2023年3月1日 発信

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2022.12(Mar.2023)
 今年度最終号の山技振たよりである。岡山県の新型コロナ感染者数がようやく安心レベルに転じた。3月28日(火)倉敷商工会議所にて開催予定の山技振令和4年度第2回理事会をリアル開催することにした。5月25日の総会も講演会もリアル開催とする。
・令和4年度第2回理事会(予定表に記入下さい)
 日時:令和5年3月28日(火)18:00~19:00(懇親会なし)、場所:倉敷商工会議所、主たる議案は第78回通常総会議案審議です。【第1号議案:令和4年度事業報告、第2号議案:令和4年度収支決算報告、第3号議案:令和5年度活動方針・事業計画、第4号議案:令和5年度収支予算計画、第5号議案:研修室資金の積立、第6号議案:役員改選(非改選期)】【お願い:理事変更の予定・希望等があれば早めに事務局に連絡下さい。】
・令和5年度第1回理事会日時【確定】
 令和5年5月25日(木)14:00~15:00、場所:倉敷商工会議所
・山陽技術振興会第78回通常総会日時【確定】
 令和5年5月25日(木)15:00~17:30、場所:倉敷商工会議所(1)総会15:00~16:00、(2)村川・難波技術奨励賞表彰式、(3)記念講演16:30~17:30【講師未定】
・工場見学会、技術交流会、山技振サロン:全面休止。
・村川・難波技術奨励賞:応募3件(審査会3月2日)。
・山陽技術雑誌Vol.71:入稿が大幅に遅れている。
・人材育成事業
 2月末で出前・共催27と体験型20を含む104講座を実施、延受講者数は2,502名。年間では出前・共催30とホーム77講座および実証1を合わせ108講座を実施、年間受講予想は2,631名でコロナ前の2019年に並んだ。増益の見込みであるが、懸案の人材育成室水江移転に伴う諸経費が必要。1月31日AB(アドバイサリーボード)会議開催、次年度講座スケジュール確認、教材開発費倍増、インボイス制度説明等。
・川崎医科大学KMSメディカル・アーク2023 【オンライン大会】
 2023年2月8日(水)12:00~16:00(山陽技術振興会後援)、参加人員200名。
「微細藻類の世界」
 最近面白い講演を聞いた。微細藻類は、海にも池にも陸にも居る微生物で、光学顕微鏡で見える大きさである。例えば、三陸沖で脂ののった美味しいサンマが獲れた際、その脂はサンマ自身が作り出していると思っていないだろうか?実はサンマの脂は三陸沖の微細藻類が作り、その藻類を食べたサンマが美味しくなるのである。鰯もマグロも同様である。コロナになってからオンラインの会議・イベントが増えて味気ない一方、遠方のイベントに自宅から参加出来る。「微細藻類の活用による未来社会の可能性 〜藻類ベンチャーが目指す新しい価値の創出〜」なる講演会には二人のベンチャー社長が登場した。2017年設立の株式会社SEED BANK(以下SBと略す、微細藻類のタネの貯蔵所という意味)の石井健一郎氏と株式会社ガルデリア(以下GALと略す)の谷本肇氏である。SBの企業理念は「自然(しぜん)を見て自然(じねん)と歩む」、禅問答である。事業内容は、1.有用な微細藻類を分離・培養し、社会に供給する、2.供給した培養株を永続的に保存する、3.さらなる有用微細藻類を探索し続ける、である。様々な場所へ微生物採集に行って、顕微鏡の下で顔付を見ながら分別・培養して微細藻のライブラリーを増やしている。CO2が余っている工場で微細藻類を使ってタンパク質を生産したいとの相談があれば、ライブラリーから候補を探索し、現地環境の微細藻類の探索を行い、候補を選抜し、培養方法を確立して提供するまでが事業である。GALは、温泉紅藻ガルデリアを会社名にしたもので、温泉に棲む極限環境微生物で、高温・高酸性・高CO2等過酷環境で生育可能なため、生物汚染に強く(他の生物は住めない)、高いバイオマス量を実現出来る。また、従属栄養・独立栄養(光合成)両方での生育機構を有するので多様な利用が可能となる。既に金属廃液からレアメタル回収を目指すベンチャーを設立しており、細胞壁を都市鉱山に利用し、内容物を食品その他に展開する構想である。また、アフリカで行われている“水銀アマルガム法”による金の採取を全面禁止に追い込むための技術開発にも注力している。両社は、目指すビジネスモデルは異なっているが、既に一部の領域で連携しており、連携で生まれるシナジーから、共同研究の経緯やベンチャー同士が連携するうえでのポイント、“微細藻類”がもたらす未来社会の姿まで、夢のある話が聞けた。【kajix】

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