2021年11月1日 発信

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2021.8(Nov.2021)


・[競争的資金・補助金情報]希望者はメールアドレスを連絡下さい。[sangisin@optic.or.jp]
・山技振サロン年末大交流会中止
 12月前半開催が通例ですが、大交流会は人数が多いこと、密になりがちなこと、参加者の年齢、岡山県では宴会やパーティーは未だ解放されていないらしい、などを勘案して忘年会を2年連続見送りとした。
・「村川技術奨励賞」(名称変更)募集開始
 第17回「村川技術奨励賞」の募集を11月から開始、締切は来年1月末。科学、技術、産業の発展に資するものを奮って応募するよう周囲の方にPRして下さい。詳細は当会に問い合わせるか、当会ホームページの「村川技術奨励賞」の項参照。最近の受賞一覧も掲載。賞金10万円(基金枯渇のため減額)を3件に贈呈予定。
・「山陽技術雑誌Vol.70」原稿募集開始:例年通り原稿を募集
 本誌は技術雑誌であると同時に会員相互の情報誌で、論文、紹介文、エッセイ何でも結構です。締切は1月末。各社広告も募集します。1頁はB5判、2,208字(24字×46行×2列)白黒印刷標準。「山陽技術雑誌」は毎年5月300部発行、当会会員・広告主および当会と雑誌交換がある企業・研究所・大学・国会図書館など約200ヶ所に送付。
・岡山県児童生徒発明工夫展・科学の夢絵画展
 11/15(月)14:00-15:30審査会(於発明協会)、12/7(火)表彰式(テクノサポート岡山)会長賞を2人に授与予定。
・岡山理科大学第20回OUSフォーラム2021
 日時:11月22日(月)〜12月5日(日)、場所:Online(Web)開催、内容:研究シーズ情報発信、特別記念講演、技術相談など。https://www.ous.ac.jp/event/detail 20年間休みなく継続しているのは立派。
・岡山県知事表彰(岡山県工業技術開発功労者)
 10月8日(木) に岡山県産業振興課に2件5名を申請した。
・人材育成事業
 先月に引き続き人材育成講座の受注は活発である。コロナ感染者激減により対面講座が徐々に回復、新規顧客開発、新規講座開発等によりV字回復の見通しで、コロナ前に近づいている。黒字決算を実現できそうである。
・新会計ソフト
 インストラクターの指導を受けながら着実に進展中。決算報告書の詳細が若干変化する可能性あり。
カーボンニュートラル
 昨年の10月のこの欄で大学発ベンチャー「ペプチドリーム」の創業者“菅裕明先生(岡山出身)”について取り上げ、併せて第99代内閣総理大臣に就任した菅義偉氏についても触れた。就任直後の支持率は歴代3位と高いが、ご祝儀相場は当てにならないと書いたらその通りになった。菅内閣は短命であったが、わが国の将来にとって極めて重大な決断をしたモニュメンタルな内閣である。「2050年カーボンニュートラルを目指す」ことを所信表明演説の中で内外に宣言した。やや唐突感のある重大決定ではあった。総理大臣の決定に基づき、各省庁では一斉に対応策に追われた。経済産業省が中心となり、関係省庁と連携して「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定した。この戦略では、産業政策・エネルギー政策の両面から、成長が期待される14の重要分野について実行計画を策定し、国として高い目標を掲げ、具体的な見通しを示した(成長が期待される14分野)。こうした目標の実現を目指す企業等の前向きな挑戦を後押しするため、あらゆる政策を総動員する。これらは「イノベーションの連鎖」があって初めて実現可能な目標設定である。裏返すと画期的な技術革新による「イノベーション」の連鎖が途切れると実現不可能になるもので、極めて不確実な計画である。若いベンチャー企業の計画なら許せるが、老舗企業の計画としては許し難いともいえよう。
 農水省でも「みどりの食料システム戦略〜食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現〜」が策定・発表された。動物の生存個体数は餌(食料)の量で決まる。みどりの森で生まれた人間(ヒト)は、狩猟採集生活を長く続けて生きていたが、1万年ほど前に農業革命が起き、自分達だけのために食料を自前で作るようになり、他の生きものとは全く異なる生き方をする様になった。人類の歴史の始まりであり、自然破壊の始まりでもある。最近はやりのSDGsには17の目標が定められている。1番目は「貧困の撲滅」、2番目は「飢餓ゼロ」である。近未来の人口爆発を迎え撃つ食糧戦略は可能なのだろうか?
 みどりの食料システム戦略の具体的目標は、1.農林水産省のCO2ゼロエミッション化の実現、2.化学農薬の使用量をリスク換算で50%低減、3.化学肥料の使用量を30%低減、4.耕地面積に占める有機農業の取組面積を25%、100万haに拡大、5.2030年までに持続可能性に配慮した輸入原材料調達の実現、6.エリートツリー等を林業用苗木の9割以上に拡大、7.ニホンウナギ、クロマグロ等の養殖において人工種苗比率100%を実現、等である。現役の若い専門家が考え抜いた項目だということは理解できる。しかし、長年日本の農業を考え・支えて来たと自負する長老には極めて不評である。「浅はかである。」、「ヨーロッパの論理をアジアモンスーン地帯の農業・文明に押し付けるべきではない。」と宣う。そんな気もする。このところ「このまま行くととんでもないことになる。私の言う通りにしなさい。早く!早く!」というせっかちな正義漢の御託宣が多くなった。地球温暖化もSDGsもグリーン・ニューディールもみどりの食料システム戦略も、正直良く分からん。呆けたのかも知れない。あの世に行ってからゆっくり考えよう。【kajix】

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