2021 西大寺青年会議所スローガン

スローガンバナー

2021年度 第61代理事長 谷政道

基本理念

~ 地域を照らす燈となる ~

基本方針

利他の心で運動に取り組む

2021年度 第61代理事長 谷政道

【はじめに】

日本の青年会議所が70年の歴史を迎え、全国692青年会議所のある中、一般社団法人西大寺青年会議所は1960年に日本で196番目の会員会議所として創立し、2021年度、61年目を迎えました。

創立から今日まで、「明るい豊かな社会の実現」の為、運動して参りました。青年会議所運動は、常に地域と共にあります。その歴史と創始の精神は地域の215名の先輩諸賢と共に連綿と受け継がれてきました。今日までのその功績に感謝し、新たな1ページを刻めるように会員一同邁進する所存です。

昨年来、私たちが未だ経験したことのない事態である新型コロナウイルスによる非常事態宣言の発令の中、今まで当たり前に行ってきたことが止められるということを余儀なくされました。家族の為、地域の為、生業の為、私たちが起こすべき行動は何なのか。今年度スローガンを「一燈照隅」と掲げ運動を展開致します。

「燈火」とは周囲をほのかに明るく照らす燈です。会員一人ひとりが持ち場でその役割を全うしてほしいという想いを込めました。家族と過ごす時間、地域の方々との交流の時間、生業へ費やす時間、青年会議所運動。そのすべてにおいて情熱を持って取り組んで欲しいと考えます。私たち会員は岡山市東区、瀬戸内市を中心に活動しており、それぞれが居住し、企業を営む身近な地域での行動は小さいものかもしれません。例えば身近な地域の課題を考えることから始めてみる。その先の課題解決に向けて取り組む第一歩が重要です。踏み出した先に、他人から頼られ、地域で輝ける存在として認知されるのではないでしょうか。そして、その一人ひとりの燈火が多く集まった時に「青年会議所」でしか築くことのできない「明るい豊かな社会の実現」という普遍的な目標に達し、やがてそれは地域を照らす大きな燈となることができるのではないかと考えます。

そしてその為には、まずは自分自身の行動を顧みることが必要です。まずは足元を照らし、「自分だけ良ければよい」という利己の心だけで物事の判断を進めていくと、自己中心的となり誰の協力も得ることができません。利他の心で物事を判断すると周りの協力も得られ、視野も広くなると考えます。私の通った中学校では「自分を大切に 他人を大切に」という看板が校舎に掲げられています。決してどちらかに偏ることなく、自分自身が生を受け人生を歩むことの大切さを実感した上で、自分自身や世の中、他人の幸せをも願う「利他の心」を持って運動に取り組む必要があります。

【地域への恩返し】

私たちの運動エリアである、岡山市東区、瀬戸内市では岡山三大河川である、吉井川の「青」そして、瀬戸内海の「青」。豊かな自然に囲まれたこの地域を私たちは「ブルーエリア」と定義し、2000年に「ブルーエリア宣言」を独自に採択しました。この「ブルーエリア宣言」を基に明るい豊かなまちづくりを目指しています。

事業構築の過程で、豊かな自然の中で、生まれ育ったこの地域に恩返しの想いで私たちはまちづくりを行わなければなりません。このブルーエリアは「自然と歴史」抜きには語れません。岡山市東区には西大寺観音院を中心とした歴史ある門前まち、そして九蟠港周辺の四手網があります。また、岡山市唯一の有人島である犬島では3年に1度行われる瀬戸内国際芸術祭での常設展示も行われています。瀬戸内市では日本刀の聖地である長船町、古よりしおまちの港として栄えた牛窓町、美人画で著名な竹久夢二や糸操り人形の第一人者である竹田喜之助を育んだ邑久町。この「自然と歴史」に新たな価値を吹き込むことこそ私たちの生まれ育った地域への恩返しであると捉えます。地域に根差し、そして向き合い続けていく私たちだからこそ、能動的に行動を起こさなければなりません。そのためには地域の課題が何かを考え、「どうあるべきか」という目指すビジョンを掲げ、持続可能な地域の問題の解決策を考えて行く必要があります。

一人ひとりが地域の未来を創造することを自覚し、青年会議所が中心となって行う事業、各団体と共に行う参加協力事業、様々な事業に積極的に参画することで意義や価値を見出し、その先にそれぞれのメンバーが各地域で「恩返し」の想いで運動を展開することによって、西大寺青年会議所の価値を高め、ひいては「ブルーエリア」この地域の価値を高めることに繋がります。

