2024年7月1日 発信

Tel.(086)454-8820/Fax.(086)454-8821
sangisin@optic.or.jp
https://www.optic.or.jp/sangisin/

2024.04(Jul.2024)
 今年は6月に会費請求書と退会届の両方を印刷した用紙を会員に送付して、どちらかを選択して頂くかたちにした。見方によってはブラックユーモアと映ったかもしれない。送られた退会届の多くは手書きである。眺めていると書いた方の顔が浮かぶ。長きに亘り古き良き時代の山技振を支えて下さった方々である。今回の山技振たよりは、新旧会員にお届けする最終号である。来月からは、山陽技術振興会のHP[https://www.optic.or.jp/sangisin/]で見ていただければ幸いである。
・有隣会主催第68回大原孫三郎・總一郎記念講演会
 2024年7月26日(金)1830~2000、於倉敷公民館大ホール(聴講無料 予約不要)、演題「美術史と異分野交流−『移り棲む美術』から大原特別展へ−」、講師 大原美術館館長 三浦篤氏
・文部科学大臣表彰(創意工夫功労者賞)および岡山県知事表彰(岡山県工業技術開発功労者)の募集
 今年も募集が始まりました。現場で努力している人達の功績を讃える良い機会です。ぜひ推薦・応募して下さい。山技振の会員・非会員ともに対応します。最初は当事者も上司も尻込みしますが、受賞すると本人はもとより、関係者にも大変よろこばれ、仕事への励みになり、自信になります。
(1)創意工夫功労者賞につきましては、県の締め切りが令和6年7月22日(月)で、山技振提出締切は7月15日(月)です[急いで下さい!]。
【詳細】https://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/attach/000029536_00008.htm
(2)岡山県工業技術開発功労者につきましては、県の締め切りが令和6年10月4日(金)、山技振締切りは9月29日(金)です。 【詳細】https://www.pref.okayama.jp/page/721363.html
◎推薦予定を前もって連絡いただくと、過去の経験に基づきアドバイスします。
・人材育成主要会議
 (1)担当者会議:6月14日(金)17:00~ 於三菱ケミカル開径寮、(2)AB会議:7月26日(金)
・人材育成講座実績
 6月末までに出前3を含む32講座(内26が対面)を実施、受講者は延べ620名、今後の見通しは、29科目ホームコース86講座と出前仮予約20講座、合わせて106講座に昨年を超える2809名が受講予定(2/3が対面希望)。受講増に備えて研修室拡張(現状20名[max25]⇒30名[max35])を検討中。
アサガオの季節
 今年もアサガオの季節になった。アサガオで思い出す人がいる。2017年10月1日発信の山技振たよりに「江戸時代のアサガオ栽培ブームは岡山県“備中松山藩”が起源」を書いた。「遺伝とは何か」の知識が益々重要になって居るにも拘わらず、高校生物から「遺伝の法則」が外され、突然変異や多様性を理解する機会が減った。これを憂慮して第89回日本遺伝学会が岡山大学で開かれたのを機に市民向けセミナが日曜日に開催された。「変わりものを探そう−多様性は生物の基本−」のテーマで5人の先生の講演があったが、台風接近の影響か市民の参加は低調で残念だった。この中にアサガオの講演があった。 「不思議な形のアサガオたち」仁田坂英二(九州大学大学院理学研究院)である。 仁田坂先生は、子供の頃からアサガオが好きで好きでたまらず、とうとうアサガオの研究者になった変わりものである。わが国では、熱帯アメリカ原産のアサガオが奈良時代に薬草として日本に輸入され、その後観賞用としても栽培されるようになった。その後の千年間はわずかな変異体の記録しかないが、江戸時代後期になり、岡山県“備中松山藩”において、「動く遺伝子(トランスポゾン)」が活性化した絞り咲きアサガオが見つかり、その珍しい花色から全国に広まった様である。その後、アサガオの自家受粉する性質とも相まって、「動く遺伝子(トランスポゾン)」によって誘発された数多くの色や形の変異体が見つかり、今から200年前の文化文政期にアサガオ栽培の大ブームが起った。驚くべきことに、その当時「タネを結ばない形態変異」を保存する方法が既に確立され、現在まで保存されていることは驚きである。種なしアサガオをどうやって後世に伝えたのか、知りたい方は梶谷まで問い合わせを!100年前にメンデルの遺伝法則の検証に用いられてアサガオの学術研究がスタートした。講演では、アサガオについて、江戸期の科学観も含めた歴史や研究の話があった。先生の持つアサガオのタネを希望者に送るとのことで申込んだ。約20種のアサガオの種が送られてきた。翌2018年の春に種蒔きした。植木鉢とプランターを総動員して植えた。ホームセンターで格子を買って来て設置し種ごとに名札を付けた。わが家の庭に様々な変わり種アサガオが咲いた。どんな花が咲くか、毎日楽しみであった。半分白く半分青いアサガオが気に入って、毎日写真を撮った。折しもNHKの朝ドラで「半分青い」(永野芽郁主演)が放送されていた。あれから7年、わが家の庭には、正体不明・管理不能・おのれ生えのアサガオの葉が多数発芽している。仁田坂先生の研究室では、コロナ禍で人手が不足して大変困った由で、それを機にアサガオの世話はAIとロボットが担っている様である。[kajix]

sangisin@optic.or.jp