2023年8月1日 発信

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2023.5(Aug.2023)
 5月の5類移行を機にコロナ禍もようやく落ち着きを見せて来た。一方で、家庭内療養患者は結構な数発生している様である。多くは1週間の外出自粛で事なきを得ていると聞く。今年の梅雨も線状降水帯なる言葉が多く発せられ、各地で治山治水の重要性が再認識された。集中豪雨の梅雨が終わると炎暑の夏が来た。ここでも連日「命の危険」という言葉が使われている。異常気象が、頻発化・激甚化の傾向にあるという。絶叫言語が横行する社会になった。“山技振恒例夏の大交流会”は昨年に続き開催する。
・山技振恒例夏の大交流会(アイビースクエアー・ビアガーデン)
 山陽技術振興会では、恒例夏の大交流会を開催します。猛暑にもコロナにもめげず、大いに飲み大いに語って元気を回復しましょう!会員外の飛び入り参加も大歓迎です。多数の参加をお待ちします。参加希望者は別添申込書に記入【連絡電話番号明記!】して8月17日(木)までに送って下さい。 開催日時:令和5年8月24日(木)18:30~20:30、場所:倉敷アイビースクエア・ビアガーデン(雨天中止の場合は、当日15時30分(3時間前)までに連絡用電話番号に通知)、会費:4000円/人(当日、受付にて領収書発行)、定員:制限なし。
・技術交流会、工場見学会、山技振サロン(兼企画会議)は当分休会します。
・文部科学大臣表彰(創意工夫功労者賞)
 7月24日(月)山技振締切で5件6名の応募があり、指導修正を経て、締切日7月31日(月)に候補者調査書、補足説明資料、住民票等を完成、電子データおよび紙書類一式を岡山県担当課に提出。県担当課の現地査察、岡山県内審査を経て文科省に送られる。受賞者発表は令和6年4月の予定。 
・公益社団法人山陽技術振興会の年次手続き
 事業報告、役員変更、年次報告等の法務局登記、公益法人事業報告システムへの電子登録等、一連の作業を岡山県担当者の指導を受け継続実施中。 
・人材育成事業
 (1)水江研修所改修工事が完了し、リモート講座は水江研修所からの配信に切り替えた(講師所在地の講義を除く)。(2)担当者会議を3年ぶりに対面で実施(6月16日(金)1530〜於旭化成大高研修所、懇親会を旭水苑で実施し、対面講座再会を議論、テスト的な対面講座も検討する。提案のあった新規科目2講座について各社のニーズを確認する。ニーズに沿った修正を経て次回再検討する。(3) JEMCO日本経営と新講座について打合せ実施(7月5日(水))。(4)講座受講者:7月末までに出前4講座を含む38講座を実施し、延べ934名が受講。年間受講者は2724名と2019年を超える予想。(5)人材育成事業の事務所移転を7月27-28に実施。経常外費用として事務所移転費675万円が想定通り発生の見込み。
・当事務所のお盆休みは 8月11(金)~15(火)とします。
・有隣会主催第67回大原孫三郎・總一郎記念講演会
 2023年7月27日(木)18:30~20:00、於倉敷公民館大ホール、「日本人の科学する心とは」、名古屋大学特別教授・2001年ノーベル化学賞受賞 野依良治氏:連日の猛暑にめげず多種多様な年齢職業の人びとが会場を埋めてくれた。古い文化と伝統が色濃く残る倉敷のために持論を再構成した新鮮な講演であった。尻上がりにテンションが上がり、講演が終わるとスタンディング・オベーションのように拍手が長く続いた。それだけで終わらず、講師控室に多くの老若男女・グループが詰めかけ騒然としたが、皆さん期待に溢れた笑顔で、とても追い返せない雰囲気であった。野依氏も終始誠実に笑顔で対応して呉れ、お陰で会食が一時間遅れた。講演スライドの言葉の意味、ツーショット写真の希望、署名入り色紙の要望、AIについて、次世代テーマ、進路相談、お悩み相談、日本の伝統文化研究へのアドバイス等々。【以下講演キイワード】 パスツールの言葉:「科学に国境はない。しかし、私には祖国がある」⇒野依「私には祖国がある。しかし、科学に国境はない。」 科学する心は、ふるさとの気候風土、伝統文化、美との出会いなどにより育まれるものである。文様や図形、空間デザインなどは、西洋と東洋、更に日本とで違いがあるように感じられる。【西洋⇔東洋】[左右対称⇔回転対象]、[静的⇔動的]、[硬直⇔柔軟]、[集積の傾向⇔それ自身で完結]、[代表図形:重ね四ツ目紋(左右対称)⇔左・右三つ巴紋(鏡面対象)]、⇒⇒ねじれ構造を持つ触媒(BINAP:野依触媒)[一秒間に何百回も回転しながら新しい分子を作り続ける。しかも右手と左手を完璧に作り分けることが出来る]、⇒柳宗悦(民芸運動の開祖、用の美:機能するものは美しい)⇒科学的直観の支えとなった。独創的科学者の特徴:自学自習、感性と好奇心、反権力反権威、変人非社交的独立独歩、前衛、孤独に耐える精神力、思い入れ、異質なものに出会った経験、貧しい環境を克服する意志、匠の技、勤勉さ、独特の感性、 ・日本の科学を育てた人々のことば:寺田寅彦「災害は忘れたころにやってくる」、中谷宇吉郎「雪は天から送られた手紙である」、野依良治「研究は瑞々しく、単純明快に」 ・科学と芸術は、共にわれわれに生きる力を与えるかけがえのない人生の伴走者である。 ・日本人の科学する心:われわれ日本人は、日本の歴史風土の中で独特の文化に育てられた。科学には形式知と暗黙知が必要であるが、日本人の科学は暗黙知を大切にすべきである。古い歴史風土と伝統文化が息づいている倉敷は独創を生む素晴らしい場所だと思う。【kajix】

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