプログラム化し、まちづくり・人づくり事業の原動力として充実化を図りたい。そして、日本JCを始め、地区、ブロック協議会のスケールメリットを活かしたセミナーや交流会事業などに参加し、メンバー全員意識を持って自己啓発を行って欲しい。また、JCの最大の特徴でもある「国際の機会」を活かし、中華民国にある姉妹JCとの交流や、JCI各国会頭候補者などのメンバーと絆を育むJCI国際アカデミー、そしてJCI世界会議金沢大会などの稀有なチャンスを絶対に逃してはならない。

自分自身を強く進化させていくには苦難の坂道を乗り越える必要があり、常に痛みが伴うであろう。しかしながら、これを決して恐れてはならない。JCは思い切って失敗できる修行道場だ。そこにチャンスがあるなら思い切って挑戦し、自分の弱みを是非克服して欲しい。ここで得た溢れるほどの感動は必ず見識・知識へ変る力となり、その意識が自分やこのまちを適応生存へと導く大きな可能性となってくれるに違いない。

 

【結びに】

約2500年前、仏教の創始者ブッダは次の言葉を今に残している。貪る心、怒る心、愚痴の心、これを三毒(さんどく)と言い、不満や怒りは責任を他人におしつける原因となって、自己中心的な欲望を湧き立て、全ての邪魔をする人間最大の敵だ。全ては三毒を滅せよ、と説いた。人には役職が付けば付くほど、社会的において大きな責任を伴う。しかしながら、いくら大きな役職であっても、愚痴を言って他人に責任をおしつけ、怒りや欲望に溺れるようでは、何一つ成長もなく、誰ひとり付いて来ることもないであろう。人は言葉、意識、行動からつくられる。JCの三信条にある修練の意義とはここをしっかりと律していくことであり、ひいては社会的責任を伴うことに通ずるものと考えている。

JAYCEEである前に人間である為に己を磨いていこう。そして、何かを変えようとする前に、自分自身を変えて行こう。自分が変れば、きっと全ての現象が美しく観えてくるに違いない。

 

「今、JCの素晴らしさを次世代に伝えたい自分がいる。

この感動が全てを変える勇気となるのだから。」