2021年9月1日 発信

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2021.6(Sep.2021)
 
・緊急事態宣言が岡山県にも適用され、一層の行動制限が課せられることとなった。山陽技術振興会の活動(技術交流会、工場見学会、山技振サロン、その他)も一年半以上休会している。顔を見ない間に退会者が続出している。山技振(基本事業)は、会費収入が頼りなので社会貢献のつもりで継続をお願いしたい。
・[競争的資金・補助金情報】コロナ禍の中でも各種補助金があります。応募者は少ないようですのでチャンスとも言えます。ご希望の企業・個人に配信します。メールアドレスを再度連絡下さい[sangisin@optic.or.jp]
・技術交流会、工場見学会、山技振サロン(兼企画会議)も当分休会します。
・岡山県知事表彰(岡山県工業技術開発功労者)は、10月1日(金) 山技振必着(岡山県締切10月8日(金))
 企業や団体でこの道一筋の技術開発・人材開発に取り組んで来られた方を推薦下さい。詳細はURL参照
【http://www.pref.okayama.jp/page/721363.html】応募予定を前以てご連絡頂くと幸いです。
・第71回岡山県児童生徒科学研究発表会
 今年も11月28日(日)に岡山理科大学を会場に開催される。協賛金寄付と山陽技術振興会会長賞を4名に授与するが、コロナ禍のため来賓出席はなく関係者のみで運営する。
・第65回大原孫三郎・總一カ記念講演会
 7月の予定が10月7日に変更 17:30-20:00 於倉敷公民館大ホール「大原労働科学研究所創立百周年記念事業」の一環として開催される。作家江上剛氏の講演と大原労働科学研究所関係者によるパネルディスカッションが開催される。
・第65回岡山県溶接技術競技会入賞者表彰式(1名に山陽技術振興会会長賞を授与)[未定]
・公益社団法人山陽技術振興会の年次手続き
 事業報告、役員変更、年次報告の法務局登記、公益法人事業報告システムへの電子登録等、一連の作業完了。
・人材育成事業
 講座受講者は、コロナ禍を想定した修正計画に沿って順調に推移している。300人の追加受講申込があり、最終的には一昨年(2019年:コロナ禍前)の実績に近づいた。懸案の市販会計システム導入を決定した。決算書作成までの労力が大幅に節減される見込み。
“幸福な監視国家・中国”(梶谷懐・高口康太著、NHK出版新書)
 本書のあとがきの最後に「本書がとかく誤解を生みやすい『中国の監視社会』に関する読者の理解を助け、『そこから先の問題』を考えるきっかけの一つになってくれることを願っています。」と結んでいる。「幸福な監視国家」という表現は、決してシニカルな表現だけではなく、「決められない民主主義国家・日本」への問いかけなのである。岡山県にも緊急事態宣言が出た。日本の新型コロナ感染症は連日トップニュースで報道され、過激表現の競演が続いている。一方「コロナ禍を『封じ込めた』中国」は、どうやらウソではないらしい。武漢が発生源でありながら中国の被害は世界的に見て極めて少ない。再拡大の兆候のあった最近のデルタ株も感染源・ルートの特定、迅速ローカルロックダウン、1000万人規模のPCR検査、徹底した人流抑制で初期鎮圧に成功したらしい。JETROの情報によると、感染者が発生した地域に行ったことのある人には24時間以内にPCR検査を義務付け、さらに3日間に2回、7日間に3回の検査を実施する徹底ぶりである。人口百万人当たりの死者数(2021.8.28現在)は、中国3.2人、日本126人、韓国45人、オーストラリア39人、英国1955人、米国1925人、ブラジル2724人と中国が群を抜いて少ない。感染拡大初期に膨大な数の仮設病棟建設や医療スタッフの大量動員を行うと同時に「健康アプリ」を活用して個人情報を吸い上げて行動を規制した。なかなか感染を抑え込めない日本の状況からみて中国はうらやましい社会システムだと思う人も多い。いまの緊急事態宣言のような生ぬるい対策を何度もやるより、国民の主権を制限するような厳しい措置を講じて一気に感染を抑え込むべきだという意見が聞かれるようになった。お上からの「強権発動」を望むのは日本の国民性なのだろうか?SNS普及率の高い中国では、高度なデジタル技術を駆使して集められたデータからAIが望ましい社会規範を設定する。国民は自発的な規範ではなく、AIの処方に従って感染拡大防止という効用を得る。これは「功利主義的監視社会」である。根底には「いいじゃないの、幸せならば」という多くの国民の了解があるらしい。このような社会システムの中で多くの国民は以前より経済的に豊かになり、より幸せを感じているらしい。池田勇人の「所得倍増」の頃の日本と似ているかも知れない。感染症のような公衆衛生の場合、効率性の点からは中国のような一党独裁の専制主義国家が有利である。それにデジタル監視技術が加われば鬼に金棒である。しかし、結果の有効性に頼りすぎると「市民的公共性が育たなくなる」というのがこの本の著者たちの懸念と問題提起である。しかし、そもそも「市民的公共性」の芽はあるのだろうか?民主主義は、まっこと非効率でじれったいものなのである。みんなが参加し、しっかり勉強して議論し、決めたことに責任を負うことが大切である。日本は成熟した民主主義の国なのであろうか? SNS上には匿名の悪口と否定と愚痴があふれ、見るに堪えない。その中で、東京2020オリンピックとパラリンピックは、努力、感謝、支え合いといった忘れかかった言葉を思い出させてくれた。自分は何と頑張らない人生を送って来たのかと反省しきりである。オリパラを見て一生懸命頑張っている人がいると認識することは嬉しい。中止しなくて良かった。 中国はオリパラでも強い。アメリカを抜きそうである。囲碁の世界でも日本のトップが中国に勝てなくなった。文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が公表した分析結果によると、2017〜19年に発表された自然科学分野の学術論文のうち、他の論文に引用された回数が上位10%に入る影響力の大きな論文数で、日本は過去最低の世界10位に後退した。一方、中国は分析開始以来初めて、米国を抜いて世界1位となった。また、17〜19年に発表された国別論文数の年平均値(複数国の研究者のる共著論文は国ごとの分数でカウント)は、中国が35万3174本で2年連続の1位、米国28万5717本、ドイツ6万8091本と続き、日本は6万5742本の4位をキープした。習近平の中国は気に入らないことだらけだが、中国の普通の国民は頑張っているのだと思う。日本の普通の国民はもっと頑張らねばと思う。【kajix】

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