【青少年の育成を通じた郷土愛の醸成】

青少年育成を通じた郷土愛の醸成は、私たちの目指す「明るい豊かな社会」の実現に大きく寄与するものと考えます。私自身も幼少期から地域の行事やお祭り、青少年育成を目的としたイベントに参加し、そして生まれ育った地を7年間離れ見えてきたものがありました。郷土の素晴らしさや、生まれ育ったまちを俯瞰的に捉えることで郷土愛の醸成が成されるのではないでしょうか。その一助として地域の未来を担うこどもたちへの機会の提供が必要不可欠です。青年会議所運動を通じて地域への想いを育んでもらわなければなりません。

コロナ禍に於いて、新しい生活様式が取り入れられ、私たちの生活は大きく変わりました。今まで当たり前だった地域の行事やお祭りは中止、延期を余儀なくされました。このような状況下、地域の未来を担うこどもたちにとって失われたものは何なのか。人と人が顔をあわせて、心を通わせて伝わるコミュニケーションの機会は減少しています。新しい生活様式に寄り添った機会の提供により、本年度は青少年の育成を目的に将来の夢や希望を育むことのできる事業を推進致します。そしてその先に、生まれ育った地域に誇りと想いを持っていただけるよう、郷土愛の醸成を目指します。

【感謝と次の世代に向けて】

私たち一般社団法人西大寺青年会議所は、地域社会及び国家発展を目指し、企業の繁栄と、明るい豊かな社会実現の為とした、創始からの目的があります。その中には、経済、社会、文化等に関する諸問題を調査研究して、国内諸団体と協力し、日本経済の正しい発展を図ることや、指導者訓練を基調とした修練、社会奉仕及び会員の連携を図ること等の永久不滅の指針があります。

今まで60年の長きに渡り紡いできた歴史の中で、磨かれた問題解決の力。そして関係諸団体との連携や交流。また、社会奉仕活動。それらすべてが会員の自己成長に寄与すると共に、事業構築へと繋がっていきます。この創始の目的を再確認すると共に、検証し、10年後、20年後の次の会員の世代へ送っていかなければなりません。

昨年、開催することのできなかった創立60周年記念式典、記念事業。めまぐるしく変化するこの状況でも開催することのできる、記念式典、記念事業を構築していかなければなりません。

記念式典では、60年の歴史を築いてこられた先輩諸賢、そして長きに渡りご協力頂いてきた関係各諸団体の皆様に感謝の意をお伝えすること、

そしてこれからの西大寺青年会議所の未来をお伝えすることを念頭に取り組みます。 そして記念事業では、西大寺青年会議所をより多くの方々に認知していただけるよう、このまちに住み暮らす皆様に少しでも届く、機会の提供、事業を推進していきます。

私自身、西大寺青年会議所に身を置き、その素晴らしさを伝える伝道師でなければなりません。それは会員も同じです。志を同じくする次の世代に向けて、10年後、20年後と未来永劫と続いていく団体の在り方を模索する第一歩となる60周年となるよう努めます。

【西大寺青年会議所の会員として】

私たちが各地域で成すべき価値の創出と質的向上は至上命題であると考えます。その上でメンバーが自主的に考え、主体的に規律を維持できるような組織運営の在り方に向き合う必要があると共に、青年会議所の普遍的な理念と、時代に即した未来像を理解する必要があります。

青年会議所運動を通じて、自らの地域や社会、ひいては自分自身の為により良く変わっていくことを一人ひとりが認識していくべきであると考えます。 また、青年会議所は地域で必要とされる団体、地域から頼られる組織を目指すべく、自らで問題点を探り、企画、立案、実行までを一貫して行わなければならない。否、行うことのできる団体です。そしてそれが伝わってはじめて、発信されたことになることを忘れてはなりません。

私たちの地域の未来のために、今後の会員候補となる世代に自己成長、そして出会いの機会の提供を掲げ、会員一丸となり、地域に根差した運動を展開している青年会議所の良さを少しでも理解いただけるよう、実際に事業に参加いただくことで、運動の発信と会員の拡大を達成しなければなりません。

【おわりに】

私が生まれ育ったまちは、江戸時代、多くの廻船問屋が舟で行き交い、活気のあるまちでした。しかし、変化を受け入れられず、今では過疎のまち、消滅可能性都市となっています。災害や伝染病等、予想のできない不確実な将来に備えるため、過去の延長線上の対策ではなく、未来に向けて柔軟に対応する能力が求められます。

私たち会員が、生まれ育ったまち、生業を営むまちで「英知」「勇気」「情熱」を持って変化に対応する気概を常に持たなければなりません。そして何かを変えようとするとき、自分自身がまず変わらなければなりません。

青年会議所が40歳で定年という限られた時間の中で、自分自身を磨き、会員一人ひとりが地域で輝ける存在にならなければなりません。

自分たちの思い描く目標の実現に向け「利他の心」で運動に取り組み、それぞれの地域で輝いて行きましょう。

やがてそれは地域を照らす大きな燈となることを信じて。