2022年5月1日 発信

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2022.2(May.2022)
 ウクライナ侵攻の陰に隠れて新型コロナがトップニュースから外れて久しい。しかし、岡山県の新規感染者数は400~1000人ゾーンに張り付いたままで、すっきりしない。このままゴールデンウイークに入るようだが、GW後どうなる? 総会(5/26)が心配である。
・山陽技術振興会令和4年度第1回理事会[総会前] 令和4年5月26日(木)14:00~ 倉敷商工会議所
・山陽技術振興会第77回通常総会 令和4年5月26日(木)15:00〜17:00、於倉敷商工会議所
 (1)総会15:00~15:30、(2)記念講演15:30~17:00「丸五グループ100年の歩み〜もっと愛される100年へ〜」、講師:岡本卓郎氏(丸五ゴム工業 代表取締役会長)、(4)交流会:なし
・第17回村川・難波技術奨励賞
 西原禎文・伊藤(加藤)智佐都(広島大学大学院先進理工系科学研究科)「超高密度不揮発性メモリに資する単分子誘電体の開発」(表彰式なし、賞状、賞金、副賞は郵送)
・山陽技術雑誌Vol.70
 原稿7件と広告の初校・再校完了、ササベ印刷にて印刷中、総会に合わせて納品。
・第77回通常総会議案書
 ササベ印刷にて印刷中、総会に合わせて納品。
・「山技振サロン」「技術交流会」「工場見学会」は新型コロナが収まるまで休止。
・令和4年度文部科学大臣表彰(創意工夫功労者賞)・岡山県知事表彰(岡山県工業技術開発功労者)
 昨年7月3件7名推薦、2件4名授賞【「出銑口補修治具及び補修材の考案」(JFEスチール梶@島川龍介、
倉津一章)、「トルクブーストアタッチメントの考案」(中国電力ネットワーク 石原知幸、日前武志)】。令和4年度岡山県知事表彰(岡山県工業技術開発功労者):昨年10月3件6名推薦、2件5名授賞【「5翼XL型可変プロペラ装置の開発」(ナカシマプロペラ 三宅真司、姫井弘平、野上尚宏)、「上腕骨遠位端骨折に対する内固定材の開発」(帝人ナカシマメディカル 久山信一、岡山済生会病院 今谷潤也)】、4月22日テクノサポート岡山にて授賞式【※今回表彰5件中4件が山技振推薦】。新型コロナ対策のため出席者を限定し、表彰状・副賞を受賞者一人一人に授与。アクリル板で仕切られた受賞者のヒトコト・スピーチが素晴らしかった。
・人材育成事業
 人材育成事業の決算確定、200万円を研修室基金に積立て、160万円は消費税引当金とした。4月12日「化学工学基礎」のリモート講義で新年度講座スタート。2022年度の受講希望が既に寄せられており、現在34事業所から2000人超の申込みがあり、定員オーバー講座等につき調整中。現時点で103講座を予定。今年度は、コロナ禍継続によるリモート講座体制継続とアフターコロナ対応の両面作戦を考えている[受講者回復、業務改革(講座運営、新規講座)、新リモート講座]。
「忘れられない山羊汁の味」
 岡山弁が飛び交い、総合グラウンドの「偕行社」が屡々登場した朝ドラ「カムカムエブリバディ」が終わり、「ちむどんどん」が始まった。沖縄が舞台で、食いしん坊の暢子が主人公という。長男賢秀が育てていた豚のアババがある日の食卓に豚汁となって登場し、ひと悶着起こるが、意外にあっさり片付いた印象である。自分たちが生きていけるのは、植物や動物の命を頂いて食べているからで、「いただきます」とは命を頂いたことへの感謝の言葉なのだというお父さんの言葉で収まる。それを見て、「第5回文の甲子園」(1996年文芸春秋社)を思い出した。掲記題は沖縄の高校生金城幸さんの作文で、最優秀として文芸春秋誌に掲載され、大変印象に残った。子山羊の頃から遊び相手として育てた山羊のジョセフィーヌが食べごろに成長して山羊汁になる。作者は、悲しみ憤り、茫然自失して二日間二階の自室に籠り、時々思い出したように泣く。両親も謝りに来ない。大晦日の夜、遊びに来た叔父が二階に上がって来た。「済んだことで意地張るな。体壊したら大変だろう。皆心配してるぞ」。「生きるってことは結局こういうことよ」。養豚業の叔父の言葉は説得力がある。渡された山羊汁を一口飲んでまた泣いた。“おいしかったのだ!”涙と鼻水を流しながら汁を飲む様子を見て、「お前いままで何も考えずに生き物食べてたのか?」。作者は山羊汁を全部平らげる。「それ以来、私の中にはずっと、食べられた山羊が住みついている。正直言って、生き物を食べるということがどんな事なのか、まだ自分の答えは見つからない。しかし、私は今まで食べた生き物の命で生きている。その実感は、大晦日の山羊汁の味と同じくらい確かに、私を満ち足りた気分にするのだ」。この作文は、26年前に読んだにもかかわらず、私の記憶の中で生きている。ジョセフィーヌという名前、白い山羊と少女が沖縄の草いきれの中を飛び跳ねる映像、鼻水ずるずると山羊汁をすする姿も。素晴らしい文章力である。実体験に裏付けられた表現はやっぱりすごいと感嘆しきりであった。ところがである。今回この作文をネット検索して判明したことは、この作文は“作り話”だったという。作者は、サラリーマン家庭に育ち、山羊を飼ったこともないと言う。41歳になっている筈である。嗚呼![kajix]

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